東演では、今日も沖縄舞踊の稽古が行われた。
間もなく台本も上がる予定…。7月の公演へ着々と進んでいる。の、前に5月にはP・I・C-3『見果てぬ夢』・・・稽古はいよいよ4月3日より。
さて。
80年代後半ロシアの演劇界に衝撃を与え、世界に打って出た「ユーゴザパト劇場」が、3月いっぱいで劇場を閉じる天王洲のアートスフィアで公演を行っている(26日まで)。90年の初来日以来、単独公演はもちろん、東演との合同公演※など日本での活躍もめざましい彼らである。ここアートスフィアでの公演も今回が3度目だ。
今回のレパートリー(彼らは数本の作品を日替わりで上演するのが当たり前)は『マクベス』と『巨匠とマルガリータ』の二本。前者を21日、後者を22日に観劇してまいりました。
『巨匠~』は怪優アヴィーロフの追悼公演も兼ねていて、彼の演じた「悪魔ヴォランド」を、ユーゴザパトを率いるベリャコーヴィッチ自らが演じている。ヴォランドが劇場を占拠し、黒魔術で観衆をパニックに陥れるシーン、マルガリータ(文学界から去った「巨匠」を慕う本作のヒロイン)を呼び寄せ、悪魔の大舞踏会を開催するシーンは、ともにベリャコーヴィッチらしいスペクタクルに充ち満ちた舞台! 圧巻だ!!
『マクベス』はさらに完成度が高く、青と赤の照明の中、モノトーンの衣裳(一分銀の鎧を着た者もいるが)・・・回転する4枚の扉という簡素な美術なのだが、舞台に広がる“宇宙”は、シェイクスピアの普遍性を力強く客席に訴える! いやシェイクスピアというテキストを使って“今”を捕らえた「ベリャコービッチの作品」と呼んでも過言ではない!
確かにシェイクスピアといえば「台詞」…つか、言葉遊びが味噌で、様々な言語に翻訳されては、星の数の公演が行われていますが、なかなか上手くはいかないわけで…。勿論、その再現に力を注ぐことを否定はしないけれど、むしろユーゴザパトのような方法論の方が、結果としては「シェイクスピア先生」のやりたかったこと=観客(含パトロン)を楽しませること、に近いのじゃあないのか・・・と、思います。
(アラ、なんか生意気を言ってるな)
『マクベス』では3人の魔女を、上半身裸の男優が、仮面を後頭部に被って演じます。中でも、僕とも親交の厚いアレクサンドル・ザドーヒンの、背中の鍛え方が素晴らしく、あの動きだけでS席7000円は惜しくない勢いだ!
その他、ユーゴザパト一番のお調子者で、顔が日本人ぽいことから東演の面々からは「山本さん」と慕われているミハイル・ドーキンのドナルベーン(マクベスに暗殺されるスコットランド王の次男)や、東演+ユーゴザパトの『三文オペラ』で主人公のメッキーを演じたナウモフのマクダフ(後半マクベスに反旗を翻した結果、妻子を殺される貴族)も良かったし・・・やはり、ユーゴザパトの大看板女優=イリーナ・ボチョリシヴィリ演じるマクベス夫人は大迫力!! 艶もありまっせ
早いもので、かくいうユーゴザパト劇場も来年は30周年だ
地元の悪ガキ・ベリャコーヴィッチが、タクシー運転手やカメラマンやを集めた「アマチュア劇団」から始まり、今やロシアの一流芸術大学を卒業しても入れない「名門」へと変貌した。ロシア人民芸術家になったベリャさん(ほかにアファナシェフ=今回マクベスも)だが、エレガントさを増しつつ、まだまだ突拍子もないアイデアは健在だ!
今回は2作とも新作ではなかったが……。これからさらにスゲエものを創ってくれるに違いない!!
※東演とユーゴザパト劇場
『ロミオとジュリエット』から始まった競演は、『どん底』『三文オペラ』と日本人は日本語で、ロシア人はロシア語で演じる新機軸の演劇として高い評価を得ている。ほかに出演は東演のみ、ベリャコーヴィッチ演出の『モリエール』もある。
間もなく台本も上がる予定…。7月の公演へ着々と進んでいる。の、前に5月にはP・I・C-3『見果てぬ夢』・・・稽古はいよいよ4月3日より。
さて。
80年代後半ロシアの演劇界に衝撃を与え、世界に打って出た「ユーゴザパト劇場」が、3月いっぱいで劇場を閉じる天王洲のアートスフィアで公演を行っている(26日まで)。90年の初来日以来、単独公演はもちろん、東演との合同公演※など日本での活躍もめざましい彼らである。ここアートスフィアでの公演も今回が3度目だ。
今回のレパートリー(彼らは数本の作品を日替わりで上演するのが当たり前)は『マクベス』と『巨匠とマルガリータ』の二本。前者を21日、後者を22日に観劇してまいりました。
『巨匠~』は怪優アヴィーロフの追悼公演も兼ねていて、彼の演じた「悪魔ヴォランド」を、ユーゴザパトを率いるベリャコーヴィッチ自らが演じている。ヴォランドが劇場を占拠し、黒魔術で観衆をパニックに陥れるシーン、マルガリータ(文学界から去った「巨匠」を慕う本作のヒロイン)を呼び寄せ、悪魔の大舞踏会を開催するシーンは、ともにベリャコーヴィッチらしいスペクタクルに充ち満ちた舞台! 圧巻だ!!
『マクベス』はさらに完成度が高く、青と赤の照明の中、モノトーンの衣裳(一分銀の鎧を着た者もいるが)・・・回転する4枚の扉という簡素な美術なのだが、舞台に広がる“宇宙”は、シェイクスピアの普遍性を力強く客席に訴える! いやシェイクスピアというテキストを使って“今”を捕らえた「ベリャコービッチの作品」と呼んでも過言ではない!
確かにシェイクスピアといえば「台詞」…つか、言葉遊びが味噌で、様々な言語に翻訳されては、星の数の公演が行われていますが、なかなか上手くはいかないわけで…。勿論、その再現に力を注ぐことを否定はしないけれど、むしろユーゴザパトのような方法論の方が、結果としては「シェイクスピア先生」のやりたかったこと=観客(含パトロン)を楽しませること、に近いのじゃあないのか・・・と、思います。
(アラ、なんか生意気を言ってるな)
『マクベス』では3人の魔女を、上半身裸の男優が、仮面を後頭部に被って演じます。中でも、僕とも親交の厚いアレクサンドル・ザドーヒンの、背中の鍛え方が素晴らしく、あの動きだけでS席7000円は惜しくない勢いだ!
その他、ユーゴザパト一番のお調子者で、顔が日本人ぽいことから東演の面々からは「山本さん」と慕われているミハイル・ドーキンのドナルベーン(マクベスに暗殺されるスコットランド王の次男)や、東演+ユーゴザパトの『三文オペラ』で主人公のメッキーを演じたナウモフのマクダフ(後半マクベスに反旗を翻した結果、妻子を殺される貴族)も良かったし・・・やはり、ユーゴザパトの大看板女優=イリーナ・ボチョリシヴィリ演じるマクベス夫人は大迫力!! 艶もありまっせ
早いもので、かくいうユーゴザパト劇場も来年は30周年だ
地元の悪ガキ・ベリャコーヴィッチが、タクシー運転手やカメラマンやを集めた「アマチュア劇団」から始まり、今やロシアの一流芸術大学を卒業しても入れない「名門」へと変貌した。ロシア人民芸術家になったベリャさん(ほかにアファナシェフ=今回マクベスも)だが、エレガントさを増しつつ、まだまだ突拍子もないアイデアは健在だ!
今回は2作とも新作ではなかったが……。これからさらにスゲエものを創ってくれるに違いない!!
※東演とユーゴザパト劇場
『ロミオとジュリエット』から始まった競演は、『どん底』『三文オペラ』と日本人は日本語で、ロシア人はロシア語で演じる新機軸の演劇として高い評価を得ている。ほかに出演は東演のみ、ベリャコーヴィッチ演出の『モリエール』もある。