文春文庫 2008年、2011年
くっついて、別れて、またくっつくってだけのはなしを綿矢女史が
料理すると、こうも刺激に満ちて、飽きさせない小説に仕立て上げ
られるんだ、と感心する。
ストーリーは極めて単純だ、同棲して飽きが来て、うまくいかなくな
って、奈世は突然家を飛び出して、実家に帰る。三ヶ月経って、弦は
さみしくなって奈世を迎えに行く。
インストールや蹴りたい背中を書いていたときの輝きというかヒラメキ
みたいなものは影をひそめ、熟練した作家の手腕で描いて見せた感がある。
たしかに伝説を築いたころのキラメキはないが、ボクはたしかに綿矢女史の
存在感を感じることができた。
くっついて、別れて、またくっつくってだけのはなしを綿矢女史が
料理すると、こうも刺激に満ちて、飽きさせない小説に仕立て上げ
られるんだ、と感心する。
ストーリーは極めて単純だ、同棲して飽きが来て、うまくいかなくな
って、奈世は突然家を飛び出して、実家に帰る。三ヶ月経って、弦は
さみしくなって奈世を迎えに行く。
インストールや蹴りたい背中を書いていたときの輝きというかヒラメキ
みたいなものは影をひそめ、熟練した作家の手腕で描いて見せた感がある。
たしかに伝説を築いたころのキラメキはないが、ボクはたしかに綿矢女史の
存在感を感じることができた。