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ほんの出来心が・・・
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コーエン兄弟作品なので、犯罪がらみ、
ブラックユーモアたっぷりのクライムサスペンスです。
題名のファーゴは、地名ですね。
ミネソタ州、ファーゴ。
雪に包まれた冬のこの町が,この物語の舞台です。
多額の借金を抱えた自動車ディーラーのジェリーは、
妻ジーンを偽装誘拐し、裕福な妻の父から身代金を騙し取ろうと計画します。
ところが、誘拐を請け負った二人の男が、
警官と二人の目撃者を撃ち殺してしまう。
この犯人のうちの1人が、スティーブ・ブシェミ。
非常にユニークな俳優ですよね。
作品中、彼を目撃した人が、みな彼をこんな風に言う。
「変な顔の人」、
「どこがって、とにかく全体的に変な顔」
なんだか、コーエン兄弟作品にはぴったりのはまり役です。
さて、これはまだ序の口で、
このほんの出来心から始まったことが、
雪だるま式にどんどん悪い方へ膨らんでいって、抜き差しならなくなってしまう。
そういえば、以前に見た「その土曜日、7時58分」という映画も、
そんな話でした。
でも、決定的に違うのは、
そちらはあくまでも重く暗くリアルに落ち込んでいくのですが、
この作品、コーエン兄弟ですから・・・。
オーバーアクションとか、ギャクタッチではないのですが、
なにやら、底の方にユーモアが漂っています。
そもそも、このジェリーは気が小さくて、とても悪人のタイプではありません。
しかし、つまらない見栄があって、
あくまでも表向きは困っていないフリを続ける。
こんなところが笑えるけれど、笑えない。
この捜査に当たる、女性警官がいい味なんですよ。
なんと妊娠中で大きなお腹。
これがおっとりしているようで、なかなか鋭い。
犯人たちが破れかぶれのように邪魔者を殺してしまうので、死者多数。
映画の冒頭に、「この作品は実話をモトに作られた」・・・と、
わざわざ但し書きがつくのですが、
これはいんちきで、やはりフィクションなのだそうです。
実際、何人もの男からお金をむしりとった挙句殺害してしまう・・・などという
小説のような事件が起きたりしますから。
実話をモトにしました、といわれても信じてしまいそうですが。
楽しめる一作です。
1996年/アメリカ/98分
監督:ジョエル・コーエン
制作:イーサン・コーエン
出演:ハーブ・プレスネル、ウィリアム・H・メイシー、スティーブ・ブシェミ、
ピーター・ストーメア、フランシス・マクドーマンド
Fargo ファーゴ