大沢在昌の島シリーズ(?)。
最初からハードボイルドと言うわけではないのであるが、
最終的にはやはりかなりの死人が出る。
主人公は駆け出しのカメラマン絹田信一。
ある日、見知らぬ女性から電話がかかって来る。
24年間会っていなかった父親が死んだとの知らせだった。
2歳と時に両親が離婚してから母親と暮らした信一は、
母親からは父親の悪口(事実ろくでなしであったらしいのだが)を
聞かされていたため、特に父親への愛着はなかった。
父親は若い時分そこそこ名の売れたイラストレーターだったが、
一般的な家庭に収まる事が出来ずに別れたのだった。
父親は死んだ時に絵画教室をしていたらしく、
一緒に住んでいた女性が遺品のノートに書かれていた電話番号を見つけ、
信一に連絡してきたのだった。
信一はGFと一緒にその女性の元を訪ねて行き形見にと
1枚の描きかけの島の絵をもらってくる。
それをきっかけに信一の所に堅気ではない男たちがやって来る。
目的は何なのか?音信不通だった間に父親は何処で何をしていたのか?
どうやら父親は仲間と3人で無人島に住みマリファナを栽培して
生活の為に売っていたらしい・・・。
そして今でもその島には上質のマリファナが存在するらしい。
その島の場所を知るために信一は狙われ、事件に巻き込まれていく。
若者3人が絵描き(信一の父親)とミュージシャンと詩人。
そして3人の生活とマリファナと言うサイケな感じに、
興味をかきたてられた。別に私はマリファナには興味はないが、
サイケってインドぽいし。
最終的に無人島の場所が解り、そこにヤクザや売人や薬中や、
昔を知る人たちが集まり、マリファナを巡って殺し合う。
なんか島って、閉鎖されたシュチュエーションで巻き起こる事が
ドラマだったりする事が多いわね。他の島を舞台にした作品ほど、
背筋が凍る事もなかったけど、友情や愛情が絡まって面白かった。