図書館から借りていた 平岩弓枝著 「幽霊殺し」 (文藝春秋)を 読み終えた。
「御宿かわせみシリーズ」の第5弾目の作品である。
平岩弓枝著 御宿かわせみ5 「幽霊殺し」
本書には 表題の「幽霊殺し」をはじめ 「恋ふたたび」「奥女中の死」「川のほとり」「源三郎の恋」「秋色佃島」「三つ橋渡った」の連作短編7編が収録されている。
「恋ふたたび」
老舗薬種問屋日本橋伊兵衛には 後妻おとせとおとせの連れ子正吉、跡取りの長松がいた。長松が毒殺される事件が起きる。果たして 下手人は?
同心畝源三郎に親友の神林東吾が協力、岡っ引きの藤助、かわせみの老番頭嘉助等が活躍する。
「奥女中の死」
お高祖頭巾を被った女客が「かわせみ」に宿泊した。水戸家の奥女中だったお勝は 女の誇り、気位の高さが裏目に出て 一人芝居の末・・・。
「かわせみ」の女将るいは やきもちを焼き 神林東吾にたしなめられる。
「川のほとり」
「恋ふたたび」で登場した 日本橋中村屋伊兵衛の後妻おとせは 伊兵衛と離縁し 神林東吾の才覚で 実子正吉と共に 麻布狸穴(まみあな)の道場方月館に身を寄せている。飯倉二丁目の紙問屋万屋小兵衛の息子藤太郎が 婚礼の日に殺害された?・・・が、実は 彼が罪悪感から逃れられずに・・・の事件だった。
「幽霊殺し」
幽霊に化けた女が殺された?・・・、八丁堀同心畝源三郎と神林東吾が乗り出し 大捕物、
「源三郎の恋」
八丁堀同心畝源三郎は親の代から奉公していた下婢よねを見舞うが美しい女尼紫香尼に出会う。読者は 同心と女尼と恋を期待しまうが・・・。
「秋色佃島」
「かわせみ」の女将るいの亡父は同心だったが 死期が迫った元三春屋手代の伊之助は 毒饅頭で手掛かりをつけ、逆恨みでるいを誘拐する。
るいは あわや 死を覚悟するが・・・、
「三つ橋渡る」
赤ん坊を利用した押し込み強盗事件が続く。「かわせみ」が八丁堀ゆかりの宿と知らず押し込んできた5人の盗人、同心畝源三郎、神林東吾が待ち構えて捕縛。
仲間から逃げ出した娘の遠い記憶、「三つ橋渡る」、「江戸で三つ橋の有るところってどこでしょう」