映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

画家と庭師とカンパーニュ

2009年09月17日 | 映画(か行)
画家と庭師とカンパーニュ [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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故郷で取り戻す人間らしい気持ち

* * * * * * * *

舞台はフランスのカンパーニュ地方。
初老の画家が、都会の暮らしに疲れ、故郷のカンパーニュに戻ってきたのです。
庭師としてやってきたのは、かつての幼馴染。
小学校ではワルガキの二人でした。
一緒に遊んだ二人も、その後は全く別々の人生をたどります。

画家は成功し、豊かな都会暮らし。
しかし、妻とは離婚寸前。

庭師は、ずっと地元にいて鉄道で働きとおし、
今は以前からやりたかった庭師の仕事についている。

そんな二人ですが、たちまち以前のように打ち解けて、
豊かな自然と時間の中で様々なことを語り合います。


緑に包まれたこの背景がいいですね。
のんびりと田舎暮らし。
ささやかな家庭菜園。
ここで作った新鮮な野菜で、ラタトゥイユなど作るとよさそうですね。
そしておいしいワインがあればもう言うことなし!

こんな中で画家が次第に庭師に共感していくのです。
庭師の実直で、職人気質で、
生活の中で身に付けた一つの芯のようなものが光る。
妻を愛し友を気遣い・・・。
まさに、このやさしい土地に包まれて培われた人物。
ところがある日、庭師が腹痛を訴えて・・・・。

静かで、やわらかい光と緑に包まれた作品です。
このような癒しの空間に、私も身をおいてしばらく暮らしたい・・・。
ちょっと、疲れ気味間かな???


ダニエル・オートゥイユは、
「ぼくの大切なともだち」、「八日目」で、おなじみです。
・・・そういえば、どれも、日々の生活で疲れ、
ちょっと自分勝手になってしまっていた初老の男が、
ふと出会った人の影響を受けて変ってゆく。
そんなストーリーですね。
常の自分とは、あまり接点のない人。
そういう人との出会いの中で自分も変ってゆく。
だから人生って面白い!


2007年/フランス/105分
監督:ジャン・ベッケル
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン