麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

行かせてッ!~沢井一太郎の憂鬱

2006年03月27日 | 鑑賞

予告通り、小池友理香客演の話。

 新宿は西口の郵便局の隣、紳士服店Aの地下にあるスペース107は瀟洒な造りの、キャパ180席の見るには良い空間だ!
 思えば『行かせてッ!』の初演の権利を東演が勝ち得、作者の畠氏に会いに来たのがこのスペース107だった。彼女は“プロデュースカンパニーRe-Born”を率いて『お月様へようこそ』の公演中だった。結果的に、この公演以来リボンは活動を休止。久しぶりのパフォーマンスは、ファイナル公演ともなった!

 以前にも書いたが『行かせてッ!』は、東演での僕の記念すべき“初制作作品”だが、それ以上に畠氏にとっては、文化庁の「舞台芸術創作奨励賞」佳作を初めて受賞し、多くの劇団のオファーを得て劇作家として一本立ちしていく端緒となった作品である。
(03年度佳作受賞(3度目)『それどころでない人』は、05年朋友によって上演など)

 そーゆー思い入れ深い作品だけに、キャスト・スタッフとも幅広いフィールドから適材適所召集された・・・単純にチラシのキャストから所属を抜き出しても・・・大沢事務所、プロダクション・タンク、朋友、東演、ゲキ塾、ぐる~ぷSTING、円・・・と新劇から小劇場、映像系事務所と多種多様だ

 そんな中、小池は、98年東演版と同じ、主人公・一太郎の妹まどかを演じた。
 ライターとして自由気儘に生きる兄に代わり、家業の沢井商事の社長を務め、その中で番頭格の男と恋に落ちる
 昨夜で終演しているので書いてしまうが、まどかの慕った男は彼女を裏切り、会社の金を持って高飛びを試みる
                            
 その男の携帯に向かい啖呵をきって最後に「プライド!」と決め台詞・・・これが前回も泣かせたけれど、今回はさらに深い意味を持って客席に迫ったのだ!!
 実は小池にとっても本作初演はターニングポイントとなった舞台といえる。女優が、娘役から大人の女へ移行する難しい時期に、この『行かせてッ!』と出逢い、00年『花になりて散らばや』での大役(ヒロイン樋口一葉と火花を散らす青木しづ役)を経て、03年『www.com』で主役のキャリアウーマン・艾揚(アイヤン)へとつながる、その大いなるきっかけの舞台となった作品のひとつだ。
 この時間が「プライド」には込められていた。

 ん? まどかも男に去られるが、艾揚も離婚しちゃうんだったな。。。いや、深い意味はないのですが

「捨てた女からの携帯に出る?」と観劇されてない方は思うでしょう。実は、沢井家の父・倫太郎が幽霊として出てくることから様々な事件が起きる作品で・・・なので、まどかからの電話を男は切っても切っても切れないのです。

 芝居の本線の、父倫太郎と妻歌子、一太郎と現旧二人の彼女など……語るべきところは沢山あるのですが、ま、東演のHPだしね。割愛します。
 
 個性豊かなカンパニーで皆ステキでしたが、少年真(マコト)を演じた国分真紀さんが爽やかな風を常に舞台に吹かせ、特に好印象だったことを添えて

波に乗る小池友理香
     5/19→21 しずくまち♭『ゆびさきのさき』
     沼田絵本美術館(世田谷)に早くも客演☆決定!
     (作・演出/ナカヤマカズコ)
                         

コメント
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