広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

まれ と マレ

2015-06-18 23:15:10 | 秋田のいろいろ
「まれ」の話ですが、NHKの連続テレビ小説ではありません。
秋田市内の住宅街にある、細い道が交わる十字路。
「止まれ」
赤い三角形の道路標識と、白線による路面標示(正しくは「道路標示」かな)で「止まれ」とある。
この反対側というか向かい側は、
 
「止まれ」じゃなく「止マレ」。
向かい合う標示の送り仮名が、ひらがなの「まれ」とカタカナの「マレ」で異なるとは、これいかに?

三角の標識では「止まれ」とひらがな表示であるのと同じく、路面標示も「止まれ」が正当なようだ。
その文字は、標準的な書体(書き方)が定められているが、都道府県によって異なる場合もある。秋田県では標準タイプを採用しているようだ。
3文字の中央の縦棒が一直線に揃う
例えば愛知県などでは「ま」の丸い部分が丸っこかったり、「れ」の縦棒が左に寄っていたりといった差異があるらしい。和歌山県では「とまれ」とオールひらがなだそうだ。

「止まれ」であるべきの秋田県内の道路において、「止マレ」表記なのは、次のような理由が考えられる。
・公道ではなく、私道・私有地である
→狭い道ではあるが、れっきとした秋田市道であるはずだから、これは違う。
・物理的な理由で「まれ」を施工できないが「マレ」ならできる
→文字がギリギリ収まるくらいのとても狭い道幅ではあるのだが、できなくはないでしょう。
・「止まれ」が原則になる以前の大昔の標示が残っている
→昔は「止マレ」が標準だったかどうかは知らないけれど。でも、昔のものにしては鮮やかすぎる。よく見ると、
「止マレ」にチョークが引かれている
【19日追記】「止まれ」と「止マレ」で「止」の文字のバランス(縦画の位置)が違っている。
線を引く時に下書きしたチョークの線が残っているのだ。極めて最近に書かれたばかりの「止マレ」ということになる。

さらに、「止マレ」だけでなく「止まれ」側にもチョークが残っているし、どちらも舗装のアスファルトもまだ新しそう。
つまり、「止まれ」も「止マレ」もおそらくいっしょに、最近書かれたものだと考えられる。

アスファルトが新しいということは、単に標示が古くなった(薄れた)から警察の発注で書き直したのではなく、上下水道やガス、もしくは道路そのものの工事によって舗装をはがしたため標示も消えてしまい、原状復帰のために書き直された「止まれ」と「止マレ」であろう。

Googleストリートビューより。かなり薄れた「止マレ」
再舗装前に撮影されたストリートビューでこの場所を見てみると、現在と同じく「止まれ」と「止マレ」であった。

ということで、ひっそりと残っていた「止マレ」が、再舗装時にくっきりと復活してしまったのだと思われる。
たしかにこれで原状復帰なんだろうし標示の意味は通じるけれど、現行の決まりとは異なるものでもある。施工業者は気にならなかったのだろうか。「路面標示施工技能士」という国家資格があるそうだけど、標準ではない「マレ」をデザインして書くのは、難しかったかもしれない(直線だから「まれ」よりは楽?)。
道路工事の手続きで警察署に出向くだろうから、「止まれ」に変えることを提案することもできただろうに。余計なことをしたくないのか、それとも貴重な「止マレ」を生き残らせたかったのか。
【19日追記】「止」の文字のバランス(縦画の位置)が違うのも、従前の文字を忠実に再現したということだろうか。

それにしても「止マレ」側は狭い道だ
コメント (3)
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