古い写真から蘇る思い出の山旅・その33
「槍ヶ岳」
(5)北穂高小屋から、涸沢、パノラマコースで、上高地に帰還
今から29年も前、1994年8月に、妻と次男と三人で、
「上高地」から、「槍ヶ岳」「北穂高岳」を、歩いたことがあった。
当時はまだ、
バカチョンカメラ(小型フィルムカメラ、ポケットカメラ)しか持っていなかった頃で、
プリントしてアルバムに貼ってある古い写真もほんのわずか、
しかも、高山植物等を撮ろうという気等全く無かった頃で、
拙劣なスナップ写真(記念写真)ばかり、
それらを、スキャナーで取り込んだものだ。
4日目の予定は、北穂高小屋から涸沢に下り、涸沢からは、パノラマコースを辿り、上高地に帰還するという長丁場のため、やはり、出来る限り早出をすることにしていて、
4時30分頃には、北穂高小屋を出発したようだ。
先ずは、北穂高小屋の直ぐ南の北穂高岳山頂(標高3,106m)でご来光を待機、
強風と寒さで、雨具装着しても、震え上がっていたような気がする。
ご来光
長居は無用、
4時45分頃、南陵を下山開始したようだ。
富士山の頂が。うっすらと・・・、
南稜テント場
前穂高岳、吊り尾根
奥穂高岳方面
急峻な南陵登山道を、順調に下山し、途中、小休憩・・、
展望を楽しむ。
眼下に、カラフルな涸沢のテント場が・・、
7時30分頃、涸沢小屋に到着、
しばし、テラスで、涸沢風景を堪能し、涸沢ヒュッテへ、
北穂高岳から下山してきたコースを振り返り仰ぎ見る、
涸沢ヒュッテ、テラスで大休憩、
コーヒータイム、至福のひととき
9時15分頃、涸沢ヒュッテを出発し、
予定通り、初めてのコース、パノラマコースを辿ることにした。
振り返り見る、槍の穂先、大キレット等、
前日歩いた稜線、一望、
パノラマコース、コルを越えてからの、長い下りには、随所にお花畑が有り・・・・、
この時になって、初めて、高山植物を撮ったようで・・・・。
そして、そのことが、
後日、きれいに高山植物が撮れるカメラが欲しいという思いを
強くしたきっかけになったのだった。
バカチョンカメラで撮った高山植物
予め、高度差等、厳しいコースと承知していたが、
想定以上の、長い樹林帯の下りに、疲労困憊、
右手 前穂北尾根、奥又白方面
やっとのことで、新村橋を渡り、14時頃、徳沢に到着、
「もう、安心・・」
なんとか、無事、生還?した感に浸り、大休憩したような気がする。
「まだまだ、終わってはいない・・」
気合を入れ直し、徳沢を出発、明神を、15時30分頃通過し、
16時30分頃、ヘトヘトに疲れ果てて、上高地バスターミナルに到着。
タイミング良く、バスに乗り込み、車を置いて有る沢渡駐車場に移動、
国道158号線、松本IC,中央高速道を、
途中、何度も休憩しながら、慎重運転で・・・、、
帰着したのは、深夜22時頃だったようだ。
あの頃はまだ、「また来ーる時にも、笑っておくれー♪」的な気持ちだったと思うが、
槍ヶ岳も、北穂高岳も、今となっては、もう二度と訪れること叶わない、
遠い思い出の山となっているのである。
そして、その思い出は、形の無い宝物のひとつになっているのかも知れない。
(おわり)
山の大先輩からコメントいただき、有難うございます。
私共は、中高年の山歩き族で、初級者だったにも拘わらず、高校の登山部所属だった次男のサポートで、槍、奥穂を歩いたんですが、今になって見れば、あの時、思い切って行ってて、本当に良かったと思っています。山の思い出って、一生もん、ですね。