長男、次男がまだ保育園、小学生だった頃は、夫婦共働きで、時間的余裕も、精神的余裕も、経済的余裕も無い自営業を続けていた時代ではあったが、せめて子供達の思い出になれば・・・との思いが有って、春、秋の行楽シーズン等の休日には、忙中敢えて閑を作り、強引に?、家族で周辺の低山を、よく歩き回っていたものだった。その後、次男が小学生になった頃からは、「せめて毎年1回、夏休みには、家族で登山しよう」と決め込んで、尾瀬や八ヶ岳や白馬岳、乗鞍岳、木曽駒ケ岳、仙丈岳等、夏山登山をしていたが、それまで、登山の経験等ほとんど無く、体力にも自信が無く、山の知識情報にも疎かった人間が、よくもまあ思い切って出掛けたものだと、後年になってからつくづく思ったものだった。長男、次男が巣立ってからも、その延長線で、夫婦で細々、山歩きを続けてはいたが、10数年前に完全に仕事をやめてからは、時間が出来たものの、今度は気力体力が減退、あの山もこの山も、今や、遠い思い出の山となってしまっており、今となっては、あの頃、思い切って、登山を敢行していて、本当に良かったと思うようになっている。ブログを始めてからのこと、そんな山歩きの思い出を、備忘録、懐古録として、ブログ・カテゴリー「山歩記」に書き込み、古い写真は、「デジブック」にし、ブログに貼ったりしていたものだが、その後、「デジブック」が終了したことで、ブログから写真が消えてしまい、改めて、順次、古い写真を引っ張り出して、過去の記事をコピペ、リメイク(再編集)しようと思っているところだ。昔のことを懐かしがるのは、老人の最も老人たるところだと自嘲しながら・・・・。
古い写真から蘇る思い出の山旅・その65
「北八ヶ岳(北横岳・縞枯山・麦草峠)」(再)
かれこれ27年前の、1997年8月1日に、妻と二人で、北八ヶ岳の北横岳・縞枯山・麦草峠を訪れたことがあった。当時はまだ、自営業を続けていた頃で、切れ目無い仕事の合間を縫っての山歩き、毎度のこと、急に思い立って、自宅を真夜中に出発、日帰りの慌ただし山歩きではあった気がする。
記録メモには、
「夏の太平洋高気圧が張り出してきて、やっと夏型の天気になってきた。(中略)、下界は、30度以上の真夏日でも、2,000m以上の山は、やはり変わり易い天候、朝の内の晴天も、次第に崩れ、お目当ての雄大な眺望は味わず、後半は、雨が降り出し、ピッチを上げなければならなかった。(中略)、雄大な眺望こそ満喫出来なかったが 高山植物は最盛期、ゴゼンタチバナ、キンロバイ、テガタチドリ、ハクサンシャクナゲ、コバイケイソウ、ハクサンフウロ、シナノオトギリ、シシウド、カニコウモリ、ミヤマオダマキ等々、夏山ならではの、いろいろな花に出会えたことで、満足した。(中略)、初級者向きとされているルートだが、かなり、歩行時間長く、前夜の飲み会、寝不足がたたって、最後、へばってしまった。(後略)」
等と、書かれている。
バカチョンカメラ(ポケット型小型フィルムカメラ)しか持っていなかった頃のことで、証拠写真?的拙劣写真ばかりだが、プリントした写真がアルバムに貼って有り、ブログを始めた頃に一度、スキャナーで取り込んで、ブログに書き込んだことが有った。
その写真が、外付けHDに保管されており、改めて引っ張り出して、リメイクしてみることにした。。
記憶は次第に曖昧になってきているが、写真やメモを見ると、あの日、あの場所の記憶が炙り出てくるから不思議である。
昔のことを懐かしがるのは、老人の最も老人たるところだと自嘲しながらも、あの日あの頃を思い出しているところだ。
山行コース・歩程等
ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅→坪庭→三ツ岳への分岐→北横岳ヒュッテ→北横岳山頂→北横岳ヒュッテ→三ツ岳(1峰・2峰・3峰)→雨池山山頂→雨池峠→縞枯山山頂→茶臼山山頂→中小場→大石峠→麦草峠・麦草ヒュッテ→狭霧苑地→五辻→ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅
(標準歩行所要時間=約6時間40分)
(昭文社の「山と高原地図」から拝借)
自宅を真夜中に出発、「ピラタス横岳ロープウエイ山麓駅」の駐車場に到着したのは、早朝7時頃だったようだ。予定より早く到着出来たようで、ロープウエイ運行開始時刻8時までの間、ゆっくりと、コーヒーを入れ、パンで朝食を取ったようだ。
「ピラタス横岳ロープウエイ山麓駅」
100人乗りゴンドラの始発に乗り、
数分で、「ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅」(標高2,223m)に到着。
8時15分頃、「ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅」を出発したようだ。
「ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅」
「坪庭」を、北横岳に向かって登り・・・、
「坪庭」には、随所に高山植物が見られたが、
周回後に、時間が有ったら散策するつもりで、パス、
先を急ぐことに・・・、
ゴゼンタチバナ
カニコウモリ(蟹蝙蝠)
9時頃、「北横岳ヒュッテ」
9時25分頃、「北横岳山頂」(標高2,472.5m)に到着、
2~3組のハイカーグループが休憩中、
見る見るガスが吹き上がってきて、
お目当ての大展望は、叶わず・・・。
「北横岳山頂」から往路を引き返し、
坪庭への分岐を直進し、三ツ岳方面に進むと・・、
ゴツゴツした岩稜に、ハクサンシャクナゲが群生しており・・・、
タカネニガナ?
三ッ岳、3峰、2峰、1峰 を通過、
雨池山山頂(標高2,325m)からは、雨池峠にいったん下り、
雨池峠から、縞枯山に向かって登り返しになる。
12時30分頃、縞枯山山頂(標高2,403m)に到着、
およそ山頂らしくない樹林帯の中で、展望全く無し、
13時30分、茶臼山山頂(標高2384m)に到着し小休憩。
展望良し・・・、
だが、
雨雲が垂れ込めて・・・、
中小場(標高2,232m)、大石峠を通過し
14時30分頃、麦草峠に到着。
メルヘン街道に沿った遊歩道を進み、
14時50分頃、「狭霧苑地」に到着し、小休憩。
様々な高山植物が咲いていたが、当時はまだ、花には余り興味関心が無く、
「とりあえず写真を撮ってきた」の感有りだが・・・。
コバイケイソウ?
ハクサンフウロ? ミヤマオトギリ?
ハリブキ?
テガタチドリ?
マルバダケブキ? マルバノイチヤクソウ?
「狭霧苑地」から「ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅」に向かっては、
アップダウンの少ない、緩やかな登りの登山道だったが・・・、
15時30分頃、「五辻」を通過、
樹林帯に入ったところで、雨が降り出し、
とりあえずは、傘を差して、急げ!、急げ!、
ピッチを上げて・・・。
雨は、次第に激しくなり、
16時頃、「ピラタス横岳ロープウエイ山頂駅」に帰還した時は、土砂降りに。
戻ってから、「坪庭」を散策するつもりでいたが、中止し下山することにし、
16時30分頃には、「ピラタス横岳ロープウエイ山麓駅」に降り立ったが、
なんと、下は、晴天。
帰路、ビーナスライン、諏訪IC経由、中央自動車道は、順調だったが、
帰宅寸前に、車の前輪に異常音発生、
ロードサービスを受けたが、その待機所要時間が、1時間30分位、
結局、帰着は深夜になり、クタクタに疲れた山旅だった。
当時はまだ、「また来る時には、笑っておくれ・・・」的な気分だったと思うが、
足、腰、痛!、痛!の今となっては、「北八ヶ岳(北横岳・縞枯山・麦草峠)」もまた、遠い思い出の山になってしまっている。
あの日、思い立って訪ねていて、本当によかったとつくづく思っている。