たけじいの気まぐれブログ

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きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

2020年09月24日 18時24分04秒 | 懐かしい小倉百人一首

小倉百人一首で「秋」を詠んだ歌 その7

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき ひとりかも寝む

出典 新古今集(巻五)

歌番号
91

作者
後京極摂政前太政大臣

歌意
こおろぎが寂しく鳴いている、
この霜の降りた夜の、寒々としたむしろに
 (私は着物を着たままで)着物の片袖を敷いて 
ひとり寂しく寝るのであろうか。

注釈
「きりぎりす」・・今の「こおろぎ」のこと。
「さむしろに」・・藁(わら)等で編んだ粗末な敷物・筵(むしろ)、
「さ」は語調を整える接頭語、「寒し」と掛けた掛詞。
「衣かたしき」・・着物を着たまま、着物の片袖を敷いて、
「かも寝む」・・寝ることであろうか。
「か」は疑問の係助詞、「も」は感動、強意の係助詞、
「む」は推量の助動詞

後京極摂政前太政大臣
(ごきょうごくせっしょうさきのだじょうだいじん)
関白九条兼実(くじょうかねざね)の子、
藤原(九条)良経(ふじわらよしつね)
後鳥羽院の信任厚く 和歌所の寄人となった。
摂政太政大臣になったが 38歳で急死した。


2017年12月31日の記事 ⇨ 「正月と百人一首」