新潮文庫 昭和56年
久しぶりの推理小説だった。といっても、本作は
最初の方に殺人事件が起こるコロンボ方式なので、
推理と言うより、真実が暴かれていく様を楽しむ
と言った方がいいだろう。地方の九州での同人誌
に中居の恋人の信子からもらった作家小寺の原稿
をつかって書いたことから暴かれる真実。もうひ
とりバアの女も妊娠し、信子も妊娠し、邪魔にな
った信子を殺してしまう。複雑に絡み合った話で
読み応えは750グラムのTボーンステーキくら
いある。ほぼ一気読みの境地で、その清張氏の
ただの推理小説ではない、文学の地位を上げたい
といえる位の衝撃だった。いや、迫真に迫ってい
て、すごい圧を感じたいい作品だった。
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