角川文庫 2007年
総勢36名の作家によるいろいろなシチュエーションの手紙。
短いので、ちょっと読むのにぴったり、薄いし。さすがプロ
と名の付く人たちは手紙を書かせても巧い。
苦情の手紙、頼みごとの手紙など大いに勉強になる。褒めたり、
下手にでたりしつつ。本丸を言うっていうのが定石のようだ。
「豚の報い」っていうばっちい小説で芥川賞を獲られた又吉栄喜
氏は、それ以降消えてしまった、と思っていたが、略歴を見ると
どうやら多数作品を発表されているようで、ぼくが知らないだけ
だった。
ぼくが一番記憶に残ったのは、歌野晶午氏の天国の兄に一筆啓上、
これはヒキョウとも言える小説仕立ての手紙で、3Pの中にミステ
リー的な物語が凝集していて、おもしろかった。……合掌。
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