不思議なことに、同級生というだけで、みんなたがが外れたようにはしゃいでしまう。
同級生だと「〇〇君」と、男子(いくつになっても男子)を呼ぶ。会社では、年下でも男性を〇〇君とは呼ばないが、なぜだろう。同級生の男子は女子より若干若いような気がする。おまけに、警戒心がなくなる。
女子は力強い。恐ろしいことにキャンディーズの「春一番」と、ピンクレディの「ペッパー警部」の振り付けを次回の同窓会までに覚えることとなった。「もうすぐはーるですねえ。」頭が春ですわ。
宴会途中に先輩から電話が入り、今度の昇段審査に審査員として出てほしいというので承知しながら、廊下にいるのににぎやかなので、同窓会だというと「十分楽しんで・・」と、笑っていた。
楽しい二次会、三次会になり、わたしはようやく温泉に入る。片山津観光ホテルは古いが、風呂が楽しい。たくさんの種類の湯船があり、滝に打たれ、壺のような湯船があり、身体を沈めるとざぁーっと湯が流れ出るのがまた嬉しい。同級生同士でここでも溢れる湯の量を笑いあいながら贅沢な時間を過ごす。
翌日は、弓を引きたい友達に体験をしてもらって、その後地区の運動会に顔を出すと、ちょうど孫の走るところを見ることができた。ついでに、食券で娘と焼きそばをもらって歩いていると、同窓会に出たH君がはちまきを巻いて、障害物競争に並んでいて、わたしを見て大きい口を開けて笑って「全然寝とらんのや!」と、嬉しそうに訴えていた。わたしも大きい口を開けて下品に笑ってこたえた。
午後は、幹事の友達の家で決算をした。お金が余った。お金が足らないのはいけないが、余りすぎるのも良くない。消費税を外税にして計算したのと、二次会費が殆どかからなかったことで、予算との誤差が出た。実行委員長のM君がホテルとの交渉をしてくれて安くしてもらった努力にもよる。そこで、話し合って全員に2千円の返金をするべく、封筒に名前を書いている間にT君がお金をこわしに行ってくれた。
なんで、お金って「こわす」というのだろうと、いらぬことを考えた。
遠距離の人の分は私が担当し、T君は手渡しできる市内の分を担当した。まだ、加賀市内にいるかもしれない友達に電話をすると、実家にいる人などがいて、帰る道の途中に渡すことが出来た。N君のうちって、こんなに近かったのだと何十年もかかって初めて知った。