昨年 書棚に詰め込まれていた古い書籍、辞書等を 大胆に整理処分したことが有ったが、その際に 多分 長男か次男かが学生時代に使っていたものに違いない 文英堂の「小倉百人一首」(解説本・参考書)が 目に止まった。パラパラと ページを捲ってみたところ、なかなか 詳しく、分かりやすく、子供の頃、正月になると、必ず家族でやっていた「百人一首かるた取り」を思い出して懐かしくなり、「今更 向学心?」なーんてものではなく ブログネタに?、頭の体操に?等と思い込んで 処分せず、以後座右の書にしてしまっている。
「小倉百人一首」は 奈良時代から鎌倉時代初期までの百人の歌人の歌を 藤原定家の美意識により選び抜かれた秀歌であるが 時代が変わっても 日本人の心情が呼び起こされるような気がする。
季節は 秋。
「小倉百人一首」で、季節を詠んだ歌の中では 「秋」を詠んだ歌が 最も多いという。今も昔も 秋は 日本人の心情を映す季節なのかも知れない。
「秋」を詠んだ歌、昨年の秋にも 一部取り上げていたが その続きをすることにした。
小倉百人一首で「秋」を詠んだ歌 その6
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
出典 後撰集(巻六)
歌番号
1
作者
天智天皇
歌意
秋の田のほとりにある仮小屋の屋根を葺いている苫の編み方が粗いので
私の袖は夜露に濡れるばかりである。
注釈
「かりほの庵」・・秋の実りの田を荒らす鳥獣を防ぐための、
粗末な番小屋。
「かりほ」は 仮りの庵「仮庵」と
刈り取った稲の穂「刈り穂」に重ねる掛詞。
「苫をあらみ」・・「苫」は 草(すげ、ちがや等)を
編んで菰のようなものにし
屋根を葺いたりした粗末なもの。
「衣手」・・袖のこと。
天智天皇(てんじてんのう)
第38代天皇、
中大兄皇子として 藤原鎌足等と協力して蘇我氏を倒し、
大化の改新を行った。
2017年12月31日の記事 ⇨ 「正月と百人一首」
私も小学生の頃に、先生の家で百人一首で遊んだことがあります。
でも、小学生には坊主めくりの方が楽しめました。
未だに誰の歌かは、新古今和歌集以外はほとんど知りません。
所で、その頃父は入れ歯で、空気音が漏れ、空気を吸う時に、「S」音が聞こえ、姉が読む前にしのぶれどを取ってしまい抗議しましたが、負けました。読む前に取ってはいけないと言うルールを知りませんでしたが。
今では、私も入れ歯となって、他者には聴きづらいんだろうなと思いつつ、おります。
秋の歌では、秋風にを推奨します。訳する必要も無く、イメージがそのまま入ってきますよね。
ちょっと父との思い出を貴ブログの去年のを見て思い出したので、コメントをお許し下さい。
拙句
ふきみだる草のねごとに虫のこゑ
コメントいただき有難うございます。
秋の句
「ふきみだる草のねごとに虫の声」
深い詠み心、感じ入っています。
コメントいただき有難うございます。