角川文庫 2010年
1980年代から始まったシーナさんの旅のアンソロジー的
ソーマ燈的な作品集である。
僕は外国はニューヨークに行ったっきりで、辺境というとこ
ろには行ったことがない。そもそもイヤである。日本がいい。
ニューヨークもホントに自分のことで精いっぱいの時期で
気を遣えなかったので、楽しめなかった。
それにしても辺境である。極寒である。極暑である。イヤで
ある。シーナさんはそんなところにずんがずんがと行ってし
まうんだから、えらいんである。
野豚に後をついて回られて、の野グソである。イヤである。
ジャングルに穴を掘って、からの野グソ、イヤだ、イヤだ。
日本がいい。やはり、どんなことになろーと日本という国を
離れられないようだ、と確信した。文庫版には竹田さんと
いうドレイの感涙の解説がついている。うーん、ドレイの
身分なのにスゴイ……合掌。
(鶴岡卓哉)