4月末の青森の話題(前回の記事)は、食べ物関係に移ります。今回は青森ではメジャーだと思われる2つ。
日本各地には、地元産の生乳を使って地元で販売する「ご当地牛乳」がいろいろある。
秋田の地元メーカーは、高級価格帯の商品を少量流通させるところが多く、良いのか悪いのか県外大手メーカーと棲み分けがなされている。
一方、三重の大内山牛乳など、場所によっては大手メーカーと競合する庶民的な価格の製品を大量に流通させ、地域内では大手と肩を並べるシェアを誇るものもある。
青森県では、後者のメーカーが存在する。
その名前は…、おぎ?、はぎ? わら…??
弘前にいた頃から、存在は知っていて、たまに買って飲んだこともあったが、失礼なことに名前がうろ覚えだった。
正しくは、「萩原乳業」。
「はぎわら」です。「荻原乳業」じゃないし、企業名としては「萩原“牛乳”」でもありません。
青森県内で酪農が盛んなのは十和田とか県の東側というイメージがあるから、萩原乳業は八戸とかせいぜい青森市とか、そっちのほうのメーカーだと思い込んでいた。
しかし、本社はなんと弘前市内。大久保西田という、撫牛子駅と国道7号線の間辺りにあり、土手町にはカフェ形式のアンテナショップもある。
まったく思い込みは恐ろしい。
【7月21日追記】7月21日の東奥日報サイトより。
2015年2月1日現在の農林水産省「畜産統計」によれば、青森県の「乳用牛の飼養頭数は1万1600頭、飼養戸数(酪農家戸数)は219戸で、それぞれ前年に比べ900頭、7戸ずつ減」。「20年前の1995年に比べると、頭数は半減、戸数は6割減った」。
ちなみに2013年の数値では、青森県が12900頭(都道府県別で19位)、秋田県は5810頭(31位)。秋田は酪農そのものが小規模で、乳業メーカーも小さいということもありそうだ。(以上追記)
弘前では、イトーヨーカドー弘前店をはじめ、多くのスーパーで売られているし、かつては弘前大学の学内に自動販売機が設置されていた(今は撤去?)。
学校給食でも出され、ホームページによれば「青森県内の小中学校約400校(2015年3月末現在)」で採用されているとのこと。
そんなわけで、萩原乳業は弘前・津軽の地元企業であり、県外資本の大手メーカーの工場が青森県内から撤退した現在では県内最大手の乳業メーカーだそうだ。
同社でいちばん一般的な「普通の牛乳」が「青森県産 萩原牛乳」。
200、500、1000ml入り紙パックで、給食やスーパーでもよく見かけるタイプ。
そのパッケージが、今年4月から変わったそうだ。
青森県産 萩原牛乳 200ml・イトーヨーカドーで95円
※イトーヨーカドーでは、セブンプレミアムと明治・森永(両おいしい牛乳)の中間くらいの価格帯。ヨーカドーでは、北海道の「よつ葉乳業」製品もよく扱っているのは、地理的なもの?

なるほど。たしかに昔から見慣れた萩原牛乳とは、ちょっと違うような…
3月26日付プレスリリースでは「今回のパッケージリニューアルでは、おなじみの緑と黒の基本色はそのままに、「青森県産萩原牛乳」のロゴを変更しました。また、緑の「雲」のイラストを追加し、牧場と乳牛の新鮮なイメージを広げました。 」とある。
そうそう、昔は全体に白っぽくて、緑はちょっとだけだったな。ロゴはどんなだったっけ?
我ながら物持ちが良く、旧パッケージを奇跡的に保存していた。2008年2月のもの。
これが旧・萩原牛乳!
そうか。昔は筆文字だった。
新しいロゴはちょっぴりレトロな書体で悪くないと思う。【12日追記・これが社名(萩原“乳業”)の本来の書体なんだろう。大学にあった自販機の横書きロゴが、赤文字のこれだったと思う】
旧パッケージではあった青森の地図がなくなったのは、少々惜しい気もする。
新パッケージ側面には、
「ミルキング」
萩原乳業のイメージキャラクターで、ミルキングパッケージの200ml紙パックもあるそうだ。
新旧パッケージで、バーコードや品質表示類は同一。唯一、栄養成分表示のエネルギーだけが、旧パッケージで129kcal、新で128kcalとわずかに異なる。
萩原乳業製品は、青森県内と秋田県北だけで流通しているとのこと。常温保存できるロングライフパック製品などもなさそうで、現地でないと買えないし飲めない。
※その後、秋田で入手することができた。
※さらに意外な場所でも提供されていた。
もう1つは、甘い赤飯。
秋田も含めて全国に散発的に赤飯が甘い地域が存在するが、青森は甘い「甘口赤飯」がメジャーな存在で、スーパーの惣菜もそうだった。
そして、全国展開するコンビニのローソンの「おにぎり屋」でさえ、青森向けには甘い赤飯を別に製造販売していた。
ちょうど訪れた時も、ローソンで「十勝小豆使用 赤飯おこわ」が発売されていた。
ホームページには「旭川、函館、青森は仕様が異なります。」と注記があった。(以前は旭川は入っていなかった)
ローソンホームページより。税込み129円
弘前のローソンで買ってみたら、
赤飯おこわ(甘口) 234kcal
パッケージは共通だが、商品名が異なり「甘口」の文字も入る。「十勝小豆使用」とは書いていない。価格はちょっと安くて123円。
レシート
レシートでは「トカチアズキシヨウセキハン(アマクチ)」と、十勝小豆と甘口が両方記載されている。
原材料名は「小豆入り赤飯 黒ごま pH調整剤…」で砂糖っぽいものははっきりとは掲載されていない。
青森市三内丸山の「フレッシュダイナー青森工場」製。フレッシュダイナーは、千葉県船橋、山形県天童、秋田県潟上市と青森に工場がある。
味は、以前食べたスーパー「ユニバース」の惣菜と同じような、ほんのりとした甘さ。
甘さ控えめのぼたもち・おはぎのような感じがして、好き。
ネット上の情報によれば、甘い赤飯を扱っているという理由でローソンを選んで訪れるおばあさんがいたそうで、地元のニーズに応えていることになる。
製造・輸送上の問題はあるだろうけど、秋田県や信州の一部地域で扱っても、売れると思う。
そう言えば、明日はいよいよセブン-イレブン青森県初開店。
生姜味噌おでんとか、南蛮味噌おにぎりなどが記念商品として売られるそうだけど、甘口赤飯もいつか出るでしょうか。
※2015年9月22日から再発売。商品名は「赤飯おこわ」のまま税込130円。「北海道の一部、青森県は商品仕様が異なります。」。
津軽版ではどうか知らないけれど、全国版は「従来使用の上白糖から氷砂糖を使用した製法へ変更し、よりすっきりとした甘さとすることで、小豆本来の香り・風味を引き出して」いる。
※津軽の次の記事はこちら
日本各地には、地元産の生乳を使って地元で販売する「ご当地牛乳」がいろいろある。
秋田の地元メーカーは、高級価格帯の商品を少量流通させるところが多く、良いのか悪いのか県外大手メーカーと棲み分けがなされている。
一方、三重の大内山牛乳など、場所によっては大手メーカーと競合する庶民的な価格の製品を大量に流通させ、地域内では大手と肩を並べるシェアを誇るものもある。
青森県では、後者のメーカーが存在する。
その名前は…、おぎ?、はぎ? わら…??
弘前にいた頃から、存在は知っていて、たまに買って飲んだこともあったが、失礼なことに名前がうろ覚えだった。
正しくは、「萩原乳業」。
「はぎわら」です。「荻原乳業」じゃないし、企業名としては「萩原“牛乳”」でもありません。
青森県内で酪農が盛んなのは十和田とか県の東側というイメージがあるから、萩原乳業は八戸とかせいぜい青森市とか、そっちのほうのメーカーだと思い込んでいた。
しかし、本社はなんと弘前市内。大久保西田という、撫牛子駅と国道7号線の間辺りにあり、土手町にはカフェ形式のアンテナショップもある。
まったく思い込みは恐ろしい。
【7月21日追記】7月21日の東奥日報サイトより。
2015年2月1日現在の農林水産省「畜産統計」によれば、青森県の「乳用牛の飼養頭数は1万1600頭、飼養戸数(酪農家戸数)は219戸で、それぞれ前年に比べ900頭、7戸ずつ減」。「20年前の1995年に比べると、頭数は半減、戸数は6割減った」。
ちなみに2013年の数値では、青森県が12900頭(都道府県別で19位)、秋田県は5810頭(31位)。秋田は酪農そのものが小規模で、乳業メーカーも小さいということもありそうだ。(以上追記)
弘前では、イトーヨーカドー弘前店をはじめ、多くのスーパーで売られているし、かつては弘前大学の学内に自動販売機が設置されていた(今は撤去?)。
学校給食でも出され、ホームページによれば「青森県内の小中学校約400校(2015年3月末現在)」で採用されているとのこと。
そんなわけで、萩原乳業は弘前・津軽の地元企業であり、県外資本の大手メーカーの工場が青森県内から撤退した現在では県内最大手の乳業メーカーだそうだ。
同社でいちばん一般的な「普通の牛乳」が「青森県産 萩原牛乳」。
200、500、1000ml入り紙パックで、給食やスーパーでもよく見かけるタイプ。
そのパッケージが、今年4月から変わったそうだ。

※イトーヨーカドーでは、セブンプレミアムと明治・森永(両おいしい牛乳)の中間くらいの価格帯。ヨーカドーでは、北海道の「よつ葉乳業」製品もよく扱っているのは、地理的なもの?

なるほど。たしかに昔から見慣れた萩原牛乳とは、ちょっと違うような…
3月26日付プレスリリースでは「今回のパッケージリニューアルでは、おなじみの緑と黒の基本色はそのままに、「青森県産萩原牛乳」のロゴを変更しました。また、緑の「雲」のイラストを追加し、牧場と乳牛の新鮮なイメージを広げました。 」とある。
そうそう、昔は全体に白っぽくて、緑はちょっとだけだったな。ロゴはどんなだったっけ?
我ながら物持ちが良く、旧パッケージを奇跡的に保存していた。2008年2月のもの。

そうか。昔は筆文字だった。
新しいロゴはちょっぴりレトロな書体で悪くないと思う。【12日追記・これが社名(萩原“乳業”)の本来の書体なんだろう。大学にあった自販機の横書きロゴが、赤文字のこれだったと思う】
旧パッケージではあった青森の地図がなくなったのは、少々惜しい気もする。
新パッケージ側面には、

萩原乳業のイメージキャラクターで、ミルキングパッケージの200ml紙パックもあるそうだ。
新旧パッケージで、バーコードや品質表示類は同一。唯一、栄養成分表示のエネルギーだけが、旧パッケージで129kcal、新で128kcalとわずかに異なる。
萩原乳業製品は、青森県内と秋田県北だけで流通しているとのこと。常温保存できるロングライフパック製品などもなさそうで、現地でないと買えないし飲めない。
※その後、秋田で入手することができた。
※さらに意外な場所でも提供されていた。
もう1つは、甘い赤飯。
秋田も含めて全国に散発的に赤飯が甘い地域が存在するが、青森は甘い「甘口赤飯」がメジャーな存在で、スーパーの惣菜もそうだった。
そして、全国展開するコンビニのローソンの「おにぎり屋」でさえ、青森向けには甘い赤飯を別に製造販売していた。
ちょうど訪れた時も、ローソンで「十勝小豆使用 赤飯おこわ」が発売されていた。
ホームページには「旭川、函館、青森は仕様が異なります。」と注記があった。(以前は旭川は入っていなかった)

弘前のローソンで買ってみたら、

パッケージは共通だが、商品名が異なり「甘口」の文字も入る。「十勝小豆使用」とは書いていない。価格はちょっと安くて123円。

レシートでは「トカチアズキシヨウセキハン(アマクチ)」と、十勝小豆と甘口が両方記載されている。
原材料名は「小豆入り赤飯 黒ごま pH調整剤…」で砂糖っぽいものははっきりとは掲載されていない。
青森市三内丸山の「フレッシュダイナー青森工場」製。フレッシュダイナーは、千葉県船橋、山形県天童、秋田県潟上市と青森に工場がある。
味は、以前食べたスーパー「ユニバース」の惣菜と同じような、ほんのりとした甘さ。
甘さ控えめのぼたもち・おはぎのような感じがして、好き。
ネット上の情報によれば、甘い赤飯を扱っているという理由でローソンを選んで訪れるおばあさんがいたそうで、地元のニーズに応えていることになる。
製造・輸送上の問題はあるだろうけど、秋田県や信州の一部地域で扱っても、売れると思う。
そう言えば、明日はいよいよセブン-イレブン青森県初開店。
生姜味噌おでんとか、南蛮味噌おにぎりなどが記念商品として売られるそうだけど、甘口赤飯もいつか出るでしょうか。
※2015年9月22日から再発売。商品名は「赤飯おこわ」のまま税込130円。「北海道の一部、青森県は商品仕様が異なります。」。
津軽版ではどうか知らないけれど、全国版は「従来使用の上白糖から氷砂糖を使用した製法へ変更し、よりすっきりとした甘さとすることで、小豆本来の香り・風味を引き出して」いる。
※津軽の次の記事はこちら