図書館から借りていた、諸田玲子著、「美女いくさ」(中公文庫)を、読み終えた。
浅井長政とお市(織田信長の妹)の三女として生まれ、伯父織田信長の気性をうけつぎ「女弾正忠」と呼ばれたた小督(おごう)を主人公にした、長編時代小説である。
浅井家が、伯父織田信長に攻め滅ぼされ、長姉茶々、次女初、三女小督、3姉妹は、それぞれ、政略結婚の駒となっていくが、天下人豊臣秀吉の養女となり、命じられるままに三度の結婚をし、仲を裂かれた最初の夫への思慕、養父豊臣秀吉への怨み、長姉茶々(淀殿)との訣別等を胸にしながら、ついには、二代将軍徳川秀忠の御台所の江(ごう)、お江与の方として、「女子は嫁して子を生し、家を守るのがつとめ」、母お市の言葉を胸に、戦国の世を逞しく生き抜く姿を、女性の視点で、丁寧に描いた作品だと思う。
535ページに及ぶ大作、読書初級者の爺さんとて、約1ヶ月間も掛かり、やっと読み終えたが、視力的、体力的に、限界だった。これまで、理解し得なかった歴史の舞台裏を、諸田玲子風の解釈で知ることが出来、「へー!、そうだったの」・・・、目から鱗・・・、であるが。
▢目次
「女弾正忠」「幼妻」「安濃津」「四天王寺」「姉妹」「密会」「水と油」
「再婚」「波瀾」「無明」「変貌」「江戸城」「女心」「劫火」「美女いくさ」
▢主な登場人物
お督(おごう)(江、お江与の方)、ときわ(侍女)
佐治一成、豊臣秀勝、徳川秀忠、
お完、千姫、珠姫、勝姫、初姫、松姫(和姫、後水尾天皇女御)、
竹千代(徳川家光)、国松(徳川忠長)
茶々(淀殿)、初(常高院)、浅井喜八郎(小督の異腹兄)、
豊臣秀吉、拾(秀頼)、お禰(北政所)、秀次、石田三成、
織田信包(老犬斎)、織田長益(有楽)、孝蔵主、
細川ガラシャ、
徳川家康、お福、
カワウソ、タマムシ、