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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

巨大ポスター掲示場

2011-03-27 20:19:48 | 秋田のいろいろ
4年に1度の統一地方選挙が4月に行われる。
震災の被災地では延期されることが決まったが、被災地以外は予定通り実施されるという。秋田でも行われる。
個人的には、選挙運動や投開票作業に一定の燃料や電力を消費すること、被災地以外の自治体職員の中には、被災地支援や避難者受け入れ業務に当たっている人もいるのにさらに選挙業務に人手を取られてしまうことを考えると、もっと広範囲で延期した方がいいような気もする。
やるというのであれば、我々庶民は粛々と(?)投票に行くしかないですけど。

秋田県内の一部選挙区では、立候補予定者が選挙運動を縮小する申し合わせを行ったようだが、「選挙カーの巡回時間を短縮して名前の連呼はしない」「選挙カーの伴走車を減らす」「電話での選挙運動をしない」といった程度らしい。結局は車で叫びながら走りまわることに変わりないようだ。
まだ燃料の供給が完全とはいえず、燃料の節約も求められ、近隣の県でたくさんの被災者がいることを考えれば、選挙カーの運動を完全にやめるべきだと思う。
各種イベントなどを“過剰に”自粛する風潮があるが、選挙カーこそ“完全に”自粛してもらいたい。誰に投票するかは選挙公報を見て決めればいいのだから。



秋田市では、県議会議員選挙(1日告示、10日投票)と市議会議員選挙(17日告示、24日投票)が実施される。
先週木曜日24日から、選挙ポスター掲示場(掲示板)の設置が始まり、ほぼ完了したようだ。
以前もご紹介した通り、選挙ポスター掲示板は全国的には白いものが一般的だが、秋田市の掲示板は秋田県産秋田杉の間伐材の合板を使った無着色のものなので、木目が美しく、環境にやさしい。

ところが、今回の掲示板は少し違う。
これ
まず、とにかくデカイ。
そして21区画しかないのに掲示板はとても大きく、外側が広大な余白になっている。
それに板の木目や色合いが杉とは違う感じ。
板ごとに色合いがかなり違う
報道されたのでご存じの方も多いと思うけれど、今回の掲示板は、1つの掲示板を県議選と市議選で使い回すため、いつもと違う仕様になっているのだ。
今見えている市議選の掲示板を剥がすと、下に隠れていた64区画分の県議選の掲示板が姿を現すという仕掛け。だから現在は無駄な空間が多いのです。
既にちょっとめくれてます
秋田市選挙管理委員会のサイトの「ポスター掲示場設置撤去業務委託 公募型指名競争入札」やその資料によれば、今回の掲示場は
縦2メートル25センチ(うち脚43センチ、本体182センチ)×横7メートル73センチ5ミリ(7735ミリ)。
上面(県議会用)はラワン合板、下面(市議会用)は秋田杉合板。県議選の時は、いつもの杉の掲示板に姿を変えるわけだ。(実際に裏面を見てみると、従来通り、県産材を示すシールが貼ってあった)

【2015年4月3日追記】2015年4月3日付秋田魁新報 総合面のコラム「杉」(元々は夕刊コラム)で「大きな掲示板」として取り上げられていた。
この方式になったのは2007年からだそうで、「2003年の統一地方選までは、(略)横並びで設置されていた。」
この方式にすることで「約1300万円の経費削減を図った」そうだ。

ラワンは熱帯系広葉樹(フタバガキ科)の総称で、ベニヤ板の材料として一般的で、木目は不明瞭。上面だけ杉材にしなかったのは、軽量化するためだろうか?
1つの掲示場につき8枚+半分のラワン合板が使われているようだ。
余白部分は単なる板(印字もないしポスターも貼られない)なので、使用後の再利用には都合がいいだろう。(市の仕様書では「再利用に努めること」としている)


秋田市の選挙ポスター掲示場の作成・設置・管理・撤去は、一連の作業を一括して発注するようだ。ただし市内全域をまとめてではなく、市内を第1ブロック~第7ブロックの7つに分け、それぞれのブロックごとに入札を行っている。
うち2ブロックは旧河辺町と旧雄和町で、それぞれ56か所と75か所に設置される。旧秋田市内5ブロックは、各ブロック当たりそれぞれ102~112か所ずつで計531か所。
秋田市全体では662か所に掲示板が設置されることになる。(設置数は今回の選挙の場合)

秋田市の掲示場の左下には、「設置番号」という欄がある。
「設置番号3-31」
ハイフンの前の印字された1ケタの数字(3)は、そのブロックを示していると思われる。後ろの手書きの数字は、各ブロック内での通し番号のようだ。【30日訂正】後ろの数字には、200番代とか400番代とか設置箇所数より大きい番号のものがあり、「通し番号」ではないようです。
(上記は秋田市の場合。他の市町村では、投票区の番号など異なる法則の番号が振られる場合があります)
脚は7本

状況によって脚を短縮することも
今回は、3月24日~30日に設置(実際は上記の通り完了していると思われる)、県議選投票日翌日の4月11日~14日に上面撤去、市議選投票後25日~27日で掲示場自体を撤去することになっている。
上面撤去より掲示板自体の撤去期間のほうが1日短いのか。


今回の掲示場は巨大なだけに、設置には苦労しているようだ。
ある公園の入口
入口を半分、ふさいでしまっている。(上の写真は掲示板の裏面が見えているので、秋田杉の木目が分かる)
公園内の見通しも悪くなっており、安全上はやや問題ありか。


選挙ポスター掲示場の数は、基本的には「一投票区につき五箇所以上十箇所以内(公職選挙法144条の2)」と定められている。
私有地に立てる場合は所有者との調整が必要だろうから、どうしても公園とか学校とか、公共施設の周辺に立てられることが多いようだ。
そうした事情から、近接した場所に複数の掲示板が存在するケースがある。
以前紹介したように、弘前市では背中合わせに2枚立っていたり、200メートルほどの中に4か所もあったりと、極端。

弘前市ほどではないが、秋田市でもそんな例があった。今回は掲示板が大きいから見つけやすい。
以前も紹介した場所
曲がり角の奥、50メートルくらい離れた場所にもう1枚ある。

ほかにも新たに発見。
90メートルほど先の向かい側にも
写真はないけれど、同じような状況をもう1か所発見した。

法律で定められていて、公正なことが絶対の選挙とはいえ、これでは無駄だ。もう少し柔軟にできないものだろうか。
【2015年4月21日追記】その後、秋田市では近接した掲示板の集約が行われ、2012年末から25か所が減らされた。上で紹介した2か所(計4か所)も対象で、1つずつの設置になった。


さて、今回の秋田市の掲示場をよく見てみると…
「秋田県議会議員一般選挙」の上の線に注目
掲示板左側の注意事項などが記載された部分(「表示欄」と言うらしい)の上の線だけ、太マジックで手書きで引いている!
確認できた3ブロックの掲示場どれもが、このようになっていた。
こちらはインクが隣の板に少し移ってしまっている
おそらく現場で設置時に線を引いているのだろう。設置番号と同時に。

いつもの掲示板なら、板の端になる部分なので線は引かれないのだが、今回はそうではないので、線を引くことにしたのだろうか。
秋田市が示した「設計書」にも、たしかにこの部分にも線が引かれている。印刷する際に、ついうっかり線を引き忘れ、設置時に手書きで対処したのだろうか? ご苦労なことです。
こんな線、別になくても問題はないと思うけど…

一方、右端は
縦線がない
設計書では、ここにも縦線が引かれている。同様に印刷し忘れたのか?
だが、手書きで線が引かれたものは見かけなかった。
この線もなくてもいいけど、ちょっと締りがないというか、間抜けな感じがしなくもない。

最後に、
この掲示場
線も引かれてないし、整理番号も記入されていない。忘れちゃった?
【31日追記】この掲示場に線と番号が記入されていたのを確認。

※この掲示場には欠点がありました。こちら
※市議選の時の記事はこちら
※別の形での掲示板の有効利用はこちら

※4年後・2015年の統一地方選の状況
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