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広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

テレビの緊急地震速報

2011-03-29 20:45:12 | 地震
昨日の朝(28日7時24分)も大きな余震があった。
震源地は宮城県沖、マグニチュード6.5、最大震度5弱(石巻市)で、宮城県沿岸に一時津波注意報が出された。
秋田市は震度3だった。

緊急地震速報が流れたのだが、先日同様に内容に一部誤りがあり「秋田・山形県沖が震源で、日本海側各地で震度5前後」という速報が流れた。
以前の繰り返しだけど、現在はシステムの精度が低下していることを念頭に置き、自分のいる地域に速報がでたら適切に対処することは心がけておきたい。
それにしても、やっぱりそのことの周知が足りないと思う。気象庁のサイトや一部報道で取り上げてはいるが、知らない人もまだまだ多いだろう。誤解やデマにつながらないよう、正しい情報や現状をもっと説明・PRしてほしい。ACの広告ばっかりじゃなく、政府広報として流すとかして。


多くの人が緊急地震速報を知る手段は、テレビ放送だろう。NHKでは2007年10月に提供を開始し、それ以後に民放各局も追随している。その話題です。
●出る場合と出ない場合
テレビなど一般向けの速報は、「最大震度5弱以上の強い揺れが予測された場合」に、「震度4以上が予測される地域」を発表するのだそう。
つまり、ある地点で震度4になることが予想されても、その地震によってどこかの地点で最大震度5弱(かそれ以上)が予想される場合は速報が出るけれど、予想最大震度が4の場合(=震度5弱以上が予想される地点がない場合)は速報そのものが出ないのだ。今日の20時前に福島県沖であった地震がまさにこのパターン。
※あくまでも予測震度なので、実際の震度とは異なる可能性がある。現在は精度低下のため、弱い地震でも速報になってしまう場合も少なくないようだ。

●他地域向けの速報の扱い
自分が住んでいる(=テレビが放送されている)地域以外が対象の速報が出た場合はどうなるのかは、テレビ局によって対応が異なるようだ。
まず、NHKは、災害対策基本法に基づく「国の指定公共機関」であること、BSなど放送地域がさまざまなチャンネルがあることからなのか、どの地域に速報が出ても全国放送されるようだ。
先日、秋田放送局からのローカルニュース中に、関東地方に速報が出た場合も、速報が流れていた。

一方、民放は局によって対応が異なったり、全国放送かローカル放送かによって異なるようだ。
広い地域に速報が出た場合でも、自分の局の放送エリア分だけを放送する場合もあるみたいだ。
先日、テレビを見ていると岩手県と青森県(の太平洋側?)の地図が大きく出て、その地域に速報が出た。じゃあ、秋田ではそれほど揺れないのかと思ったら、結構揺れた。
実は、秋田にも速報が出ていたのだが、見ていたチャンネルが、(ケーブルテレビが再送信している)IBC岩手放送だったのだ。

つまり、IBCでは、自社の放送エリア内分の速報しか流さないのだろう。(青森県の太平洋側では一般家庭のアンテナでIBCを直接受信できるので、対象エリアにしているのだと思われる)

●「報知音」
緊急地震速報といえば、「ちゃらんちゃらん、ちゃらんちゃらん」という切羽詰ったチャイム(気象庁では「報知音」と呼んでいる)だが、これはNHKが著作権を有するものだそうだ。
気象庁では「報知音は、誰もが、どこでも、即座に理解できるように統一されていることが重要」として「NHKのチャイム音 を緊急地震速報の報知音として強く推奨しています。」とのこと。
元々はNHKオリジナルのチャイムだったものが、民放局や防災行政無線にも広がったわけだ。ただし、一部民放局では別の音の場合もある。

●緊急地震速報と地デジ
地上デジタル放送は、緊急地震速報に大きな欠点をもたらす。
データ処理の都合上、2秒程度のタイムラグが生じてしまうからだ。(地デジでは数秒遅れた画像・音声を視聴していることになる)
この点は、一刻を争う緊急地震速報では、致命的な問題点だと思っていた。

今回の一連の地震の速報を地デジで見ていると、あることに気づいた。
緊急地震速報が出る直前に「ピーンピーンピーン」というか「つーんつーんつーん」という音とともに、画面上部中央に赤地に白抜き文字で「緊急地震速報」というテロップが出て、それから「ちゃらんちゃらん」のチャイムと地図付きの速報画面が画面下に出てくる。NHK秋田(全国放送、ローカル放送どちらも)と秋田テレビ(フジテレビから同時ネットの番組)でこのような現象を確認した。
前はこんなのなかったはず。

実はこれが、地デジの遅延対策なのだった。
NHKでは、昨年8月から10月にかけて各放送局の装置を対応させ、上記のような表示方法になったそうで、「アナログ放送で地図スーパーが表示される時間とほぼ同じタイミング」になったそうだ。(http://www.nhk.or.jp/bousai/quick.html)
NHKのサイトより。実際には上の赤いのが先に出る
なるほど。ちゃんと進化・改善されてるんだな。
これでは「速報が出る」ということしか分からず、どの地域が対象なのかは相変わらず遅れて伝えられることになるが、少しは安心した。

どういう仕組なのかイマイチ分からないが、テレビ放送のデータよりも先回りして「緊急地震速報が出るよ」という信号を送信するのだろうか?
音については、資料に「受信機内蔵音」とあるので、音自体が電波で届くのではなく、信号を受けてテレビ自身が音を出している(データ放送の「d」ボタンを押した時の音みたいに)だろう。その方がデータ容量が少なくて済み、早く処理できるのだろうか。

なお、NHKではこれを「迅速化」と呼んでいるが、それはやや誇張表現では?
やっとアナログ時代並みの表示スピードになったんだから、迅速化というより「適正化」程度じゃないでしょうか。
【4月14日追記】テレビ朝日からの全国放送中に秋田朝日放送で緊急地震速報が流れたが、「つーんつーん」はなく、いきなり「ちゃらんちゃらん」のチャイムが流れた。AABはまだ“迅速化”されていないということだろうか?


●アナウンサーの沈黙
感心するのは、NHKのアナウンサーの対応。
生放送中に緊急地震速報が出ると、チャイム音の後の少しの間、何もしゃべらない。
これはびっくりして固まっているのではなく、「緊急地震速報速報です。強い揺れに警戒してください」という自動音声(末田正雄アナウンサーの声)と重ならないよう、あえて黙っているようだ。
自動音声が終わると、身の安全を確保することなどを呼びかける。
もちろん、民放局でも適切な呼びかけをするアナウンサーも少なくない(民放は自動音声はない場合が多いので、すぐに話始めなければいけない)が、こういう点はさすがNHKだと感じている。
コメント (2)
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