広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

トウガラシ

2009-06-06 20:22:10 | 動物・植物
今年も家庭菜園をやっている。我が家は鉢やプランターでしか栽培できない環境の上、どうせやるなら種類や品種にこだわってしまうので、作る品目は限られてしまう。
最近、大きめの鉢代わりになる容器を手に入れたので、新しいものに挑戦したくなった。ピーマン類を育てたい。栄養が豊富だし、苗から育てるならあまり手がかからないはず。

苗を求めてホームセンター巡り。野菜苗のシーズンは終盤のようで、品揃えが花苗にシフトしている感じだった。
新潟に本社があり国内最多店舗数だという「コメリ」。秋田ではかつて「ヤマキ」だった店がいつの間にかコメリに変わっている。ヤマキは前からコメリと資本関係があったが、今年4月にコメリに吸収され解散してしまったとのこと。ヤマキの創業地が秋田県能代市なので、地元企業的な親しみがあり、好きなのだが…

秋田市中心部にはコメリの泉店と卸町店がある。運動がてら歩いて泉店に行くとシシトウや緑のピーマンが1株78円。着色してから収穫する大型ピーマンのパプリカ(数色あり)が298? 円だった。
パプリカもいいなと思ったが、色づくまでかなり日数がかかるとのこと。そういえば着色までの生育途中で病気や栄養不足で腐ってしまうことがあるんだった。我が家の日当たりでは無理そう。シシトウは安いし次々に収穫できるのでよさそうだが、卸町店の方がほかにも珍しい品種など品揃えが豊富な気がしたので保留。

ところが卸町店は店舗面積は大きいが、苗はそれほどでもなかった。なぜかナスとキュウリなど瓜類は多く揃っていたが、シシトウやパプリカはなく、緑のピーマンだけで期待外れ。仕入れ担当者の好みか何かで同じ会社の隣の店舗でこんなに品揃えが違うのだろうか。それとも客層の違い?

卸町店でも買わずに、近くのイオンタウン茨島に「ホーマック」があるのでついでに行ってみた。札幌に本社があり北日本に展開していて、イオン系列。北東北では「サンデー」という同じくイオン系列のホームセンターもあるから、紛らわしい。

コメリ以外のホームセンターはあまり来たことがなかったけど、苗売り場の感じがだいぶ違って華やか。
シシトウはなかったが、緑ピーマンやパプリカ(白だけで198円?)があった。そして、
「こだわり野菜苗 味な出会い」
「育てて楽しい! 食べて美味しい! いつもの野菜とちょっと違ったこだわりの野菜をピックアップしました。」とある。新潟の種苗会社の商品のようだ。
2品種置いてある。いずれも1株198円
左は「辛味の中にも奥深い甘み キムチ唐辛子 クアンナク」。真っ赤な果実の韓国系トウガラシらしい。
そして右を見て購入決定! 「辛みのない青とう 京都伏見甘長唐辛子」。

伏見甘長唐辛子は秋田ではなじみが薄いと思うが、品種名としては「伏見甘長」、一般的には「伏見トウガラシ」「青とう」「ひもとう」などと呼ばれる京野菜(京都在来の伝統野菜)の1つ。僕も食べたことはない。
辛いトウガラシを連想させる細長い果実だが、辛み成分は生成されない。独特な風味があるとかで、炒めたり焼いたり煮たり天ぷらにして食べるようだ。シシトウ的な調理法だ。
【6月15日追記】「伏見」という辛い品種もあるようだ(京漬け物に入ってる赤いのだろうか?)が、今は一般的に「伏見唐辛子」といえば甘長の方を指すようだ。苗や実を買うときは確認した方がよさそう。

「『唐辛子』なのに辛くないのはおかしい!」と思われるかもしれないが、植物学・農学的には、辛くても辛くなくても同じ「トウガラシ」という種の植物。だからピーマンもパプリカもシシトウも「トウガラシ」。セントバーナードも土佐犬もダックスフントもチワワも「犬」というようなもんだろうか。
トウガラシの中で辛くないのを「甘トウガラシ」、甘トウガラシで大型のものを「ピーマン」など、いわば便宜的に呼び分けている。

一種のブランド品の伏見甘長が1株198円は安いと思うが、けっこう売れ残っている。「辛みのない青とう」と添え書きはあっても、秋田の人の多くは知らないだろうから、赤いキムチ用トウガラシの隣で「唐辛子」という札を付けて売っていては、辛いと思って敬遠して買わないのではないだろうか。もったいない。
つぼみが付いた丈夫そうなのを2株購入
この位の大きさが定植適期のようだ。

京都の野菜が秋田の気候で上手く育つかはやや心配だが、青いうちに収穫するから、大丈夫だろう。
【6月7日追記】辛くないトウガラシのめしべに辛いトウガラシの花粉が付いてしまうと、交雑して辛くない方も辛い実ができるそうだ。つまり、キムチトウガラシと伏見甘長を買って、隣同士の畑のうねやプランターで育てると、辛くないはずの伏見が激辛になることがありそう。ご注意ください。
【6月14日追記】花が咲いた様子はこちら
【7月8日追記】収穫の様子はこちら
コメント (2)
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