カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「あの頃ぼくらはアホでした」東野圭吾

2024年02月27日 21時09分59秒 | 本 / BOOKS

1995年発行の東野圭吾の自伝的エッセイである。

あの頃・・・作者が中学入学を控えた小学生時代から、
中学、大学を経て就職試験に合格するまでを書いている。

が! ここまで書いちゃっていいのかなぁ。と思った。

作者は1958年、大阪市生野区生まれた。
1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。

このエッセイは時系列になっており、
テーマごとに短編として書かれている。
家族構成は、時計職人の父親と母親、
5歳上と3歳上の姉の5人家族。

家計の事情から公立の中学校へ進学したが、
嘘かと思うほど荒れた中学校(作者の時代)で、
出だしから圧倒される。

教師にさえも一目置かれる不良相手に奮戦する学級委員の作者、
そこはまだ13・4の中学生なので子供なりにであるが、
不良は13・4の子供とは思えないほどの不良なのであった。

昭和30年代だからね・・・
日本もまだそんな時代だったと思われる。

推理小説を中心に100作を超える作品を書いた作者の子供時代が、
全く天才でもなく、タイトル通りのまぎれもない「アホ」。
フツーの少年と同じか、それ以下(失礼)であったとは、
かなり驚いてしまう。

男性であれば同じ男性として頷けるところも多いと思うが、
女性から見ると、なるほどあの頃の男子たちの生態は、そうだったのか。
などと思うところも随所にかかれている。

そこまで書いちゃって良かったのか。
男性読者はきっと「なんだ作家って言っても俺たちと同じじゃん。」
「ちっともすごくないじゃん。」と思っただろう。

成績も優秀ではなく、一浪して入った大阪府立大学では、
見事な落ちこぼれであり、駆け引きが功を奏して、
1981年に入社できた日本電装(現デンソー)での記載はなかったが、
恐らくはあまり役に立たなかったのではないだろうか(失礼)。

1985年に作家として独立するまでの4年くらいしか
在籍してなかったのだから、迷惑もかけていないと思うけど。

この作品を読んで私も作者はフツーの大阪の少年だったと思ったし、
才能はいつから開花したのだろうか。

コメント
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