小倉百人一首で「秋」を詠んだ歌 その8
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ
出典 新古今集(巻四)
歌番号
79
作者
左京大夫顕輔(藤原顕輔)
歌意
秋風が吹いて たなびいている雲の切れ目から
もれ出てくる月の光は なんとなく明るく
澄み切っていることよ
注釈
たなびく・・横に長く引いている意、
絶え間より・・切れ目から、
月の影・・月の光のこと、
さやけさ・・明るく澄み切っていること、
秋の夜の深い情趣が詠みこまれている。
さきょうのだいぶあきすけ (ふじわらのあきすけ)
左京大夫顕輔(藤原顕輔)は
六条家の始祖修理大夫顕季の子、
格調高い歌が多い。
左京大夫・正三位に進んでから
崇徳院の院宣のより「詞花集」を撰した。
2017年12月31日の記事 ⇨ 「正月と百人一首」
今年2020年の「中秋の名月」は 10月1日(木)
「月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」
澄み切った秋の夜空のお月さん、
まるで 風流等に縁遠い爺さんでも
仰ぎ見たくもなってくる。