母はアイロンをこまめに掛ける人
ではなかった。不精ではなく、
父がブルーカラーで白いワイシャツを
シュッとする必要がなかったから、
と勝手に思っている。
学校に着ていくワイシャツには
ちゃんとアイロンしてくれていた。
あとハンカチも。
と書きながら思い出した
当時の住処の斜め向かい〜
と書けば激近に感じるけれど、
実際は道路の向かいに広い空き地、
小さな畑があって歩けば80歩ほど。
ただ遮るものはないから、
ある意味お隣さんともいえた
〜にクリーニング屋さんがあり、
家族ぐるみの付き合いだった。
なので、例えば冬物を春先に出せば、
我が家のクローゼットよろしく
次のシーズンまで預けたまま。
それが春夏秋冬だ。
アイロンから多くの人が連想するのは、
あの、発明王エジソンが開発した
「電気式アイロン」なわけだが、
熱源の異なるアイロンの歴史は古く、
平安時代に「火熨斗」があった。
銅製で片手鍋のようなものに
炭を入れてシワを伸ばした。
読み方は「ひのし」。日本の場合。
当たり前だが、似たものが
世界のあちこちにあって、
生活に潤いを与えていたわけだ。
検索していたら……
1882年に米ニューヨーク州の
ヘンリー・W・シーリーがはじめて
電気アイロンを発明
という記事もヒットした。
遅れること1915年に、
日本では芝浦製作所(現東芝)が
国産第一号を発売と。
はてさて