角川文庫 昭和58年
第七三一部隊と称される満州に展開していた
細菌兵器を研究していた施設があって、そこで
行われていた悪行の数々を暴いている。
ぼくは広島に住んでいて、時に原爆のことで
被害者だ、という想いがあったが、これを
読んで、加害者としてのWWⅡを知って
しまった。御国の為という言葉ひとつで残虐
になれる日本人。それは決して、我々とは
別の日本人ではなく、地続きの日本人の姿
なのだ。
その施設は寒天の腐った臭いが立ち込め、
「丸太」と称される人間(ロシア人他)の
人体実験につかう人間がいて、一日に数体消費
されたという。
人間が出来る最悪な非業とはこのことだろう。そ
の罪からは幾年月が過ぎても逃れられない気が
確かにした。
(読了日 2024年 6・22(土)17:53)
(鶴岡 卓哉)
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