前から記事を書こうと思っていたら、今朝のさきがけ新報(23面秋田市地域面)に記事が出ていたので便乗します。
新聞は「歩行者と自転車区分/市内の歩道3カ所・白線引き安全確保/県と秋田中央、東署」という見出し。
歩行者と自転車の通行場所を明確にするため、歩道に白線を引いて区分し、安心して利用できる歩道にする狙いとのこと。
昨年12月から今年5月下旬にかけ、広小路・竿燈大通り・山王大通りなど秋田駅東側の城東十字路から秋田駅を挟んで西側の臨海十字路までで実施した。
記事は「通行者におおむね好評」としながらも「区分を示す自転車マークが少なく、どっちを歩いていいのか分かりにくい」という声もあり、県は要望が多ければ柔軟に対応していきたいと話していると結んでいる。
この事業には秋田駅の東西を管轄する2警察署も関わっているが、いずれも県道だから、事業を主にやったのは道路管理者の県の秋田地域振興局だろう。
今まで何度も紹介したように、道路管理体制に疑問を感じてきた秋田県の仕事だ。申し訳ないけど今回も最初に現地を見たときからちょっと引っかかってしまった。
※僕は自転車を使わないので、以下、主に歩行者としての意見が出てしまう点をご了解ください。※
新聞記事を読むと、秋田県が自発的に発案して線を引いたようにも思えるが、そうではないようだ。
昨年1月に国土交通省が「自転車通行環境整備のモデル地区」として全国98か所を指定し、秋田県では能代市と秋田市が指定されたことが関係していそうだ。
国交省本省 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/06/060117_.html
東北地方整備局 http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/17056_kisya_preview.html
秋田市では秋田駅を中心に東側は秋田高校・秋田大学・県道横山金足線、西側は千秋公園・南大通り・県庁市役所あたりが対象エリア。
錯綜事故防止のため「『分離』された自転車走行空間の整備を『モデル地区』から戦略的に展開」するのが目的だそうだから、ここが全国的な模範とならなければいけないのだろうけれど…
今回線が引かれたのは、このエリア内(八橋運動公園以西の山王大通りは範囲外)で、幅の広い歩道のある(自転車の歩道通行が可能な)県道だ。
現場(山王大通り臨海十字路付近)
駅西側の該当区間はロードヒーティング(融雪)の上にカラーブロックを敷いている。その車道寄り3分の1ほどの位置に白線を引いて、随所に自転車マークを描いている。
タイルの境目にラインの塗料がにじんでトゲが生えたみたいだが、点字ブロック周辺の安全も確保され、上手く区分できていそうに見える。
たしかに新聞に写真がある広小路や山王十字路東側の竿燈大通りなどはこれで充分区分できている。ところが他の場所はそうとも言えない。
バス停付近
歩道を切り欠いてバス停になっている所は、ちょうど自転車スペースとかち合ってしまい、ラインが消えている。
竿燈大通りに多い地下道出入口でも消えている
さらに、この区間は電線が地中化され、歩道の融雪もあるので、そのトランスボックスや制御盤などの入った箱が歩道の車道寄りに設置されており、その一部でも線が消えている。
ラインが消えた所でも自転車がそれに気づかずに注意が散漫なまま共用部分を走ってバスや地下道の利用者とぶつかったりしないか、歩行者としては不安。
自転車ユーザーの立場になっても、線が出たり消えたりでは忙しいだろうし、ほかにも
(ここの歩道は車道よりもだいぶ位置が高いので)車が出入りするための勾配
街路樹やボックス類で自転車部分が狭すぎないか?
など、通行しにくそうな場所がある。さらに、
自転車マークだけでラインがない
(道路交通法上はこういう部分では自転車は車道寄りを走らなければいけない)
交差する道路の横断歩道の一部は自転車横断帯がない
道案内の地図の前が自転車ゾーン
横断歩道を示す点字ブロックぎりぎりまで白線
秋田県庁第二庁舎前
東カンビル前から県庁第二庁舎前の区間はなぜかまったく自転車通行帯の白線がない。
「県庁・市役所前」バス停付近(右が県庁本庁舎)
県庁本庁舎前は線が引かれているが、車の出入口やバス停で途切れた箇所が多い。
県庁前バス停は待合所の柱が歩道に立っていることもあり、極端に歩道が狭い。バス利用者も多い場所だけに自転車と錯綜しないだろうか。
まだ工事途中でこうなのかと思ったが、(明らかに融雪工事中のJTB前は別として)新聞に載ったということはこれで完成なんだろう。相変わらず、県の工事はよく分からん。道路利用者のことを考えてるんだろうか?
線を引くだけだからお金はあまりかからないだろうけど、今までの秋田県の道路管理体制と併せて考えると、「国がなんかモデル事業に指定してきたよ」「じゃあ線引いておけばいいべ」とろくに考えずに安易にやったように思えてならない。
白い線を引いただけのこの状態で、国のモデル地区としての責任を果たし、全国的に「『分離』された自転車走行空間の整備を『モデル地区』から戦略的に展開」することが可能だろうか?
他の都市では、もっと明確に区分した自転車ゾーンを設けている所もあるが、秋田では冬場の積雪やもともとの道幅の狭さを考慮するとそれは難しそう。
でも、バス停部分などを目立つ色のブロックに替えたり、「歩行者注意」「幅員減少」とか注意喚起を表示するとか、もっとやれることはあると思う。あとは実際に道路を利用する歩行者・自転車ユーザーの声を聞いて反映させることもできるだろう。
ところで、実際に自転車の皆さんはどう使っているのだろうか。僕が実際に歩いたり、秋田ケーブルテレビが文化会館前に設置している「道路ライブカメラ」で確認した限り、危ないと思ったルール違反は併走していた高校生くらい。ほかは歩行者の通行を妨げるような危険な行為は見られなかった。(スレスレをかすめたりせず余裕を持って)歩いている人をきちんと避けて行ってくれる。
そもそも僕は子供のころから竿燈大通りを歩いているが、ここで自転車と危ない目にあった経験はない。見通しが良くて、幅が広いからだろうか。
気になったのは、自転車通行帯がしょっちゅうなくなるためか、歩行者がいない時に歩行者区画に入り込む自転車がいること。その一方で、バス停付近などが終わって線が出現すれば律儀にハンドルを切って自転車通行帯に入り、歩行者がいなくても極力自転車区画を走ろうという真面目な自転車もいる。
でもこの場合、歩行者部分に入ってもいいそうだ。昨年道路交通法が改正され(警察庁のサイトhttp://www.npa.go.jp/bicycle/index.htmから引用)、「普通自転車の歩道通行に関する規定」として「普通自転車は、歩道の「普通自転車通行指定部分」(幅員の広い歩道で白線やカラー舗装等で自転車の通行部分が指定されている場所)では、付近に歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができるようになります。」となって、歩行者がいなければ歩行者部分を自転車が走ってもよくなった。
(なお、歩行者はできるだけ自転車通行指定部分を避けて通行するように努めることにもなった。)
秋田ではこうした制度改正の周知やマナー啓発(暴走・無灯火なども含めて)は行われていないと思う。モデル地区なら、線を引くだけでなく、自転車使用者への教育もなおさら必要だと思う。
モデル事業の事業主体としては秋田県、秋田県警のほかに秋田市も入っている。エリア内には秋田市道もあるから当然。
エリア内の広い歩道のある市道である、中央通り(地下道の秋田中央道路とは別)と南大通りを見てきたが、特に何もされていなかった。
秋田市はもっとしっかりした根本的な対策をしてくれるのかもしれないと期待したくなる。
さて、昨日、秋田県内初の新型インフルエンザ患者が発生した。県民は比較的冷静だと思うが、各自の予防対策は重要。
県庁に行ってみると
スギッチさんマスク取っちゃったの?
(数日前にはマスクがないことを確認。写真は患者発生発表翌日の今日午後撮影)
こういう時こそ、県民に予防を呼びかけるべきでしょうに!
県庁の保健関係部門はお忙しいようだが、スギッチは別の広報・情報公開部門の管轄だから、前回のマスクを引っ張り出して着ければいいのに…
僕には秋田県庁のすることが分からん。
新聞は「歩行者と自転車区分/市内の歩道3カ所・白線引き安全確保/県と秋田中央、東署」という見出し。
歩行者と自転車の通行場所を明確にするため、歩道に白線を引いて区分し、安心して利用できる歩道にする狙いとのこと。
昨年12月から今年5月下旬にかけ、広小路・竿燈大通り・山王大通りなど秋田駅東側の城東十字路から秋田駅を挟んで西側の臨海十字路までで実施した。
記事は「通行者におおむね好評」としながらも「区分を示す自転車マークが少なく、どっちを歩いていいのか分かりにくい」という声もあり、県は要望が多ければ柔軟に対応していきたいと話していると結んでいる。
この事業には秋田駅の東西を管轄する2警察署も関わっているが、いずれも県道だから、事業を主にやったのは道路管理者の県の秋田地域振興局だろう。
今まで何度も紹介したように、道路管理体制に疑問を感じてきた秋田県の仕事だ。申し訳ないけど今回も最初に現地を見たときからちょっと引っかかってしまった。
新聞記事を読むと、秋田県が自発的に発案して線を引いたようにも思えるが、そうではないようだ。
昨年1月に国土交通省が「自転車通行環境整備のモデル地区」として全国98か所を指定し、秋田県では能代市と秋田市が指定されたことが関係していそうだ。
国交省本省 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/06/060117_.html
東北地方整備局 http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/17056_kisya_preview.html
秋田市では秋田駅を中心に東側は秋田高校・秋田大学・県道横山金足線、西側は千秋公園・南大通り・県庁市役所あたりが対象エリア。
錯綜事故防止のため「『分離』された自転車走行空間の整備を『モデル地区』から戦略的に展開」するのが目的だそうだから、ここが全国的な模範とならなければいけないのだろうけれど…
今回線が引かれたのは、このエリア内(八橋運動公園以西の山王大通りは範囲外)で、幅の広い歩道のある(自転車の歩道通行が可能な)県道だ。
現場(山王大通り臨海十字路付近)
駅西側の該当区間はロードヒーティング(融雪)の上にカラーブロックを敷いている。その車道寄り3分の1ほどの位置に白線を引いて、随所に自転車マークを描いている。
タイルの境目にラインの塗料がにじんでトゲが生えたみたいだが、点字ブロック周辺の安全も確保され、上手く区分できていそうに見える。
たしかに新聞に写真がある広小路や山王十字路東側の竿燈大通りなどはこれで充分区分できている。ところが他の場所はそうとも言えない。
バス停付近
歩道を切り欠いてバス停になっている所は、ちょうど自転車スペースとかち合ってしまい、ラインが消えている。
竿燈大通りに多い地下道出入口でも消えている
さらに、この区間は電線が地中化され、歩道の融雪もあるので、そのトランスボックスや制御盤などの入った箱が歩道の車道寄りに設置されており、その一部でも線が消えている。
ラインが消えた所でも自転車がそれに気づかずに注意が散漫なまま共用部分を走ってバスや地下道の利用者とぶつかったりしないか、歩行者としては不安。
自転車ユーザーの立場になっても、線が出たり消えたりでは忙しいだろうし、ほかにも
(ここの歩道は車道よりもだいぶ位置が高いので)車が出入りするための勾配
街路樹やボックス類で自転車部分が狭すぎないか?
など、通行しにくそうな場所がある。さらに、
自転車マークだけでラインがない
(道路交通法上はこういう部分では自転車は車道寄りを走らなければいけない)
交差する道路の横断歩道の一部は自転車横断帯がない
道案内の地図の前が自転車ゾーン
横断歩道を示す点字ブロックぎりぎりまで白線
秋田県庁第二庁舎前
東カンビル前から県庁第二庁舎前の区間はなぜかまったく自転車通行帯の白線がない。
「県庁・市役所前」バス停付近(右が県庁本庁舎)
県庁本庁舎前は線が引かれているが、車の出入口やバス停で途切れた箇所が多い。
県庁前バス停は待合所の柱が歩道に立っていることもあり、極端に歩道が狭い。バス利用者も多い場所だけに自転車と錯綜しないだろうか。
まだ工事途中でこうなのかと思ったが、(明らかに融雪工事中のJTB前は別として)新聞に載ったということはこれで完成なんだろう。相変わらず、県の工事はよく分からん。道路利用者のことを考えてるんだろうか?
線を引くだけだからお金はあまりかからないだろうけど、今までの秋田県の道路管理体制と併せて考えると、「国がなんかモデル事業に指定してきたよ」「じゃあ線引いておけばいいべ」とろくに考えずに安易にやったように思えてならない。
白い線を引いただけのこの状態で、国のモデル地区としての責任を果たし、全国的に「『分離』された自転車走行空間の整備を『モデル地区』から戦略的に展開」することが可能だろうか?
他の都市では、もっと明確に区分した自転車ゾーンを設けている所もあるが、秋田では冬場の積雪やもともとの道幅の狭さを考慮するとそれは難しそう。
でも、バス停部分などを目立つ色のブロックに替えたり、「歩行者注意」「幅員減少」とか注意喚起を表示するとか、もっとやれることはあると思う。あとは実際に道路を利用する歩行者・自転車ユーザーの声を聞いて反映させることもできるだろう。
ところで、実際に自転車の皆さんはどう使っているのだろうか。僕が実際に歩いたり、秋田ケーブルテレビが文化会館前に設置している「道路ライブカメラ」で確認した限り、危ないと思ったルール違反は併走していた高校生くらい。ほかは歩行者の通行を妨げるような危険な行為は見られなかった。(スレスレをかすめたりせず余裕を持って)歩いている人をきちんと避けて行ってくれる。
そもそも僕は子供のころから竿燈大通りを歩いているが、ここで自転車と危ない目にあった経験はない。見通しが良くて、幅が広いからだろうか。
気になったのは、自転車通行帯がしょっちゅうなくなるためか、歩行者がいない時に歩行者区画に入り込む自転車がいること。その一方で、バス停付近などが終わって線が出現すれば律儀にハンドルを切って自転車通行帯に入り、歩行者がいなくても極力自転車区画を走ろうという真面目な自転車もいる。
でもこの場合、歩行者部分に入ってもいいそうだ。昨年道路交通法が改正され(警察庁のサイトhttp://www.npa.go.jp/bicycle/index.htmから引用)、「普通自転車の歩道通行に関する規定」として「普通自転車は、歩道の「普通自転車通行指定部分」(幅員の広い歩道で白線やカラー舗装等で自転車の通行部分が指定されている場所)では、付近に歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができるようになります。」となって、歩行者がいなければ歩行者部分を自転車が走ってもよくなった。
(なお、歩行者はできるだけ自転車通行指定部分を避けて通行するように努めることにもなった。)
秋田ではこうした制度改正の周知やマナー啓発(暴走・無灯火なども含めて)は行われていないと思う。モデル地区なら、線を引くだけでなく、自転車使用者への教育もなおさら必要だと思う。
モデル事業の事業主体としては秋田県、秋田県警のほかに秋田市も入っている。エリア内には秋田市道もあるから当然。
エリア内の広い歩道のある市道である、中央通り(地下道の秋田中央道路とは別)と南大通りを見てきたが、特に何もされていなかった。
秋田市はもっとしっかりした根本的な対策をしてくれるのかもしれないと期待したくなる。
さて、昨日、秋田県内初の新型インフルエンザ患者が発生した。県民は比較的冷静だと思うが、各自の予防対策は重要。
県庁に行ってみると
スギッチさんマスク取っちゃったの?
(数日前にはマスクがないことを確認。写真は患者発生発表翌日の今日午後撮影)
こういう時こそ、県民に予防を呼びかけるべきでしょうに!
県庁の保健関係部門はお忙しいようだが、スギッチは別の広報・情報公開部門の管轄だから、前回のマスクを引っ張り出して着ければいいのに…
僕には秋田県庁のすることが分からん。