幻に終わった夢洲の「新橋」建設計画 万博での混雑解消策 鉄道延伸も見通し立たず
産経新聞2/5(水)21:00
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2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(大阪市此花区)は大阪メトロ中央線によって市中心部との行き来ができるほか、近隣の人工島である舞洲(まいしま)と「夢舞大橋」で、咲洲(さきしま)とは「夢咲トンネル」でつながっている。一時はこれに加えて新たな橋を造り、アクセスを向上させる構想が浮上したが、幻に。鉄道の延伸計画も検討されているが、コストや需要見通しなどの問題を背景に実現はしていない。
新橋の建設構想は、万博開催中の夢洲へのルート混雑を懸念した財界や日本国際博覧会協会がかつて要望した経緯がある。夢舞大橋とは別に、夢洲と舞洲を結ぶ橋を建設するものだった。
2020年1月に関西経済連合会など関西経済3団体首脳と、大阪府市の首長が会合を行った際にも議題となった。関経連の松本正義会長は「国家プロジェクトである万博の成功という観点からは、(夢洲周辺の交通インフラには)非常に心配がある」と報道陣に発言し、橋の建設が必要との考えを強く示唆した。
新橋を巡っては、渋滞を懸念する協会からも建設を要望していた。ただ同年4月、当時の松井一郎大阪市長と協会の石毛博行事務総長が建設見送りで合意。市側は交差点の立体交差化などで、スムーズな交通を担保できるとの考えを示したという。
夢洲周辺では、鉄道アクセスの向上を図る計画もある。JR西日本は桜島駅から舞洲経由で夢洲に至るルートを検討。私鉄も、夢洲方面に向かう列車の開発や一部路線の延伸を検討している。ただ、いずれの計画も巨額の費用がかかることや需要が見通せないことなどから実現はしていない。(黒川信雄)
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