古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

しょうがの味は熱い    綿矢りさ

2018-08-15 03:12:10 | 綿矢りさ
文春文庫    2008年、2011年



くっついて、別れて、またくっつくってだけのはなしを綿矢女史が


料理すると、こうも刺激に満ちて、飽きさせない小説に仕立て上げ


られるんだ、と感心する。


ストーリーは極めて単純だ、同棲して飽きが来て、うまくいかなくな


って、奈世は突然家を飛び出して、実家に帰る。三ヶ月経って、弦は



さみしくなって奈世を迎えに行く。


インストールや蹴りたい背中を書いていたときの輝きというかヒラメキ


みたいなものは影をひそめ、熟練した作家の手腕で描いて見せた感がある。


たしかに伝説を築いたころのキラメキはないが、ボクはたしかに綿矢女史の


存在感を感じることができた。
コメント
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