麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

深化~上演を重ねることの意義

2012年02月28日 | 鑑賞
劇団東演第138回公演『どん底』
(作/ゴーリキー、翻訳/佐藤史郎
演出・美術/べリャコーヴィッチ
於/本多劇場、2.25~28)

思えばこの舞台は2009年11月、
今回と同じ劇場、キャストスタッフも
ほぼ同じ顔ぶれで公演している。
その後、九州全県(正確にいえば、
下関を含む8県17都市)を約二ヶ月
かけて上演しているが、
その経験が大きな力になったようだ。

          

サッカーの日本代表で、
海外組と国内組の融合に時間を費やした
ことを我々サポーターは何度か経験した。
あるいは新監督と日本のサッカーが
分かり合う時間が必要なことも
同じように学んでいる。

        

今回のように主要キャスト
(ルカ、サーチン、ワシリーサ等々)
を客演が担い、劇団員がアンサンブル
(とはいえ、ペーペル、役者、男爵や
ナターシャ等は座内)を演じる『どん底』は
当初、そのマッチングに
違和感があったのは事実だ。
それが公演を重ねる中で、息があってきて、
さらにはポジショニングにも変化が起きた。

常勝チームが、円熟する一方高齢化の課題と
直面するのは、少し古い話になるが、
ジュビロ磐田や、さらに昔の西武ライオンズの
例が顕著なように世代交代は難しい。

東演は創立55年の歴史を刻み、
70歳を越える役者も板に立っている。
ベテランの味を残しつつ、
動きで足らないところは若手中堅が
フォローする「約束」がきっちり出来ていて、
三時間が全く長く感じなかった。
東京は今日が千秋楽。

本多での公演のあとには、
中部北陸の5県20都市を巡り、
さらに首都圏(東京、千葉、埼玉)に戻って
栃木、長野を含む二ヶ月の旅が待っている。
ますます上演を重ねて、芝居が深化するだろう。

(もう少し書きたいので続く)
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