広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

五能線等に新車両2種

2015-06-07 23:25:48 | 秋田のいろいろ

JR東日本秋田支社管内に2つの新車両が投入される計画ことが、5月中旬に本社から発表された。
うち1つは想像の範囲内で別段驚かなかったし、マスコミでも報道されたのでご存知のかたも多いことだろう。
ところが、もう1つは、唐突で少々分かりづらいもので、しかも秋田の(青森でも?)ローカルマスコミではまったく報道されていないと思う。


1つ目は、五能線の観光快速「リゾートしらかみ」用の1本を更新するもの。
5月14日に「リゾートしらかみ「※(ブナ)」の車両新造について」で発表。※ブナは「木偏に無」

リゾートしらかみは3本の編成がある。1997年登場の「青池(当初は愛称なし)」、2003年の「ブナ」、2006年の「くまげら」の各編成。いずれも、1970年代後半に製造され普通列車として使われていたキハ40系気動車(ディーゼルカー)を改造したもの。だから車齢としては3編成ともほぼ同じ。
その後、2010年12月に青池編成が新造車で更新されることになり、ハイブリッド方式のHB-E300系気動車が投入されて2代目に代替わりしていた(乗車記)。
(再掲)現在のブナ編成 ※撮影時は3両編成。現在は1両増車されて4両編成
今回のプレスリリースによれば、新・ブナ編成は、

・HB-E300系4両を新造
・2016年7月~9月に実施される「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」にあわせて営業運転を開始

・外観はステンレスボディに緑系統の組み合わせで、側面に木や葉、木漏れ日を表現
・「フードカウンター」を新設し、沿線の「食」も提供。木のオブジェのようなものが置かれる

といったもので、フードカウンターとやらを除けば、2代目青池編成をおおむね踏襲していると考えられる。(リリースでもほとんど触れていないし、魁などの報道は青池の「あ」の字も出しておらず、読んだ人はまったく新設計の車両だと思われかねない)

現在のブナ編成は、車両を他編成から融通した経緯から、他の編成で1両だけのボックス席(半個室)が2両ある。そのため、座席予約時や突発的な編成変更時に、少々面倒なことになる。この点はブナ編成新造により改善されるかと思いきや、フードカウンターがあることで座席配置が変わってしまい、引き続き面倒になるかもしれない。

青池に続く更新で順当なところだと思うけれど、気になるのは、
・現ブナ編成はどうなるか?
旧青池編成は「クルージングトレイン」として臨時列車などで使用中。同様の使い方をされるかもしれないが、ボックス席の車両などは使い道に困りそうだし、車両数も増えて持て余しそう。
・くまげら編成は?
改造前からの車齢では、3編成とも同じ。いずれ更新されるだろうが、いつになるか?
【8日追記】
現・ブナ編成では、蛍光塗料とブラックライトにより、トンネル通過時などに天井に絵が浮かぶ「ファンタジーライト」を備えている(昨年の状況)。リゾートしらかみ3編成中唯一(というか国内唯一?)の設備であるが、これは踏襲されないだろうな…



そして、もう1つが、5月19日の「新潟・秋田地区への新型電気式気動車の投入について」。
タイトルをぱっと見た時、「ついに男鹿線に新車?!」「ハイブリッド車? もしくは燃料電池車とか蓄電池車?」と思ったけど、中を読むと、そうではなかった。
プレスリリースによれば、

・2017~2019年度に新潟地区、2020年度に秋田地区に新型気動車を合わせて63両導入(2017年11月頃に3両を先行導入、以降2019年5月頃から順次)
※ここでの「地区」とは、「県」ではなくJR東日本の「支社」を指す
・秋田地区では五能線、奥羽本線(秋田~東能代、弘前~青森)、津軽線で運用
・駆動システムは従来の「液体式」ではなく「電気式」
・「公募調達」を実施
・JR東日本では今後、150~250両(今回の63両を含む)の電気式気動車を新造し、既存気動車を置き換える計画

という内容。

以下は個人的解説と考察。※知ったかぶりなので、誤りや勘違いがあり得ます。
・公募調達
目新しくて素人にはよく分からないのが、「公募調達」という方法で新車を入れること。同様の手法は、昨年、八戸線用の気動車で初めて実施され、今回が2件目。
従来の鉄道車両は、鉄道会社側が設計してメーカーに発注していた。
公募調達では、設計から製造、さらに保守支援を一括して外部に任せる。(JR東日本側で指定する性能などの条件はある。保守は「支援」だから直接的には自社で行うのだろう)
日本国外を含む企業から提案を募って、それを審査してどこに頼むか決定するので、現時点ではどんな車両ができるか分からない。
だから、従来の新車の発表資料では掲載されていたイメージ図や形式名は、今回はない。

デザイン分野とか役所の事業で行われる「デザインコンペ」とか「公募型プロポーザル」みたいなものなんだろうか。設計から保守までを一括して委託するということでは、秋田市のLED防犯灯もそんな感じか。
JR東日本の各種資料には、
「世界中から多くの企業に参加していただくことにより、世界の優れた企業との接点を増やしていきたいと考えております。」
「JR 東日本は、資材調達にあたり、高品質で安価、かつ十分なアフターケアが行われる製品を、広く国内外に求めることを、基本方針としております。」
とあり、こういうことをする目的は、コスト削減、外部の新技術導入、さらに海外とのつながりを作りたがっているようにも受け取れる。

ところで、鉄道車両(じゃなくても車や電気製品などでも)では、他形式と設計や部品を共通化して効率化を図ることがある。規格や扱い方法が同じだと、将来的に他の路線や地域に転用しやすいメリットもある。
さらにJR東日本では、鉄道車両製造メーカー「東急車輛製造」を傘下に入れ「株式会社総合車両製作所」としていて、自前で新車を製造できる能力を持つ。(秋田総合車両センターのような地方の工場でも、数は少ないが製造実績がある)
しかし、公募調達では、その都度、ぜんぜん違う設計のものが採用される可能性があるし、せっかくの系列製造メーカーを活かせなくなる。素人目には、形式が乱立してガラパゴス化して複雑になり、面倒になりそうにも思えてしまう。

前回の八戸線の詳細な資料がないので不明だが、今回は、車両全体の設計から製造までを一括して1社で行う「全体提案型」と車体、台車、エンジン、空調装置等々21項目のパーツごとに申し込む「部分提案型」のどちらでも応募でき、いずれかを採用するとのと。
書類の提出期限は7月24日16時。


・性能・仕様
63両は、1両だけで営業運行できる「両運転台」仕様が19両、2両以上で営業運行する「片運転台」仕様が44両(2両編成で22組)。
ステンレス車体、最高運転速度100km/h。

ステンレス製なのは順当なところで、速度は本線での走行もあることから電車並みの性能になるのだろう。
※現在のキハ40系は95km/h。五能線などローカル線区では85km/hに抑えられている。
トイレの有無、座席配置、ワンマン運転対応かどうかなどは不明。こういう点も提案内容次第なんだろうか。


・電気式気動車
一般的な気動車(=現行のほぼすべての気動車)は「液体式」と呼ばれ、エンジンの回転数を変えてスピードを調節して、車輪を回して走っている。自動車とだいたい同じ。「液体」はトルクコンバーターのこと。
新型気動車で採用される電気式では、エンジンは発電機として働き、その電気でモーターを回して車輪を回して走るもので、「発電機を積んだ電車」と例えられる。ディーゼルエンジンに加えて、電車のような装備も必要となるが、エネルギー効率は液体式より若干良いそうだ。

電気式の気動車やディーゼル機関車は、戦前に実用化されていたものの、当時の技術では扱いづらく、後に液体式が主流となった。
ところが、ここ20年ほどでインバーターなどが使えるようになり電気式が再注目、北海道のJR貨物では電気式のディーゼル機関車(DF200形)が活躍している。上記、リゾートしらかみのハイブリッド気動車も、電気式気動車の一種(間にバッテリーを挟んだ)である。
そんな経緯があるので、液体式から電気式へのシフトというのは、驚くことではない。
機関車やハイブリッドを除く純粋な電気式気動車は、1950年代初めに作られたものが最後だったので、60年以上の時を経ての復活ということになる。

液体式/電気式は別にして、ディーゼルエンジンだけの気動車というのは意外。
JR東日本はハイブリッドなど新たな駆動方式の開発に熱心で、ただの気動車は時代遅れと認識していると思っていた。そこに来て、ただのディーゼルカー導入とは拍子抜け。
技術的な信頼性などの面からは、他の方式ではまだまだディーゼルエンジンに及ばないのだろうか。


・秋田地区での運用区間
上には書かなかったが、新潟地区での導入線区は、現在の新津運輸区に所属する気動車の運用範囲に該当するから、分かりやすい。
一方、秋田地区では現在よりも広範囲を走ることになる。
現在、秋田支社の秋田車両センター(秋田市楢山)所属の普通列車用気動車はキハ40系だけ。男鹿線と五能線を中心に走っている。男鹿線は今回の対象外になったようなので、とりあえずは置いておく。
五能線用の車両は、五能線の全区間・東能代-川部と直通運転される奥羽本線の川部-弘前で使われるほか、奥羽本線の秋田-東能代でも1日1往復だけ運用されている。メインの運用区間である五能線と車両基地のある秋田市が離れているため、点検整備で車両基地に出入りする際の回送を兼ねて営業運転(送りこみ)しているのだ。

新車両は、その区間に加えて奥羽本線の川部-青森と津軽線の全区間(青森-三厩)も走行するらしい。
川部から北の青森方面は、かつては五能線直通の列車が1往復だけ走っていたが、2014年春に廃止されている。
津軽線は、そもそも盛岡支社の管轄。青森から途中の蟹田までは電化されており、秋田支社の701系電車が主に走っている(旅行記)。末端の蟹田-三厩間(および青森-三厩の直通列車)は盛岡支社八戸運輸区所属のキハ40系が5往復走っている(旅行記)。その分の運用が秋田支社担当に変更され、五能線と一体で運用されるのだろう。
(再掲)津軽線のキハ40
八戸から青森へ来るのは、(五能線が秋田に来るのと同様に)青森で点検整備を受ける目的もあるようだが、途中で第3セクター鉄道の青い森鉄道線を通過しなければならず、乗り入れの手続きが生じているはず。
さらに上記の通り、八戸線でも2017年以降に18両の新型車両が導入されることになっている。
現在、八戸線・津軽線用のキハ40系は37両も配置されているのに、導入されるのはその半分。八戸線と津軽線で運用が分離されるのは確実。【末尾の追記参照】
管轄支社が違うものの秋田側の車両を使ったほうが効率がいいのだろう。(これを機に津軽線を秋田支社管轄に変更する、ってことはないだろうな…)

ということで、秋田地区で新型気動車が走るのは、
既存車両(キハ40系)に代わって新型車両が走るメイン区間は、
・五能線とその直通運転区間である東能代-川部-弘前
・津軽線の末端部である蟹田-三厩
車両の送りこみを兼ねて、電車に混じってわずかに新型車両が走るのが、
・奥羽本線の秋田-東能代、(弘前-)川部-青森
・津軽線の青森-蟹田
だと考えられる。


・割り振り
63両を新潟と秋田でどう配分するのかは不明。
参考までに現在のそれぞれの車両数で考えてみる。
まず、新潟の新津運輸区には、キハ40系、キハ110系、さらに2008年に新製投入されて間もないキハE120形の3タイプが合わせて67両配置されている。
いくらなんでも(運用の効率化とか車両数・運転本数削減をしたとしても)新津の67両が全部なくなるわけではないと考える。キハ40系が37両配置されているから、その分の更新だろうか。

一方、秋田支社の秋田車両センターにはキハ40系が61両配置。
男鹿線用と五能線用それぞれで塗装が色違いなので運用は分離されており(たまに本来と違う路線に入ることがあるけど)、五能線用は29両らしい(秋田支社ホームページ朱5号気動車運用ページより)。

とすると、新潟37両+秋田29両=66両で、導入車両数との差3両。
実際には津軽線分も加わるが、5往復程度だから運用効率化でカバーできそう。新潟に35両、秋田に30両弱がいい線じゃないでしょうか?(憶測です)【末尾の追記参照】


・形式名称
調子に乗って妄想。どんな形式名になるか。
JR東日本の普通列車用気動車は、最近ではキハE120系、キハE130系が登場している。
先に落成するであろう八戸線用が「キハE140系(形?)」で、これが「キハE150系」とか?
運転台の違いと、おそらくトイレ有無の違いから3タイプが登場すると考えるので、キハE150形、キハE151形、キハE152形の3形式か?

今後、他路線での更新時にもその都度、公募調達がされるとすれば、形式名が乱立してしまいそう。数字の前に東日本を意味する「E」を付与しているので、JR他社へ迷惑をかけることはないだろうけど、ややこしいかも。


・教えてくれる?
今後、メーカーが決まり、細かなデザインや仕様が決まり、製造に入って、落成し、運行が始まることになる。
その進捗状況は、我々一般利用者には教えてくれるのだろうか。それとも、落成・運行開始時まで分からないのだろうか。
八戸線のほうは、2月末で申し込みが終わっているのだが、続報はなさそう。


・ひと安心
このことを知って、安心したのが「五能線は当分は廃止にならない」ということ。
国鉄時代の五能線は、赤字路線として廃止される条件に当てはまったが、冬期の代替交通がない区間があるとかの理由で、廃止を免れたはず。
その後、「ノスタルジックビュートレイン」→「リゾートしらかみ」の成功により、観光路線としての地位を確立した。

だけど、県境部などの普通列車はガラガラだし、リゾートしらかみだって毎日満員御礼というわけでもない。悪天候による運休も多く、距離が長くて営業効率は良くはないだろう。いつかは再び廃止の話が湧かないとも限らないと思っていた。【8日追記・青森県深浦町からは秋田県能代市の高校への通学が認められているそうで、県境を越えた通学需要はある】
普通列車用にも新型車両が入るからには、あと数十年は大丈夫でしょう?!


・キハ40系もついに
新型車両が入れば、キハ40系(正式にはキハ40形とキハ48形)は廃車されるだろう。
国鉄末期の1977年から製造されたキハ40系は、国鉄らしい外観と内装で、「旅情を感じる」などと好感を持つ旅行者や鉄道愛好家も多い。
(再掲)五能線のキハ40系には、国鉄時代の「朱5号」塗装に復元されているものもある
一方で、鈍重で非力な走行性能、冷房装置がないといった点に、導入時には現場の職員からも不満の声があったそうだ。21世紀の今なら、なおさらだし、日常的に利用する客にとっては「旅情を感じる」=「古い」かもしれない。
当時の国鉄の経営状態と硬直的な体質を反映したという意味で、“国鉄らしい”、“国鉄を象徴する”車両なのかもしれない。
※JR化と前後して、冷房取り付け、エンジン換装などの改造が行われ、いくぶん改善はされている。
(再掲)五能線キハ40系車内。冷房もあって設備としてはあまり不満はないが…
個人的には、自分とほぼ同い年なのですが、嫌いな車両。
エンジン換装前は、発車直後にコゲくさい臭いが車内に漂うことがあり、苦手だった。
国鉄の車両としては比較的新しく数が多かったこともあり、しぶとく生き残っていたキハ40系も、ついに終わりの時に一歩近づきつつあるようだ。


ところで、キハ40系は、元は冷房なかっただけに窓が開くから、海辺を走る五能線では、全開の窓から海風を感じることができる。(ただし、現在は冷房化されているので、やりづらい)
新しい車両では窓はほとんどが固定されたり、わずかしか開かない構造にされる可能性が高いから、それはもうできないかもしれない。
窓ガラスはUVカットで着色されるかもしれないから、景色の色合いが少し違って見えてしまうかもしれない。
窓のサイズは大きくなるだろうし、全体的にはより快適な車内になることだろう。

トイレは車椅子対応になるだろうし、ステップなどの改善で乗降がスムーズになるかもしれない。
文字による案内表示や、英語放送も採用されるだろうから、そうした設備面では大きな改善になるはず。

“外車”が入る可能性もあり、どんなデザインの車両になるのかは、楽しみなようなおっかないような…
【8日追記】資料では「運行線区は冬季の積雪がある」という注記があり相応の仕様にはなるのだろう。「40年以上の保守支援」が条件にあるから、キハ40系のように新車両も40年は使うつもりのようだ。


・男鹿線は?
五能線の車両が新しくなると、秋田支社管内(青森県側も含む)あるいは秋田県内(盛岡支社エリアや3セクを含む)で、いちばん古い車両が走る路線が、男鹿線ということになる。
五能線のほうが先に新車が入るとは、意外だった。男鹿線が先か、男鹿線・五能線同時か、新車でなくよそからの転属になるのではとも考えていたので。
男鹿線は、全線が平坦で距離が比較的短く、地方としては比較的多くの旅客需要があるという特徴を持つ。
だから新型車両が優先的に入ると思っていたが、逆に古い車両でも使えると判断されたようで、キハ40系がしばらく走り続けるとになりそうだ。
JR東日本で最後までキハ40系が残る路線が、男鹿線になってしまうのかもしれない。上記、方針の通り、将来的には置き換わるのだろうだけど。
【8日追記】男鹿線には「蓄電池駆動電車」が投入されるのではないかという、ウワサもある。既に烏山線で運行されている「バッテリーを積んだ電車」。現時点では、どうなるか知る由もないけれど、少々期待できなくもないかも?! ※烏山線のものは直流専用。秋田では交流対応にしないと運行できない。
【11月20日追記】2015年11月20日、JR東日本秋田支社から発表があり、五能線より先に男鹿線に蓄電池車が導入されることになった。この記事にて。
2017年春の営業運転開始予定で、「EV-E801系」2両1編成(2両で1組)。※とりあえず1本だけの投入で、男鹿線の車両全部が新しくなるわけではない。
JR九州が開発中の蓄電池車をベースに、耐寒耐雪対応などのカスタマイズをする。
車体の外装は1両ずつ違うらしく、それぞれ赤色と青色。予想図では、烏山線で走っているのと同じ「ACCUM」のロゴと、現行の男鹿線と同じようなナマハゲの絵(ただしカラーでなく黒地に白線)もある。
3ドア、オールロングシート。トイレは設置(烏山線用にはない)。最高速度は電化区間で110km/h、非電化区間で85km/h。



改めてまとめると、
1.「リゾートしらかみ」用の3本のうち1本・「ブナ編成」を2016年夏までにハイブリッド気動車で更新。現在の「青池編成」とおおむね同じ仕様。
2.五能線(奥羽本線、津軽線の各一部も走行)の普通列車の車両を2020年度に新車で更新。これまでと違う「電気式」気動車。「公募調達」で導入される。


1週間経たない間に五能線に相次いで新車投入が明らかになるとは、めったにない喜ばしい話題。
それなのに、鉄道愛好家もあまり話題にしていない(具体的じゃないから?)し、マスコミはもっと報道するべきだ。


【16日追記】この後、6月10日付でJR北海道から「新型一般気動車の試作車(量産先行車)の製作について」が発表された。
同社のキハ40形も新車両で更新を行うことになり、2017年度に量産先行車、2019年度以降に量産車を投入する計画。
プレスリリースでは「新製する車両は、同時期に投入を予定している東日本旅客鉄道株式会社の車両と主たる仕様が同一の電気式気動車とします。」と明言している。
コスト面や両社間の悪くない関係からすれば妥当ではあるが、公募調達との関連はどうなるんだろう? 東日本側は公募調達の応募と審査状況次第でどんなモノができるかまだ分からないし、北海道側は東日本と同じとなれば公募調達ではない方法で入れるのだろうか?

※少々関連した記事はこの記事後半

【2017年7月5日追記】
2017年7月4日に、JR東日本から八戸線と新潟・秋田地区それぞれの新車両の概要がまとめて発表された。
八戸線では、他路線で既に使われている「キハE130系」を導入。【2018年1月10日追記・2018年3月に置き換え完了】
新潟・秋田では「GV-E400系」なるステンレス車体、片側2扉の車両。キハ40系と同じく、両運転台1形式と片運転台2形式の3形式からなる。キハじゃなく「GV」になるとは!
7月5日付秋田魁新報によれば、63両のうち、秋田には23両が配置されるとのこと。差し引き40両が新潟配置。

【2018年1月10日追記】
2016年の北海道新幹線開業時から、津軽線の気動車が、盛岡支社から秋田支社の担当に替わった。五能線と共通運用で、奥羽本線弘前-青森で回送を兼ねた普通列車も1往復運行。したがって、GV-E400系の秋田地区の運用区間と一致することになる。導入に向けての布石だろう。
上記の通り、八戸線には別に新車両が入ったので、やはり車両運用が分割されたことになる。

【2018年2月2日追記】
2018年初めに新潟地区にGV-E400系の量産先行車3両が導入された。
新潟支社のプレスリリースによれば、車体は幅広(すそ絞り)でなく、車内はロングシートとボックスシートが半々程度。ボックスシートは、通路の片側が1ボックス4人がけ、反対側が2人がけと、キハ110系などと同じ配置の模様。オールロングシートでないのはよかった。

※2019年8月から新潟で営業運転開始。その直後に乗車した
※2020年7月18日、秋田向け第一陣が到着

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懐かしいチーズケーキ

2015-06-04 23:09:53 | 各地お土産・食べ物
「チーズケーキ」と聞いて、どんなものが思い浮かびますか?
現在なら「ベイクド・チーズケーキ(ニューヨーク・チーズケーキ)」か「レア・チーズケーキ」のどちらかではないだろうか。

忘れかけていたけれど、こういうチーズケーキもあった。

上面が焼けているように見えるけれどベイクドタイプとは違う。上に透明なゼリー状のものがコーティングされている。
ケーキの中のほうは、しっとりとしていて柔らかく軽い。(底はスポンジケーキ?)


Wikipediaの「チーズケーキ」の項では、チーズケーキは3種類あるとしている。
ベイクド、レアとこの「スフレ・チーズケーキ」である。
ベイクドタイプの生クリームの代わりに牛乳を使い、「湯煎焼き」することで、独特の食感になるそう。メレンゲで作る「スフレ」とは別。
日本発祥で、海外では「japanese cheesecake」と呼ばれるとか。

表面にコーティングするのは、湯煎焼き時のひび割れを防止するためで、杏などのジャムを塗るようだ。
昔の店舗の商品では、おそらくシート状のゼリーを載せていたものもあった。フォークできれいに「めくる」ことができたから。


Wikipediaでは「単に「チーズケーキ」と言う場合はほぼ」ベイクドタイプを指すとしているが、それは今現在の話。
少なくとも昭和末期は、チーズケーキといえばスフレタイプを指す、というかほぼスフレタイプしか存在しなかった。
いつの間にかレアやベイクドが出てきて、それらが台頭して取って代わられてしまったのだ。

スフレタイプと比較して、ベイクドやレアタイプは、チーズの味や濃厚さが強く感じられる。しっとりというよりもねっとりした食感のものも多い。これらはチーズケーキならではのものだが、それでは昭和の人々には斬新過ぎて受け入れにくかったのだろう。
そこで、ショートケーキのような他のケーキと通ずる、クセが少ないスフレタイプが作り出されて、違和感が少なく受け入れられたのだろう。
当時は、ケーキといえばショートケーキとモンブランくらい(というわけでもなかったでしょうけど)。平成に入ってティラミスがブームになる頃から、バリエーションが増えていったと思われる。

個人的には、どのチーズケーキも嫌いじゃないけれど、チーズケーキと言えばスフレタイプだし、選べるならスフレタイプを選びたい。
ただし、最近のスフレタイプは、表面に粉砂糖がまぶされたり、縁がふにゃっとした形状のものも多いようだ。

こういう表面がテカテカでカキッとした形状こそ、スフレチーズケーキ
ただ、昔と比べると、小さくなってしまったような…

写真のチーズケーキは、秋田市通町のどちらかと言えば和菓子メインの老舗「高砂堂」のもの(旭南高砂堂、モン高砂堂とは関係はあるが別)。【5日この行に補足を挿入】
各社ホームページによれば、イタリアントマトでは「チーズケーキ(焼)」と「レアチーズケーキ」でスフレタイプはない模様。しかし、不二家では「チーズケーキフェア」を開催中で、ベイクド、レアなどとともに「ふんわりスフレチーズケーキ」もラインナップされている。ほかにも、高砂堂のような街の古くからのお菓子屋さん・ケーキ屋さんでは今も地道に売られていることだろう。


【2025年1月18日追記】2024年時点では、コンビニ各社から、ミニサイズや円形(セブン-イレブン、3号サイズ)のスフレチーズケーキが発売されている。カキッとした形状ではなく、ミニサイズではテカテカがないものの、スフレチーズケーキは継承されている。
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快速・S白鳥・はやぶさ車

2015-06-03 23:03:18 | 津軽のいろいろ
4月末の津軽訪問(前回の記事)では、青森市へも少々足を延ばした。
夕方の快速電車で弘前から青森へ
JR東日本秋田支社管内では、(観光向けではない)快速列車が定着しづらい傾向にあるが、弘前-青森では運転が続いている。現在も朝夕上下とも1往復ずつ(=1日2往復)が運行されている。
かつては「いわき」という愛称があったが、今は無名。

前後の行き先表示は、LED式では「快速」と「青森」を交互に表示。
側面は「快速 青 森 FOR AOMORI」で「RAPID」は出ない

17時45分弘前始発の青森行きは、前3両+後2両の5両編成。
奥羽本線の中でも、元から比較的利用が多い弘前-青森間ではあるが、特に東北新幹線新青森開業後は、基本単位の2両または3両で運転される列車は減り、ほとんどが4両以上での運転。
時間的に帰宅ラッシュに巻き込まれるかと思ったが、さほどでもなく、全座席が埋まって、各車両に数人ずつが立つ程度。新幹線に乗り換えるであろういでたちの客もだいぶ多い。連休の谷間の平日だからかもしれないけど。

停車駅は川部、北常盤、浪岡、津軽新城、新青森。したがって通過するのは撫牛子、大釈迦、鶴ケ坂だけ。
弘前から青森まで37.4キロの所要時間は38分。
各駅停車だと45分くらいだから、3つ飛ばすだけでこれだけ早いのは優秀なほうかもしれない。(新幹線開業前は、各駅停車だと反対列車待ち合わせが多くて1時間近くかかっていた)

途中の各駅では、降りる人が多いが乗ってくる人も多少。弘前市と青森市という、一定の規模の都市の間を行き来する人がいる。
浪岡駅の手前で、右手の田んぼの向こうに大きな街が広がっているのが見えた。黒石市街であるが、失礼ながら思っていた以上に大きく見えてしまった。


新青森でいったん下車して、買い物。青森まで1駅を乗るのは、
JR北海道789系電車による特急「スーパー白鳥」函館行き
新青森-青森の1駅間に限り、乗車券(もしくは相当する企画乗車券)だけで特急の自由席に乗車できる特例がある。時間的にちょうど良かったので、利用させてもらった。

新青森駅の在来線は上下1本ずつしかホームがないため、新青森駅で折り返す列車は、隣の津軽新城駅まで引き上げて待機することになっている。車内整備もその間に行う。
始発列車として新青森に入線するのは発車ギリギリではなく、今回乗った列車は15分以上前に入ってドアを開けていた。(前の列車の有無で違うでしょうけど)

「スーパー白鳥」「白鳥」は北海道新幹線が開業すると廃止されるから、1年後には存在していないことになる。今回が乗り納めになるかもしれないと心して車内へ。
ガラガラ
19時に、新幹線乗り継ぎ以外で新青森駅から乗車する人などごく限られていて、2両の自由席は貸切状態。
新青森が最寄り駅である、県立青森西高校の部活帰りの生徒も静かに乗りこんだ。

発車まで、JR北海道の車内誌をめくるものの、新幹線が到着すればどのくらい乗りこんでくるか予想が付かなくて、少々落ち着かない。昔、盛岡駅から特急「たざわ」(あるいは「はつかり」)に乗った時と同じ心境。

新幹線が着くと、乗り継ぎ客が続々と来たけれど、全員余裕で着席して発車。
JR北海道独特のボソボソとした自動放送が終わるか早く、青森に到着。あっけない。

車内通路のドアガラスには、津軽海峡の地図

テーブル裏には青函トンネル通過予定時刻表

  
側面の行き先表示。ドット落ちが目立つのは、あと1年だから?

 青森駅の発車標

北海道新幹線開業後、この車両はどうなるのか。
既に同型車両が走っている札幌圏へ転属する【4日補足・1世代前の785系電車の置き換えとして旭川-札幌-新千歳空港・室蘭の「スーパーホワイトカムイ」や「すずらん」に投入】とのこと。当然ドアの津軽海峡の地図などは消されてしまうし、車体塗装も変わってしまうだろう。
【2016年12月19日追記】2017年春から、札幌-旭川の「ライラック」としてほぼそのままの外観・設備で、既存のカムイとは区別して運行されることになった。
青森ベイブリッジとスーパー白鳥の組み合わせもあとわずか
新青森開業の前頃だったかと思うが、スーパー白鳥用789系が試運転で秋田まで何度か来たことがあったそうだ。
秋田方面への延長運転が検討されているのではというウワサもあったが、実現しないで終わってしまうのだろう。

列車愛称としての「白鳥」は、どうなるのだろう。
大阪-青森の「白鳥」が廃止になった翌年、津軽海峡線に復活した時は喜ばしかったが、再復活はあるだろうか。「しらゆき」は2度廃止されたが、復活している。


4月3日に、青函トンネルを走行中の789系が、過電流が原因と思われる発煙で緊急停車。新幹線工事で駅としては廃止されていた海底駅から乗客が避難する初の事態となっていた。
その後、あまり報道や動きはなく、JR北海道の一連のトラブルとは関連が低いのかもしれないけれど、乗客としては不安。残りわずかな「スーパー白鳥」と新たな北海道新幹線の安全運行を願う。




新幹線と言えば、青森市のアスパム前にこんな車がいた。
トヨタ アルフォードハイブリッド
新幹線の塗装の車。帯がピンク色のE5系ではなくパープルなので、JR北海道所有の「H5系」がモデルだ。
ナンバープレートは「88-23」で「はやぶさ」。北海道新幹線の列車名は「はやぶさ」と「はやて」で決定している。

JRバス東北の車両でE5系ベースのものがあったけれど、乗用車もあったとは。こっちのほうが若干、よりリアルな気がする?
後部座席の窓は、新幹線っぽい四角い形状にしている。

誰の車かというと、側面に、
「北海道新幹線PRキャラバン隊」
青森県と公益社団法人青森県観光連盟が、奥津軽いまべつ駅や北海道新幹線開業のPRをするために県内のイベントに出向く時に使う車のようだ。

ネット上に、この車が2014年12月にお披露目された情報があるが、ナンバープレートは「17-17」。
側面の窓は17-17はグレーだが、こちらは黒。複数台存在するのだろうか。

青森の話題の続き
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六魂祭その他

2015-06-02 21:31:24 | 秋田の季節・風景
東北六魂祭(前回の記事)関連の残りの些細な話題。
六魂祭1週間前の秋田駅中央改札口脇の有人通路・精算所

まず、六魂祭から逸れますが、改札周辺を杉で装飾する「市街地木質化実証モデル事業」。
精算所は設置作業が一度にできなかったらしく、窓やドアの周りが以前のままでちぐはぐだった。
(再掲)


それが、いつの間にか改善され、ドアと看板の色が変わった。これにて、やっと完成でしょうか。


そして改札外側には、ホワイトボードと液晶ディスプレイ。
常設の液晶ディスプレイには、当日の混雑に備えた周知やカウントダウンが表示された。

ホワイトボードでは、歓迎と入場規制、それにカウントダウンの手がきの予告。「秋田駅社員一同」とある。
キャラクターは「リゾートしらかみ3兄弟」。
(再掲)本物(?)のリゾートしらかみ3兄弟
とても上手い絵だけど、右側の「くまげらレッド」だけ、かきかけのような印象。オレンジ色のペンがなかったようです。(緑はあるのに)

これを見た時、右上に大きめに「つ」とあるのが理解できなかった。描いた人の名前? カルタの絵札?
後日、判明。
東北各県の県庁所在地各駅(青森県は新青森駅)でも、同じようなホワイトボードを設置していて、それぞれに違う1文字が書かれているそうだ。
それぞれを合わせると新青森「東」・盛岡「北」・仙台「は」・福島「ひ」・山形「と」、つまり「東北はひとつ」となる。後で、ホワイトボードの下に、他の各駅のボードの写真が掲出された。
今春、通学で利用した客の卒業記念にこのようなボードを設置していた、盛岡駅の発案とのこと。



交通規制エリア内の郵便ポストには、
「取り集めは1日1回7時頃のみ」
オフィス街の土日だし、近くに中央郵便局がある(その旨の案内もあり)から実害は少ないだろうけど、こんな影響も生じた。



昨日紹介した、ねぶたが置かれた裁判所駐車場。その奥に、
アンテナを伸ばしたドコモのトラック? が2台(後ろの建物は気象台)
「移動基地局車」と呼ばれるもののようで、ユーザーが集中してもつながらない事態にならないよう、イベント時に出張するようだ。災害時にも活躍する。
他のキャリアもどこかにいたのだろうか。


北都銀行本店前の土手長町に立っていた通行止め看板
通行止めの看板は、(その場所の所轄)警察署と実行委員会の連名。サイズやデザインが、他のイベント時の看板によく似ているので、警察主導で作って置いたのだろうか。
上の看板の通行止めの説明に不満。
「広小路通行止め」では、進行方向では広小路しか通行止めではないと受け取れる。
しかし実際には、北都銀行前の交差点を右折する中央通り以外はすべて規制対象。直進してすぐ左折する竿燈大通りも通行止め。そもそも、広小路は一方通行だから、日頃からこのまま進んでは進入できない。
中央通りに入っても広小路へは行けませんよと言いたいのかもしれないが、ここでそれを言われてもあまり意味がないし、じゃあ竿燈大通りへは行けるんだと思われてしまうだろう。
「中央通りにしか進めません(広小路も通行止め)」などとするべき。


山王大通りの県庁第二庁舎向かいの県警の道路表示板は、相変わらずのヘタクソな文字で六魂祭の規制を予告していた。
国道13号線の卸町の猿田川の橋の所にも、県警管轄の表示板があるが、画面サイズなどが違う古いタイプ。それは、
  
「秋田県警/から/お知らせ」「六魂祭/交通規制/実  施」「秋田駅~/県庁周辺」
こちらも山王の表示板と同じ、下手文字。
でも、文面は異なる。これは表示可能文字数・ドット数が山王と違うからだろう。
「県」は頭でっかち、「警」は簡略化(「言」を広くしたほうがいいのでは?)
LEDが劣化しているのか、オレンジ色を構成する赤色と緑色が所々見えてしまっている。

新旧両方の表示板で共通の書体を使うことができず、やむなく文字を自作したのでブサイクになったのだろうか。
でも、文面が違うのだから、それぞれの専用書体を使えば済みそうにも思うけど…

東北六魂祭の話題は、以上ですべてです。もう1つ、続きがあります
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ねぶた・ブルーインパルス@秋田

2015-06-01 21:37:08 | 秋田の季節・風景
昨日に続き、秋田市で行われた東北六魂祭から2題。
パレード会場でもある山王大通りの裁判所前
六魂祭直前に、裁判所の西側、秋田市文化会館寄りの一角に、大きな建造物が建った(上の写真右奥・普段は駐車場)。
中や前で作業中(手前は出演者の下見?)
青森市から参加する「ねぶた」が作られつつあった。
つまり、この建物は青森市内で見かける「ねぶた小屋」と同じである。大きさや色はよく似ている(本物はもっとしっかりした造り)。秋田魁新報では「テント」と表記。

ねぶたはパーツに分けて青森から運び、27日からここで組み立てや調整を行っていた。
立ち入りや見学は制限されていないようで(掲示などはなく、警備員も何も言わないし)一般市民やお散歩の保育園児がすぐ近くで見ていたので、混ぜてもらう。
 

開幕前日には、
「山王大通り」の標識とあさひタクシーと完成したねぶた

スケール感が分からない写真ですが
2人の妖術使いが火と技を競い合う場面を表現した「鬼童丸(きどうまる)と袴垂保輔(はかまだれやすすけ)」。
これまでの六魂祭に参加したものよりも大型のフルサイズで、高さ5メートル、幅9メートル、奥行き7メートル、重さ4トン。


裁判所駐車場はこのまま「祭り展示会場」として、パレードに出ていない時は公開された。その製作段階から公開してくれていたことになる。
駐車場東側では、福島市の「福島わらじまつり」の長さ12メートル、重さ2トンの大わらじもクレーンで吊り下げて展示されたそうだが、これは開催日のみの展示で、事前には見られなかった。巨大なわらじなのは知っていたけれど、そんなに長いとは知らなかった。

実は、青森にいた4年間(とそれ以後)は一度も青森ねぶたを見ていません。30年近く前の小学生の時に1度見たきりで。



さて、初日のパレード開始に先立ち、会場上空で航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行が行われた。
ブルーインパルスは宮城の松島基地に所属し、津波被害を受けるなど、縁がある。東北六魂祭では福島、山形に続き3年連続・3度目の飛行。
秋田では、2013年の「海フェスタ」でも飛行が予定されたが、当日の松島の天候不良により中止になっている。

技の種類を「課目」と数えるそうだが、過去の六魂祭では12課目だったのが、今回は8課目。
秋田空港で給油すれば12課目披露できるのだが、秋田空港を管理する県の決まりで救難機以外の自衛隊機の着陸が認められず、松島基地から来て戻る(片道約170キロ)ための燃料を残さないといけないため。(松島から秋田へは10何分で飛んで来られるらしい)

テスト飛行は、本番前日の同じ時間である29日15時05分から。(悪天候の場合は当日の10時10分からとしていた)
披露時間は、報道によって25分間とか30分間とか15分間(はさすがに間違い?)とかまちまち。

テスト飛行では、6機のうち1機に不具合が発生し、5種目を終えた途中で終了したとのこと。
29日19時12分更新の産経ニュースでは「松島基地広報班は「トラブルの内容は公表できないが、軽微なもので、念のため予行飛行を途中で中止した。(略)」」としているが、30日付秋田魁新報では、「1機の燃料ポンプに不具合が生じ」としている。

課目は産経ニュースが詳しく、披露順に「(1)ワイドローパス(2)デルタ360度ターン(3)ポイントスターローパス(4)さくら(5)ビッグハート」(テスト飛行はここで打ち切り)「(7)720度ターン(8)サンライズ」だそう。


秋田市の西側を飛ぶことになり、時間的に逆光になるのが見づらいけれど、会場に行かなくても見えるから、多くの秋田市民が注目した。
大森山頂上の展望台にも人が集まったそうだし、千秋公園の御隅櫓も有料ながら人がたくさんいた。
僕は、千秋公園内某所へ。近隣の人など20人ほどが集まっていた。

時間通り、
西方向から登場!
会場では解説があって分かりやすいようだけど、ここではどこから現れて何をするのか分からず、気が抜けない。けっこう間(ま)も空く。来たと思ったら、カラスだったり…
この写真のみ、テスト飛行時
ブルーインパルスは煙で空に線を描くことを得意とするそうだが、テスト飛行も本番も霞か薄曇がかかって、特に本番のほうが雲が多くて、煙が少々引き立たなかった。


ズーム&トリミング
風も強めで、煙は思ったより早く流されて消えてしまった。
6機が円を描く「さくら」。1周する前に最初の部分が消えてしまう感じ
「煙に色、着かねぇんだな」と話していたおじさんたちがいたが、カラースモークを使ったのは1998年までとのこと。コストやメンテナンスの点でやめたそうだ。
最後の課目「サンライズ」

5機+鳥が1羽写ってます
左のクレーンが秋田市役所、その少し右の塔が秋田放送(?)、さらに少し右の塔が秋田朝日放送だから、その間がパレード会場。
※中央の塔は、市役所裏の国交省秋田河川国道事務所。その手前の茶色い建物が秋田中央郵便局、その手前の白い建物が保戸野小。
ここで15時25分。この後、28分ころに6機揃って松島の方向(?)へ飛び去って行った。

ある程度離れた所のほうが、首が疲れにくいのはいいかもしれない。千秋公園上空まで飛んでくることもあったし、見応え充分。
ブルーインパルスだけを見に、各地を巡る人もいるそうだけど、その気持ちが分かった気がする。

※六魂祭に関する若干の続き
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