古い写真から蘇る思い出の山旅・その33
「槍ヶ岳」
(4)大キレット、長谷川ピーク、飛騨泣き、北穂高小屋
今から29年も前、1994年8月に、妻と次男と三人で、
「上高地」から、「槍ヶ岳」、「北穂高岳」を 巡った山旅。
第3日目、槍岳山荘で迎えた朝も、快晴。
その日の予定コースは、大喰岳(標高3,101m)、中岳(標高3,084m)、南岳(標高3,032m)を経て、大キレット、長谷川ピーク、飛騨泣き等を越え、北穂高小屋まで辿るコースで、超難関コースとされており、不安感は半端無しだったが、高校の山岳部所属だった次男のアシストで、挑むことになったのだった。
自信が無い分、難渋することを覚悟し、出来る限り早出することになり、
午前5時頃に、槍岳山荘を出発したようだ。
飛騨乗越 → 大喰岳 → 中岳 →、
朝日に映える槍の穂先を振り返り見ながら、
行手方向には、穂高連峰、焼岳、乗鞍岳が、
右手には、堂々たる笠ヶ岳等々、
大展望を満喫しながら、快適な尾根歩き、順調に・・、
笠ヶ岳
ところが・・・、予期せぬ事態発生!、
出発して2時間後、頼りの次男が、急に腹痛を起こして、急ブレーキ、
中岳の南斜面で大休憩、ついでに、朝食タイムとしたが、
次男の体調は戻らず・・・、
予定を変更して、天狗原経由で下山しようか?、等と思案しながら、
多分、20分~30分、様子見したような気がする。
なんとか持ち直し、南岳へ向かい・・、
南岳から、南方、大キレット、北穂高、奥穂高方面を 望む。・・・、
行手には、険しい岩稜の連続、
大丈夫かいな?・・・、不安、緊張感が高まる。
8時頃、南岳小屋に到着、
早速、山小屋に立ち寄り、胃腸薬を入手して、服用した次男、
しばし休憩している内に、急速に体調が良くなり、
予定通り、北穂高小屋を目指すことになったのだった。
お世話になった「南岳小屋」
そして、いよいよ、大キレットへ、
急峻な岩稜を、慎重に、ゆっくりと下り・・・・、
写真等、撮ってる余裕無し・・、
9時10分頃、大キレットの底部に降り立ち、ホッと一息・・、
ここからが、正念場、
長谷川ピーク → 飛騨泣き→
どうする?、どうする?
難渋しながらも、一歩、一歩、慎重に、ゆっくりと通過。
切り立った岩稜にへばり付いて、振り返り見れば
槍も、大キレットも、はるか彼方になっており、
あの稜線を辿って来たのか・・・、
北穂高岳への最後の急峻な岩稜へ取り付いた時、
前方から、「ラーク!、ラーク!」の声が響き渡り、一瞬、肝を冷やしたりしたが・・、
ようやく、13時頃、無事、北穂高小屋に到着、
極度の緊張から解き放たれた瞬間だった。
安堵、達成感、満足感・・・
まずは、小屋の前のテラスで、遅い昼食をとり、
至福のコーヒータイ厶となった。
夏山シーズンの真最中とあって、北穂高小屋は、超満員。
身動きがとれない程のすしづめ状態で、とても熟睡出来るものでなかったが、
それも、思い出の一つ、語り草になっているのだ。
当時はまだ、
バカチョンカメラ(小型フィルムカメラ、ポケットカメラ)しか持っていなかった頃で、
プリントしてアルバムに貼ってある古い写真もほんのわずか、
しかも、高山植物等を撮ろうという気等全く無かった頃で、
スナップ写真(記念写真)ばかり、
それらを、スキャナーで取り込んだ、拙劣写真である。
(つづく)
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