【四国旅行記12-2】
前回に続いて、まとまりに欠けますが、高知市内のいろいろな話題を紹介します。
●秋田では食べ物、高知ではホームセンター?
高知市内にあったホームセンター
近くには行かなかったが、遠目に見る限り、全国どこにでもある店舗形態。
見慣れない看板なので、地元資本の店だろうか。店舗名は…
「ホームセンターブリコ」!!
秋田では、県民魚とさえ言われるハタハタ。その卵をのことを「ブリコ」と呼ぶ(アクセントは語尾)。独特の食感を好む人が多い。
このホームセンターは、高知を地盤とする企業グループの1社による経営で、高知市内で3店舗、楽天とヤフーで通販をしている。
まさかハタハタの卵という意味ではないだろう。看板の「BRICO」から調べると、フランス語で「日曜大工、器用仕事」を意味する「bricolage(ブリコラージュ)」が由来だろう。
●地球33番地と倉庫
秋田県大潟村には、北緯40度線と東経140度線が交わる「経緯度交会点」がある。10度単位で交わるのは、国内でここだけだが、田んぼの中で車でなければ行かれない場所。
高知市には、北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒という、3が12個並ぶ場所がある。
地球上で、緯度経度に同じ数字が12個並ぶ場所は陸上で9か所あるが、砂漠などにあるものが多く、容易にアクセスできるのはここだけとのこと。
「地球33番地」と呼ばれ、モニュメントがあるそうなので、話のタネに行ってみた。路面電車ではりまや橋から4つ目「知寄町一丁目」電停で降りて、北へ500メートルほど歩けばよく、本当にアクセスは容易。
「地球33番地通り」という大通りもあるが、1本裏通りを歩くと近い。
川沿いに出た
こちら側(南側)の白いモニュメント(左の矢印)は昭和37年に建てられたもので、本当の“33番地”は、対岸近くの川の中。そこにも新しいモニュメントがある(右の矢印)。
南岸には花に囲まれた説明板
なお、現在は、測量基準が変わり、それによればここから400メートル離れた所がさらに本当の33番地とのことだが、「地球33番地」実行委員会では、元の場所に愛着を持って変更しないそうだ。
川の中が33番地
どこかの店で「到達証明書」を発行してくれるそうだし、対岸へ行こうとも思ったが、面倒なのでやめて戻ることにした。近くにあったのは、
「藁工(わらこう)倉庫」
酒田の山居倉庫、秋田の米倉庫と雰囲気は似ているが、デザインは違う(どれも素敵だ)。今は店舗などに利用されているようだ。
●寛永通宝信号機
地球33番地通りの信号機
まずは、信号機の制御(サイクル)。矢印が3つ(←↑→)付いている。
見ていると、青信号にはならず、すべて矢印で進行を指示するようだ(裏面は通常の青のみ)。
裏面や歩行者用が青の間は、左折と直進のみが点灯(←↑)。その後、裏面と歩行者用が赤になってから右折(→)させるという、方式だった。
時差式信号と思想は同じだが、より右折を明確に区別しているようだ。対向車や横断歩行者との事故を防ぐ狙いだろうか。
矢印信号機が余計に必要になるから、秋田県ではやらなさそう。
もう1つは信号柱のてっぺんにある、何やらのオブジェ。
寛永通宝!
高知の、特にこの場所との寛永通宝のつながりが分からない。なぜ?
●新しい信号機
秋田にもある、薄型のLED式歩行者用信号機
写真で分かりにくいかもしれないが、高知では隣り合った別方向を向いた2台の信号機を、1本のアームにまとめて設置していた。
昔はどうだったのか知らないが、薄くてかさばらない薄型なら無理なく設置できるし、設置費用の節約にもなるだろうから、いいアイディア。「歩行者自転車専用」という看板は律儀に両方に付けていた。【2020年3月27日追記】このような設置方法は「双子」と通称され、徳島以外の四国各県や福島ではよく行われるようだ。これから10年ほど経って、秋田県でもこの設置方法が行われるようになった。
そして車両用、
従来のものより、LEDの粒がかなり大きく、丸い粒でなく見える。
メーカーの京三製作所のサイトを見ると、「面拡散型」というもので、正面以外の角度でも見やすく、夜間に正面から見た場合のまぶしさを軽減したものだそうだ。直進しやすいLEDの光を、周囲に広げる(拡散)ようにした、ということかな。
秋田ではまだ見かけないが、将来は設置されるのだろうか。
●クジラとニワトリ
高知城そば、市役所向かいの高知市消防局中消防署の
「火災調査車」
ナンバーが「119」だ(もう1台RV車みたいなのも119だった)。
隣に車がいたので見にくいけど、クジラが描かれていた
ちなみに、秋田市消防本部の高規格救急車には、イルカが描かれている。1995年に「親しみやすく、優しく、時には素早い動きを見せるイルカの様子を、救急車にたとえたもの」で、イラストは消防本部職員がデザインしたそうだ。(1995年9月10日付「広報あきた」1363号より)
忘れていたが、尾羽が長く、時には10メートルに達するニワトリ「オナガドリ」も土佐産。
市内の商店街の道案内や時計にデザインされていた。
●未だ現役
地方のバス会社の経営は厳しい。自治体から補助金をもらったり、大都市圏の中古車を購入できるとはいえ、特に一般路線バス用の車両は古いものが多い。
青森の弘南バスは20年前の車両でもまあまあきれいに走っているが、秋田市のバス会社では、10年ほど前の車両でも外側は錆が浮いて継ぎ接ぎ補修、車内もあまりきれいとは言えない。
ところが高知(土佐電鉄や高知県交通)では、20年以上前のバスが現役で走っているというので、見られるのではないかと密かに楽しみにしていた。
路面電車の停留所にいると…
来た!!!
路面電車も運行する土佐電鉄の子会社「土佐電ドリームサービス」所属の車両だ。ネットの情報では、三菱「K-MP518M」という形式で、なんと昭和57(1982)年製。“28年選手”だ。ナンバーは「高知22」でなく「高22」。
この形式の車両は、旧秋田市交通局にも多数在籍していたので、個人的には懐かしい。秋田市営バスが冷房車導入を始めたのと前後した時期だったので、同じ形式なのに冷房付きの車とそうでない車があり、冷房付きの車は2000年頃までは走っていたように思う。
この車両、バスに詳しくない方にはどのように映るだろうか?
現在のバスとは違う構造(モノコックボディ)なので、デザイン的には古く見えるかもしれない。
久しぶりに見た古いバスだが、予想していたよりも違和感がなかった。車体がきれいで錆などほとんどないし、白い部分は泥はね1つなく真っ白。黒煙と爆音をまき散らして走っているかとも思っていたが、そんなこともなく、流れに乗ってちゃんと走っているのには感激した。
また、こんな古いバスに、LED式行き先表示器を設置しているのもとても珍しい。それも古さを感じさせないのかもしれない。(車内にはICカードリーダーもあるはず)
路面電車と同じく、丁寧に手入れされ、大事に運行されているのだろう。
夜になっても走っていた。屋根も真っ白できれい
高知滞在中、この車を3回見た。高知市と阪神タイガースのキャンプ地・安芸市を結ぶ路線をよく走るようだ。片道35キロ、1時間半以上かかる路線だから、ラッシュ時間帯の応援要員的な車両でなく、フル稼働しているようだ。
【5日追記】上の写真を見ると、屋根上に冷房装置がないので、冷房車ではないようだ。夏の間は窓を開けて走るのか、お休みしているのか?(秋田市交通局は、このバスと同い年の1982年度購入分から冷房付き。当時の公営バスはお金持ちだったし、秋田の人は暑がりですから)【2011年8月26日訂正】冷房付きであるとのご指摘をいただきました。コメント欄をご覧ください。
30年近く経ってこの状態を保っているのだから、単なる「古いバス」ではなく、蒸気機関車やボンネットバスのような「保存車両」として扱ってもいいと思う(他県ではそうしている会社もある)。末永く走り続けてほしい。
いろんな発見があった高知や四国だったが、きっぷの有効期限もあるし、そろそろ帰らなければいけない。
前回に続いて、まとまりに欠けますが、高知市内のいろいろな話題を紹介します。
●秋田では食べ物、高知ではホームセンター?
高知市内にあったホームセンター
近くには行かなかったが、遠目に見る限り、全国どこにでもある店舗形態。
見慣れない看板なので、地元資本の店だろうか。店舗名は…
「ホームセンターブリコ」!!
秋田では、県民魚とさえ言われるハタハタ。その卵をのことを「ブリコ」と呼ぶ(アクセントは語尾)。独特の食感を好む人が多い。
このホームセンターは、高知を地盤とする企業グループの1社による経営で、高知市内で3店舗、楽天とヤフーで通販をしている。
まさかハタハタの卵という意味ではないだろう。看板の「BRICO」から調べると、フランス語で「日曜大工、器用仕事」を意味する「bricolage(ブリコラージュ)」が由来だろう。
●地球33番地と倉庫
秋田県大潟村には、北緯40度線と東経140度線が交わる「経緯度交会点」がある。10度単位で交わるのは、国内でここだけだが、田んぼの中で車でなければ行かれない場所。
高知市には、北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒という、3が12個並ぶ場所がある。
地球上で、緯度経度に同じ数字が12個並ぶ場所は陸上で9か所あるが、砂漠などにあるものが多く、容易にアクセスできるのはここだけとのこと。
「地球33番地」と呼ばれ、モニュメントがあるそうなので、話のタネに行ってみた。路面電車ではりまや橋から4つ目「知寄町一丁目」電停で降りて、北へ500メートルほど歩けばよく、本当にアクセスは容易。
「地球33番地通り」という大通りもあるが、1本裏通りを歩くと近い。
川沿いに出た
こちら側(南側)の白いモニュメント(左の矢印)は昭和37年に建てられたもので、本当の“33番地”は、対岸近くの川の中。そこにも新しいモニュメントがある(右の矢印)。
南岸には花に囲まれた説明板
なお、現在は、測量基準が変わり、それによればここから400メートル離れた所がさらに本当の33番地とのことだが、「地球33番地」実行委員会では、元の場所に愛着を持って変更しないそうだ。
川の中が33番地
どこかの店で「到達証明書」を発行してくれるそうだし、対岸へ行こうとも思ったが、面倒なのでやめて戻ることにした。近くにあったのは、
「藁工(わらこう)倉庫」
酒田の山居倉庫、秋田の米倉庫と雰囲気は似ているが、デザインは違う(どれも素敵だ)。今は店舗などに利用されているようだ。
●寛永通宝信号機
地球33番地通りの信号機
まずは、信号機の制御(サイクル)。矢印が3つ(←↑→)付いている。
見ていると、青信号にはならず、すべて矢印で進行を指示するようだ(裏面は通常の青のみ)。
裏面や歩行者用が青の間は、左折と直進のみが点灯(←↑)。その後、裏面と歩行者用が赤になってから右折(→)させるという、方式だった。
時差式信号と思想は同じだが、より右折を明確に区別しているようだ。対向車や横断歩行者との事故を防ぐ狙いだろうか。
矢印信号機が余計に必要になるから、秋田県ではやらなさそう。
もう1つは信号柱のてっぺんにある、何やらのオブジェ。
寛永通宝!
高知の、特にこの場所との寛永通宝のつながりが分からない。なぜ?
●新しい信号機
秋田にもある、薄型のLED式歩行者用信号機
写真で分かりにくいかもしれないが、高知では隣り合った別方向を向いた2台の信号機を、1本のアームにまとめて設置していた。
昔はどうだったのか知らないが、薄くてかさばらない薄型なら無理なく設置できるし、設置費用の節約にもなるだろうから、いいアイディア。「歩行者自転車専用」という看板は律儀に両方に付けていた。【2020年3月27日追記】このような設置方法は「双子」と通称され、徳島以外の四国各県や福島ではよく行われるようだ。これから10年ほど経って、秋田県でもこの設置方法が行われるようになった。
そして車両用、
従来のものより、LEDの粒がかなり大きく、丸い粒でなく見える。
メーカーの京三製作所のサイトを見ると、「面拡散型」というもので、正面以外の角度でも見やすく、夜間に正面から見た場合のまぶしさを軽減したものだそうだ。直進しやすいLEDの光を、周囲に広げる(拡散)ようにした、ということかな。
秋田ではまだ見かけないが、将来は設置されるのだろうか。
●クジラとニワトリ
高知城そば、市役所向かいの高知市消防局中消防署の
「火災調査車」
ナンバーが「119」だ(もう1台RV車みたいなのも119だった)。
隣に車がいたので見にくいけど、クジラが描かれていた
ちなみに、秋田市消防本部の高規格救急車には、イルカが描かれている。1995年に「親しみやすく、優しく、時には素早い動きを見せるイルカの様子を、救急車にたとえたもの」で、イラストは消防本部職員がデザインしたそうだ。(1995年9月10日付「広報あきた」1363号より)
忘れていたが、尾羽が長く、時には10メートルに達するニワトリ「オナガドリ」も土佐産。
市内の商店街の道案内や時計にデザインされていた。
●未だ現役
地方のバス会社の経営は厳しい。自治体から補助金をもらったり、大都市圏の中古車を購入できるとはいえ、特に一般路線バス用の車両は古いものが多い。
青森の弘南バスは20年前の車両でもまあまあきれいに走っているが、秋田市のバス会社では、10年ほど前の車両でも外側は錆が浮いて継ぎ接ぎ補修、車内もあまりきれいとは言えない。
ところが高知(土佐電鉄や高知県交通)では、20年以上前のバスが現役で走っているというので、見られるのではないかと密かに楽しみにしていた。
路面電車の停留所にいると…
来た!!!
路面電車も運行する土佐電鉄の子会社「土佐電ドリームサービス」所属の車両だ。ネットの情報では、三菱「K-MP518M」という形式で、なんと昭和57(1982)年製。“28年選手”だ。ナンバーは「高知22」でなく「高22」。
この形式の車両は、旧秋田市交通局にも多数在籍していたので、個人的には懐かしい。秋田市営バスが冷房車導入を始めたのと前後した時期だったので、同じ形式なのに冷房付きの車とそうでない車があり、冷房付きの車は2000年頃までは走っていたように思う。
この車両、バスに詳しくない方にはどのように映るだろうか?
現在のバスとは違う構造(モノコックボディ)なので、デザイン的には古く見えるかもしれない。
久しぶりに見た古いバスだが、予想していたよりも違和感がなかった。車体がきれいで錆などほとんどないし、白い部分は泥はね1つなく真っ白。黒煙と爆音をまき散らして走っているかとも思っていたが、そんなこともなく、流れに乗ってちゃんと走っているのには感激した。
また、こんな古いバスに、LED式行き先表示器を設置しているのもとても珍しい。それも古さを感じさせないのかもしれない。(車内にはICカードリーダーもあるはず)
路面電車と同じく、丁寧に手入れされ、大事に運行されているのだろう。
夜になっても走っていた。屋根も真っ白できれい
高知滞在中、この車を3回見た。高知市と阪神タイガースのキャンプ地・安芸市を結ぶ路線をよく走るようだ。片道35キロ、1時間半以上かかる路線だから、ラッシュ時間帯の応援要員的な車両でなく、フル稼働しているようだ。
30年近く経ってこの状態を保っているのだから、単なる「古いバス」ではなく、蒸気機関車やボンネットバスのような「保存車両」として扱ってもいいと思う(他県ではそうしている会社もある)。末永く走り続けてほしい。
いろんな発見があった高知や四国だったが、きっぷの有効期限もあるし、そろそろ帰らなければいけない。