古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

雨の唄

2018-08-24 00:49:49 | ポエム
寝苦しい暑い夜には、詩でも読んでやろう、という人に


詩をご紹介しましょう。


台風も気になりますが……ここで、ちょっと休憩。


鶴岡卓哉で、雨の唄、です。


\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \



見える、僕には見える


あなたは繊細なメロディーの唄を歌っている


月に向かって話しながら


時間など気にすることもなく草原へと



駆ける、あなたの元へと



あなたと見える景色が同じならいいのに



それだったら音と映像との間にあなたはいると



うん、あなたは僕と同じ色が好きだから


あの景色の中の馬が紫色に見えても……


雨が降る、僕とあなたの隙間に降る、とても大きな雨粒


僕は泣く、泣いてあなたを攫ってゆこう


あなたとあの街に行こう、赤い蛇に乗っていこう


とうとう僕はあなたの苦悩を知った


あなたの歌が悲しすぎるということも、見える、ということも


月はまた雲に隠れた


あなたはもう、どこにも姿を現さない
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