古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

「うどん、キツネつきの」、「シキ零レイ零 ミドリ荘」  高山羽根子

2022-02-14 06:08:32 | 小説の紹介

創元SF文庫    2014年

 

「うどん、キツネつきの」

 

読んでみた二回ほど。でも、どう読んでもこの作品のおもしろさが

 

分からなかった。導入部分はなかなかおもしろいと思った。でも、

 

そのあとがよくない。この人の想像力の浅さというか、驚きがなか

 

った。どうみても凡ヨーであり、表現は稚拙だ。

 

帯には、「この人の想像力の強さは本物だ 大野万紀」とあるが、

 

誇大広告だ。

 

褒めてあげたいのは山々なのだが、あんまりにもイメージがね、

 

へー凡だよ。

 

タイトルがおもしろいな、と思って、SFってこともあり、SF好きな

 

ので手に取ったが、うどん、というのはキツネ憑きの犬のことなん

 

だよね、ダジャレ? って思うよね。なんだか興がそがれた。

 

古本だったが、売った人も読んでなかったね。

 

「シキ零レイ零 ミドリ荘」

 

「うどん、キツネつきの」で、ひどいことを書いてしまったのであれ

 

なんだが、すごくおもしろかった。「うどん~」より自由な発想で書

 

かれていて、ユニークだし、羽ばたいたって感じだ。

 

ちゃんとSFしているし、キャラが立っている。日常の中にSF的要素を

 

溶け込ませるっていうのがこの人の手法なのだな、と納得。

 

滑稽感というか、マンガっぽい感じが星新一氏を彷彿とさせる。ただ、

 

手法は全く違う。いや、この人は相当すごいぞ、と思ってしまった。

 

……合掌。

 


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