![]() | アンコールの神々 BAYON |
BAKU斉藤,中川 武 | |
小学館 |
アンコール・トムの中心にあるヒンドゥー教と仏教とが混合した寺院跡。

ヨンは「塔」の意味である。
バイヨンの入口の路上に世界遺産マークが。

中央祠堂や塔の4面に顔が彫刻されていて、どこを見ても顔ばかりであった。
人面は観世菩薩像であると言うのが一般的な説であるが、
戦士をあらわす葉飾り付きの冠を被っていることから、
ジャヤーヴァルマン7世を神格化して偶像化したものであるとする説、
ヒンドゥー教の神々を表しているという説もある。


これは「クメールの微笑み」と呼ばれる彫刻。

寺院は三層構造で中央祠堂が高さ約43m。
約50の塔に117個の人面像が彫刻されている。
人面像の高さは約1.7~2.2mで、統一されていない。
ほ~ら、どこを見ても顔ばかりでしょう・・・。

ジャヤーヴァルマン7世がチャンパに対する戦勝を記念して、
12世紀末ごろから建設を始め、石の積み方や材質の違から、
歴代の王達によって増築・改築されたらしい。
彫刻や像から考えてヒンドゥー教と仏教のミックスだろうと思っていたが、
どうやら初めは大乗仏教の寺院として建設され、
後からアンコール王朝にヒンドゥー教が入ってきたことにより、
寺院全体がヒンドゥー化したらしい。

1933年に、フランス極東学院の調査によって、
中央祠堂からブッダの像が発見されたが、これがそれかどうかは不明。
