教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

延滞増える奨学金 生ぬるい回収策 「日本学生支援機構」に高まる批判

2008年10月10日 14時42分02秒 | 受験・学校

『日本学生支援機構が大学生に貸与した奨学金の返済が滞るケースが増え、延滞債権額は2000億円を突破した。背景には、長期延滞者への強制執行を見送るなど、機構の回収の甘さがある。 貸し倒れに向け注意が必要な3カ月以上の延滞債権額は年々増え、07年度は2253億円と、この10年間で倍以上に膨らんだ。進学率の上昇による貸与者増や、ニート増加のほか、資力があるのに払わない者もいる。給与差し押さえ皆無 問題として指摘されているのは、機構が法的手段に訴える案件が少ないこと。給与を差し押さえる強制執行は皆無といっていいほどだ。 裁判所への提訴や支払い督促申し立てなどで、強制執行を認める「債務名義」(判決など)を得たケースは07年度に1715件あった。だが、実際に執行したのは1件。06年度は925件中0件、05年度も321件中4件だった。 これについて機構は「差し押さえの前に入金を約束する人がいる。また、住所が変わって連絡不能になることもある」と説明する。一方、回収に携わった元職員は「差し押さえのノウハウもなく、騒がれると面倒なのでしないだけ。住所変更のケースは聞いたことがない」と証言する。生活保護受給者や失業中の人は返還を猶予されるほか、差し押さえられる額も民事執行法で給与の4分の1に限られ、強制執行で延滞者が路頭に迷う恐れはない。機構は強制執行の対象を給与に限っており、「大きい家に住んでいても外車を乗り回していても、勤め先が判明しなければ差し押さえできない」(元職員)という苦しい実態もある。「長時間どなる人には延滞金を減免したケースもある」(同)という。 内外からは厳しい指摘が相次ぐ。機構を監査した財政制度審議会は7月、「債務名義を取得した債権で、その後の手続きが行われていない。証明書なしで返還猶予を認めている例がある」と指摘。財務省主計局も「回収努力が足りないのは明らか」と非難する。高まる批判に、機構を所管する文部科学省学生支援課も「返さないと厳しい取り立てがあることを広く知ってもらう必要がある。厳正な対処が必要」と述べ、機構に改善を指示したことを明らかにした。今後は預金も強制執行の対象とする。 催促怠り時効成立--昨年度は5件 長い間督促を怠ったため、時効で回収不能となる例も表面化している。 機構が延滞者に奨学金返還を求めた訴訟で、延滞者が「返済期限から10年たち時効が成立しているので、返す必要がない」と主張し、機構が回収をあきらめるケースだ。機構によると、昨年度は5件の裁判で時効成立が認定された。兵庫県の男性に、奨学金と延滞金計約320万円の返還を求めた訴訟では、返還期日から10年以上過ぎた分の債権の時効成立を認めざるを得ず、請求額を150万円減らし、約170万円の返済で和解した。 女性に約83万円の返還を求め、神戸簡裁で争われた訴訟でも、時効で50万円が回収不能となり、30万円返済の判決しか得られなかった。 債権回収に詳しい銀行関係者は「民間なら延滞が6カ月に及んだ時点で手を打つ。時効を中断するには、支払い督促申し立てや提訴が必要だが、そうした処置を取らず、『時効管理』をしてこなかったのだろう」と指摘する。 機構が支払い督促申し立てなどに力を入れ始めたのは独立行政法人になってから。「以前の督促はずさんだった」と文科省学生支援課も認める。「時効は、裁判で認められて初めて成立する。今後は時効にかからないよう回収に努めたい」と機構は話す。しかし、10年を超える延滞債権は他にもあり、裁判で時効を主張されると貸し倒れになる恐れもはらんでいる。財務省「貸しすぎ」非難 貸与は増え続ける一方なのに、回収策は生ぬるい。そんな実態に最もいらだっているのは財務省だ。 奨学金は給与所得が1300万円程度の世帯にも認められ、いまや全短大生・大学生の3割にあたる103万人が受給している。このため財務省は「ごく普通の満ち足りた家庭が、奨学金を得ている可能性がある。奨学金が学費でなく電話代や旅行費にあてられているとの調査もある」と指摘し、「貸しすぎ」を非難する。 これに対し文科省は「高所得でも、子どもが多かったり病人がいたりすれば奨学金の必要がある」とし、需要があると強調する。大学入学者も増えると見込み、来年度は562億円の奨学金増額を要求している。一方で「回収にかける人員も予算も少なすぎる」と認め、5億円の回収費を10億円増やす予算要求もしている。資力ある人に法的措置を--支援機構の「奨学金の返還促進に関する有識者会議」委員を務めた小林雅之・東京大教授の話 督促の際は「返さない」人と「返せない」人の見極めが必要。収入がなく返還猶予にあたる人もいれば、開き直って払わない人もいる。現在の督促方法は機械的でメリハリがない。支援機構に欠けているのは、情報の蓄積と分類。今後は、コールセンターの対応などから延滞者のデータを分析して「返さない人」を特定、資力のある人に対して法的措置を進め、回収を徹底すべきだ。』毎日新聞・新教育の森

このままゆけば、日本の奨学金制度は破綻し、崩壊するのでは有りませんか。お金持ちで経済的に豊かな人は返却すべきです。後に続き奨学金を受ける人達のことも考えて下さい。学校給食費の滞納問題でも、外車を乗り回し経済的に豊かな保護者でも支払わない人達が増えています。経済的理由の無い豊かな保護者は、支払うべきです。人間としての倫理感、モラルの欠如で皆共通性が有るように思えます。自分達は、支払わなくても、国家が運営しているので困らないという考えかも分かりません。旧日本育英会時代のことを思い出し、自分達が奨学金を返還しなくても、国家が赤字分を補填してくれるから大丈夫と思っているのでは有りませんか。親方日の丸の意識です。みんなの為に設けれている奨学金制度を守るために借り逃げしないで下さい。「喉元過ぎれば熱さを忘れる。」諺どおり、今自分が経済的に困っていないので、学生時代の苦労を忘れているのかも分かりません。奨学金を返さないのは奨学生として責任の放棄です。自分さえ良ければ、他人は困っても、どうでも良いという利己主義者にしか過ぎません。大学で学んだ見識ある日本のインテリとは言えません。大学人としての良心に反します。大学教育を受け、教養を身に付けた人の人間としての道です。奨学金は、奨学金を貸与された人達だけのお金では有りません。家庭の経済的な事情で大学にも行けず働いている勤労者の税金も含まれているのです。奨学金を返さないで、延滞している人達を皆さんどう思われるでしょうか。勤労学生の視点に立って考えるべきでは有りませんか。社会的格差の拡大している今日の日本で、経済的に困っている奨学生を皆で助け合って上げて下さい。皆で「相互扶助」の精神を貫いて下さい。日本学生機構の事務局も民間の信用調査機関や弁護士と協力して、大きな家に住み外車を乗り回しているようなお金持ちの豊かな人からは法的な処置を取り回収すべきです。日本学生支援機構は、貸し倒れにならないように奨学金の貸与期間の時効期間が過ぎ無いように時効期間を算定し、奨学金の延滞者には速やかに回収の法的手続きが取れるようなシステムに改革すべきでは有りませんか。日本の奨学金制度を今後維持する為にも今一番必要な事では有りませんか。

※『日本学生支援機構 旧日本育英会。2004年に独立行政法人化した。奨学金には無利子の第1種と有利子の第2種がある。私立大に自宅から通う場合、保護者の給与所得の上限は第1種998万円、第2種1344万円。』

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<成績表>父母らに通知の大学増 国立・有名私大に広がる

2008年10月10日 11時44分57秒 | 受験・学校

『学生の成績表を父母らに送る大学が増えている。一部の私大では慣例化していたが、近年、早稲田大などの有名私大や国立大にも広がり、北海道大は今春入学の学生から通知を始めることにした。「成績を知ってもらうことで留年が防げる」「学資を出す人への説明責任がある」などが主な理由だが、大学内部には「学生を子ども扱いしていいのか」との懐疑的な意見もある。「12学部でアンケートを取ったが、表立った反対はなかった。『もう大人なのに』との異論はごく一部だった」。今春、全学部生の成績表を送付することを決めた北海道大の脇田稔副学長はそう話す。 北大の場合、狙いは「学生のメンタルヘルス対策」という。欠席や留年を経て心身に不調をきたす学生もいることから、履修状況や成績を父母らに伝え、危機意識の共有を図るのだという。 国立大では、東北大が06年度から工学部など3学部で通知を始め、04年度から一部で導入した横浜国立大は現在、3学部で実施している。埼玉大と滋賀大も昨年度から全学部で始めた。一部学部で通知する神戸大は「国立大学法人になり、保護者へのサービス向上に努める必要がある」と説明している。 一方、私立では、慶応大が50年以上前から通知しているが、明治大(97年)や法政大(99年)のように近年、通知を決めた大学も少なくない。 「わが子の成績を教えてほしい、という保護者の要望が増えてきた。大学と保護者が連絡を密にすることで、きめ細かい学生指導ができる」。4年前から成績送付を始めた早稲田大文学部の担当者は必要性を強調する。 ただ「自学自習」をモットーに学生の自立を重んじる学風だけに、一部の教授からは「早稲田らしくない」と反対の声も上がったという。早稲田大では政治経済学部や理工学部も全学生の成績を通知し、人間科学部や法学部は成績不振の学生の親に送っている。 法政大の担当者は「以前は、卒業式に参列したらわが子が見当たらず、親が初めて留年を知るなんてこともあった。成績通知後はそんなことはない」と笑う。 ある私立大職員は「親に言われないと勉強しない学生もいる。履修科目の相談など学生がすべき問い合わせを親がしてくるケースもある。学生も保護者も以前とは変わった」と漏らした。 ※主な大学の成績通知状況。「北海道大○、東北大 △、宇都宮大○、筑波大×、埼玉大○、東京大×、一橋大 ×、千葉大 △、横浜国立大△、名古屋大×、和歌山大 ○、京都大 ×、大阪大×、三重大△、神戸大 △、九州大 検討中、早稲田大△、慶応大 ○、法政大 ○、上智大○、(○は全学部、△は一部の学部で成績通知。×は実施していない大学)」』毎日新聞

学生の成績表を父母らに送る大学が増えているのは、大学の教育機関としてのサービス向上では無く、過剰サービスです。大学として筋を通すべきところはきっちり筋を通すべきでは有りませんか大学は、高校とは違い学生の自主性と自立性を尊重するところに大学の存在価値と意義があるのでは有りませんか。最近は、大学での高校の授業内容の補習やおかしいことばかりです。大学の教養課程の良さを見直しと一般教養科目の充実に努めるべきです。大学と高校との違いを保護者も認識して欲しいと思います。大学は、あくまで学生が勉強するところで保護者が、勉強を干渉するところでは有りません。 最近少子化による18才人口の減少し大学全入時代が叫ばれている中、新設大学や学部増設は減りません。大学が増えすぎて、、高等学校と同じ教育を大学でしなくてはいけなくなれば、名ばかりの大学になり、大学の存在価値が無くなります。高校と大学とは教育の方針や目的が違うということを今こそ考えるべきです。大学が、高等学校化しても意味が無いと思います。大学生の自学・自習、独立自尊の精神が忘れられてしまっています。「北大の場合、狙いは「学生のメンタルヘルス対策」という。欠席や留年を経て心身の不調をきたす学生もいることから、履修状況や成績を父母らに伝え、危機意識の共有を図るのだと」と書かれていますが言われていますが、大学に入ってから目的を見失い燃え尽き症候群になったり、5月病から抜け出せずノイローゼになり、4年間で治らず卒業出来なくなった学生や遠く離れた下宿生活で、環境が変わりうつ病になり大学の授業を欠席、進級出来なくなったり留年している学生も実際にいるでは有りませんか。学生の欠席や留年の根本原因となつている「心のケア」を大学が取り組む必要が有ると思います。ある私立大学の教育学担当の先生は、うつ病やノイローゼになっている学生は大学の教員が相談に載るより専門医のところに行くべきだと涼しい顔で言われましたが。プロゼミや担当の先生が、始めのうちに親身になって、学生の相談に載って貰えれば、重いうつ病や神経症にならずに済むと思います。早く立ち直れるのではと思います。総合大学には、心理学を専門に研究されている心理分析の権威の先生も沢山居られます。在学する学生の心理カウンセラーの中心となられてサポートとして頂、心の悩みを持つ学生が、大学での相談しやすい環境を作り心理学の専門家によるカウンセリング制度を各大学で充実すればうつ病により自殺する学生が減り、学生の学業不振の問題や将来の進路、心の悩みも解決するのではないでしょうか。人生経験豊かな大学先生と学生との心の対話や話し合いがバソコン時代の今の大学にこそ必要なのではないでしょうか。 

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