1989年発行の大沢在昌のアルバイト・アイ・シリーズの第4段。
4作目も長編。冴木涼介を訪ねてきた謎の男:粕谷。
涼介は兄と呼ぶ・・・。
涼介と粕谷が兄弟でだ。涼介は自分を育てた中国系フランス人でスパイの、
イエローフレンチと言う男に育てられており、その実の息子が粕谷。
血がつながっていないわけだ。
スパイには2通りいて、愛国心に燃えたスパイと、金に飢えたスパイ。
前者は国を裏切らないが後者は金で簡単に寝返る。
粕谷はスパイがビジネスになると考え、
引退したスパイを集め国を作りスパイ養成所を造る。
平たく言えば、スパイの虎の穴みたいな所だ。
粕谷は優秀なスパイとなる素質があると見込んだ隆を誘拐し、
スパイ虎の穴へ監禁する。
そこでは連続殺人事件が起きていた。閉ざされたエリアで、
いったい誰が何のために殺人を犯しているのか?
粕谷は隆を試すために、犯人を捕まえるように仕向ける。
そこへ隆の身を案じた涼介が乗り込んでくる。
隆を助けた涼介は粕谷と対峙していくが・・・・
殺人犯は思わぬ人物だった。
実は粕谷は犯人に心当たりがあり、涼介と隆によって、
あぶりだされた犯人が粕谷の命を狙う。
スパイ虎の穴で巻き起こるスパイ合戦と
金の為に魂を売り、自分の野望の為に手段を選ばない狂った人間たち。
18歳でこんな目に遭ったら心身ともにボロボロになるっちゅうねん!