麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

シャイロック

2011年09月17日 | 鑑賞
シェイクスピアの『ヴェニスの商人』を
ハンガリー系ユダヤ人である
アーノルド・ウェスカーが、
「私の知っているユダヤ人は
シャイロックのようなユダヤ人
ではありません」という立ち位置で
執筆した戯曲『シャイロック』。

でも『調理場』や『根っこ』で
知られる英国の劇作家ウェスカーを
知らなくても、
『ヴェニスの商人』って題名は
知ってるけど観たことなくても、
十分面白い舞台です。

***

東京演劇アンサンブル
『シャイロック』
作/アーノルド・ウェスカー
翻訳/竹中昌宏、演出/入江洋祐
9.9~19、ブレヒトの芝居小屋

昨日16日観劇。

***

東京演劇アンサンブルという劇団は
とても個性の強い集団だ。
いわゆる「新劇」と呼ばれる劇団で
創立牽引者がつい最近(2006年)まで
創造の中心にいた稀有な存在。
そしてその「ヒロワタリイズム」は
大いに健在だ。

他の新劇が核を喪ったあと、
その継承や方向転換にもがく中、
アンサンブルのゆるぎない活動は
拠点・ブレヒトの芝居小屋で
力強く展開し、その勢力に衰えなし。

ただ彼らの作群品は、
万人に受け入れられる
口当たりの良い芝居ではない。

だから。この『シャイロック』必見です!
と勧めることはできない。
そのかわり。東京演劇アンサンブルを
観続けることを、お願いしたい。
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