麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

クーカンハアク

2018年12月07日 | 身辺雑記
空間把握。

演劇ワークショップの定番で、
自己紹介のあと「では、まず
軽く体を動かしてみましょう」
と、初めに行うのが〈空間把握〉。
ただ普通に歩くことから始まり、
難度をあげていくのだが……。

「え、何これ? 意味なくね?」
と思う人も多いかもしれない。
実は私も(制作なので参加はせず
外から見守るのだが、一等最初の
ウン十年前に…)そう思った口。



朝のラッシュアワー。
地下鉄のホームに降りる階段。
その最上段(つまり改札と同位置の、
階段の始まり)の真ん中に立ち止まり、
正面に掲示された大きな路線図と
スマホを交互に見る若者がいた。

きっと初めて丸ノ内線に乗り、
初めて行く駅へのルートが不安で
悪気なく仁王立ち、とは解した。

しかし、危険この上ない

繰り返すが朝のラッシュ。
常連さんばかりだから、凄い速さで
いつもの便のいつもの車両に一目散。
そして今時は常連さんもスマホ歩き、
の可能性が大なのである。

混み合う人波に抗う若者に
まるで気づかずにぶつかり、
ぶつかられた若者はタタラを踏み、
そこから将棋倒しになることは
決して想像にかたくない。



嗚呼、空間把握は大事だな、と
その時に思ったのである。
思いつつ、彼を避けて降りたが、
優しく注意してあげたら良かったと
思った時には、もう、遅かった。

奔流に逆らい、立ち止まったり、
振り返ろうものなら、瞬間
ドミノ倒しの起点になるのは、
このおっさんになる。

注意といえば。
いや、注意ではないかな?
とにかく以下のようなことがあった。



演劇の宣伝活動の定番のひとつ
「折込」というものがある。

他の公演での配布物に、自公演の
チラシを折り込ませてもらう手段。

そう、基本その作業は自分で行う。
それをビジネスにした賢者もいる。
或いはまた、昔ながらの互助システム。
甲の芝居に乙の分を甲が入れる。
かわりに乙の本番には乙が甲を…。
いわゆる「バーター」だ。

俳優座にメールで、折込の依頼。
よくある話である。ところが、
「お送りしてよろしいでしょうか?
折り込んで頂ければ、弊公演では
貴団のチラシを請け負います」と。

別段、おかしな点はないと、
一般の方は思うかもしれない。
しかし、演劇制作者としては
「ちょ、ちょ、ちょい待て」と
思わずにはおれなかった。

公演前のめっちゃ忙しい中、
出来るだけ砕けた文章で返信をした。
これが幾分、長めであった
取りようによっては嫌味だし、
「面倒くさい大人がいんな、無視無視」
と、流される可能性大だと、
分かった上でエンターキーを叩いた。

そしたら。
素直に折込に来るとメールが来た。
大変嬉しかった。



劇団俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』は
いよいよ明日開幕です

これもまたワクワクするのです。


折込の件、後篇は別途。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする