古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

百鬼園随筆   内田百閒

2018-01-10 12:19:08 | 内田百閒
新潮社文庫。



官吏の教職の給料というのはそんなに薄給なのだろうか。


フツーに生活していて、そんなに借金ばかりするようなの


だろうか、と不思議である。同僚は借金をしているようで



はないし、増々不思議である。これが幻想的というヤツな



のだろうかとさえ思ってしまう。


結婚披露宴をつらつらと描いた作品や、生活の上でのうんち



くめいた会話を引き合いにだし、生活を描きだしてゆく。



最後の梟林記はまさしく百閒ワールドっていっていいと思う



作品だ。人殺しのあった隣家でのできごとと、幻想的な大



きな鳥がイメージとして入ってくる……芳醇な想像力を掻き



立てられ、恐怖さえ感じてしまった……。

                   (鶴岡卓哉)

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