映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

探偵はBARにいる

2011年09月18日 | 映画(た行)
雪の街札幌を探偵が駆ける!



            * * * * * * * *

東直己原作、大泉洋主演、そして札幌が舞台ということで、
ムチャクチャご当地作品なので、この場合私の評価は大甘です。
皆様は、話半分でお読みください・・・(?!)


東直己氏の「ススキノ探偵」シリーズは、
私も全作は読んでいないのですが、いくつかは読んでいます。
やはりご当地、知っている地名ばかり出てくるので、
つい親近感を感じて読みふけってしまうのです。
この作品は、シリーズ第二作「バーにかかってきた電話」を映画化したもの。
実は登場する探偵(大泉洋)の名前が最後まで明かされません。
「探偵」である、「俺」が主人公。
彼は事務所もケータイ電話も持たず、
いつもおきまりのバー「KELLER OHATA」にいます。
探偵の依頼はそこのバーの電話にかかってくる。

ある日、「コンドウ キョウコ」と名乗る女性からかかってきた電話で
「ある男に会って、一つ質問をして、その反応を見てきて欲しい」
というおかしな依頼を受けます。
探偵は不審に思いながらも依頼を受けてしまい、
その男に会いに行きますが・・・。
その帰りに乱暴な男たちに拉致され、死にそうな目にあわされてしまいます。
つまりこれは、「警告」なのですが、
邪魔が入るとますます燃える。
われらの探偵はそういう性格なのであります!
事件を探るうちに、一人の美しい未亡人、沙織(小雪)と知り合うのですが、
どうも事件の裏に彼女が見え隠れ。
探偵は心密かに彼女に惹かれても行くのですが、
しかし果たして彼女は、実はとんでもない魔性の女なのか???



大泉洋のイメージそのままに、どこか三枚目の探偵もいいですし、
彼の助手(運転手?)高田役の松田龍平との
ボケとツッコミめいたやりとりも非常に楽しい。

雪の街札幌、
ハードボイルドあり、純愛あり、涙あり、笑いもある!!
みなさま、是非是非ご覧ください。

そうそう、高嶋政伸さんの悪役というのも珍しいのですが、
その悪役ぶりも見所のひとつです。
「人は死の直前に自分の人生を映画のように見る」という・・・。



あえて舞台を冬にしたのはやはり札幌らしさを出すためでしょうか。
ああ・・・また、こういう季節が近づいてきたなあ・・・と、
私はちょっぴり嘆息してしまいましたが。
札幌の冬。
街中はそれほど雪はないのですが、
ちょっと郊外に出れば、すっぽり雪に埋まってどこまでも真っ白。
本当に映画の光景そのままなんですよ。
でもまあ、その我が街を小雪さんや松田龍平さんが歩いたのかと思うと、
何だかうれしい。
是非この作品は、シリーズとしてまた映画化して欲しいものです。


ちなみに、松田龍平さんがいつもぽりぽり食べていたのは、
北菓楼の「北海道開拓おかき」で、これは私も大好きなんです。
ホタテ味、甘エビ味、松前いか味、えりも昆布味、北海シマエビ味、秋鮭味
とバリエーションがあって、一袋380円。
お茶うけによし、お酒のお供によし。
食べ始めたら止められない。
・・・と、またCMになってしまった。

「探偵はBARにいる」
2011年/日本/125分
原作:東直己
監督:橋本一
出演:大泉洋、松田龍平、小雪、西田敏行、マギー、田口トモロヲ、高嶋政伸