カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「魔物」大沢在昌

2022年08月12日 21時47分59秒 | 日記 / DAIRY

大沢在昌のシリーズにはいろいろな主人公が登場するが、
この作品は、麻薬取締官である。31歳の大塚は東京出身だが
希望して北海道で勤務している。

14歳の時に好きだった女の子が不良と付き合って、
その不良にもてあそばれたあげく殺されてしまったと言う過去がある。
それもあって東京を離れ北海道勤務をしている。

ロシアから麻薬の運び屋が来ると言う情報を得て、
大塚は張り込みをするが、北海道警察にもタレコミがあり、
バッティングしてしまう。

ロックマンと呼ばれる男はロシアでも殺人を犯していると言う
凶悪犯であったが、寸前のところで取り逃がしてしまう。
ロックマンは手に絵画らしき物を持っていた。

大塚はススキノのクラブで知り合ったロシア人ホステスから、
その絵画がイコンと呼ばれ、ロシア正教会の聖人カシアンを
描いたものである事を知る。

カシアンは絵に閉じ込められているが4年に1回2月29日に蘇り、
禍をもたらすと言われていた。

カシアンは絵から抜け出して凶悪な者に乗り移るらしい。
乗り移られたロックマンは銃撃を受けても一滴の血も流さず、
平然と素手で人間を殺める。

しかし宿った人物が死ぬ時に、より凶悪な人間を見つけて乗り移る。
始めは信用していなかった大塚も目の前で同僚が殺された光景を見て、
カシアン(魔物)を封じ込めようと追いかけて行く。

 最初に大塚が14歳の時の事件から憎んでいる不良が登場するので、
 何かの前振りである事は判っていたのだが、行方不明であったその不良が、
 より凶悪になって後半に登場してくる。

 ちょっとオカルト的であったりSFっぽかったりするのだけど、
 楽しく先へ先へと読み進める事ができた。

コメント
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