古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

詩・投身     鶴岡卓哉

2020-05-03 22:37:06 | ポエム
この投身を持って、不完全な生活はしばしの間

封印しようとおもう。この不完全~の運が良け

れば、どこかで読まれることもあるかもしれな

いが、僕は、どうしても読んでいただきたいと

も思わない。

僕はもともと書いてはいるけれど、発表意図は

あまりなく、その作品の完成をもってして完結し

ているのだ。

まあ、読んでいただけるなら、恥ずかしながら、

読んでいただこう。

・・・・・・・・・・・

その運命を甘受しようと僕は崖から身を投げようとする

その時に僕は甘美なる笛の音を聞く

それが誰の仕業であろうと僕を踏みとどまらせたのは確かだ

絶壁に切り立った断崖で僕は死を決意していたのだ

死を決意するということは全てを放棄することだ悟ったのだ

僕は放棄などできやしない、ただ僕にできるのは受け入れることだけだ

その笛は誰の仕業でもなかった

心の中から湧き上がる精神のざわめきだったのだ

僕は悔いる、その死を決意したという動機は

ただ君への未練だったのだ

その未練さえ今や僕の力だ

自分を変えるだけの力をもった僕は

ありあまる生への渇望へと変えたのは

自分自身だけなのだと分かったのだ


















































コメント
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