古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

明治四十二年夏   阿部昭

2023-12-27 03:58:22 | 小説の紹介
講談社文芸文庫  「群像」昭和四十六年一月号

この明治四十二年夏という短編は、「司令の

休暇」のすぐあとに書かれたものだという。

この古ぼけたいささか汚い本がうちに持ち込

まれ初版本であるが故に、やけが酷く、とても

読みづらかったが、この本の最大の読み物は

全部読んでみて、「司令の休暇」だろうな、と

思う。ぼくとしては、「幼年詩篇」が一番好き

だった。

この明治四十二年夏も父上に関して書かれていて、

死んだあと、友人の手紙の追悼の思い出によって

幕を開ける。漱石の詩碑を見に行ったことが印象

深く描かれているが、泣きはしなかった。まあ、

皿を舐めるように一冊を堪能したぼくだった。

(読了日 2023年 11・26(日)21:26)


コメント
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