ちくま文庫 2019年 「変半身(かわりみ)」所収
この物語は夫婦で潮を吹こうとする話とお見受けした。
「潮」といって思い浮かべるのは、先年亡くなった紅音ほたる女史
だろう。誰が何と言おうと「潮」の先駆者だった。彼女を超えて
潮を吹く人を見たことはなかった。その後、いろいろ技術的に
潮を吹く人はたくさん出てきたが、彼女の「潮」を見たときの
衝撃は超えられなかった。
それにしても、村田女史は男の体の仕組みを知っているのだろうか。
論理的に言って、男は射精じゃない、潮は吹けないだろう。
女性は潮を吹く時もあるが、そのあと、気持ちが悪くなったり、
あまり気分のいいものではないと聞く。
そりゃ、ぼくだって、「潮」を吹けるんなら、吹いてみたいという
気持ちはないではない。しかし、それは文学的な、「伝説」だろう。
(読了日 2022年8・21(日)19:28)
(鶴岡 卓哉)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます