カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「アルバイト・アイ 命で払え」大沢在昌

2024年02月01日 21時32分59秒 | 本 / BOOKS

大沢在昌のハードボイルド小説である。
私立探偵の冴木涼介と息子で都立高校2年生の隆(りゅう)が主人公。

1986年発行で大沢氏が28歳の時の作品であり、
軽いタッチで読みやすい作品。
まず感じたのは・・・隆は大沢自身ではないかと言う事。
17歳ながら相当の遊び人・・・不良と書いてあるが1980年代当時の、
不良であるツッパリやヤンキー、暴走族のような硬派ではなく、
広尾に住んでいるナンパ師である。
まぁ都会の不良はツルまないナンパ師だったのかも。
チーマーもいたけどね。

おそらくは大沢氏自身の高校生時代がモデルであり、
隆をスパイダーマンみたいなスーパーヒーロー化したのである。

隆は都立高校2年生で広尾のアパートに父親と二人で住んでいる。
冴木探偵事務所を経営する涼介は限りなくぐうたらである。
母親はいない、隆は物心ついた時から涼介と二人暮らしだ。

住まいの1階には喫茶店「麻呂宇」があり
オーナーの圭子ママは美人で色気があり涼介に気がある。
雇われている星野さんはロシア人の血を引くダンディである。

涼介は毎日ほぼ麻雀屋かパチンコ店にいる。
あるいは隆によれば自宅に女性を連れ込んでいる(らしい)。
オヤジがオヤジなら息子も息子で、酒と煙草は存分にたしなみ、
オヤジ同様に女好きである。17歳でね。

隆には元暴走族で気合の入った女子大生でセクシーな真里さんと言う
家庭教師がいるが、涼介も狙っているという(笑)。

とにかく・・・漫画チックなキャスティングである。
新宿鮫などまだ構想にない頃の作品だけに、
軽やかにすすっと読めるのであった。

涼介は隆をアルバイトとして使い小遣いを渡している。
タイトルのアルバイト・アイ(探偵)と言うのは、そういう意味だ。

短編集を読んで行くうちに涼介の過去(歴史)や、
隆との関係が見えて来る。そして面白くなっていくのだった。

 

コメント
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