映画と本の『たんぽぽ館』

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ダブルフェイス 潜入捜査編

2013年03月21日 | 西島秀俊
潜入捜査の不安と重圧の中で



            * * * * * * * * *


えーと今回も映画ではなくて・・・
TBS・WOWOW共同制作のドラマです。
香港映画「インファナル・アフェア」を下敷きにした作品だね。
うーん、それは残念ながらみていないけど、前に「ディパーテッド」っていうのを見たよね。
そちらはハリウッド版リメイクでレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンだった。
そうそう。で、いよいよ日本版は、西島秀俊&香川照之です!


森屋純(西島秀俊)は警察の潜入捜査として、暴力団織田組の一員となっています。
もう何年もそうしていて組長(小日向文世)の最も信頼の厚い片腕となっている。
組織の動きを密かに警察に流しているわけだけれど、そのことがバレればもちろん命はない。
そういう重圧で押しつぶされそうになっているんだ。
その秘密を知っているのは警視正の小野寺(角野卓造)一人のみ。
一方警察の方に潜り込んでいるのは、若いころ織田に拾われた子飼いの高山亮介(香川照之)。
彼も警察内でどんどん功績を上げて、ある程度の地位を築いている。
しかし、双方情報が筒抜けなので、スパイが潜んでいることに気づき始めたんだね。
どちらも必死でその潜入者を探しだそうとするのだけれど・・・
本作は二部構成になっていまして、
こちら「潜入捜査編」は、主にヤクザに潜入している森屋の方に焦点を当てているんだね。


 
いやあ、それにしても西島秀俊さん、カッコイイ!! 
こういう陰りのある男。ピッタリだよねえ。
冒頭、雨宿りの軒先で二人が並ぶんだよね。(冒頭写真)
この時はもちろんお互いに全く見知らぬ同士。
このはじめのツーショットが、これから先の物語を暗示しているわけ。
そばには、子犬がダンボールに入れて捨てられている。
『犬』はつまり二人の立場『手先』を暗示しているということか。
森屋はヤクザの一員でありつつ、警官。
周りにウソをつき続けていることや、いつ正体がばれるかわからないという不安。重圧。
そういうストレスに晒されてはいるけれど、彼の芯のところは揺らいでは居ないよね。
朱に交わっても朱くはならないということか。
だけど、一日も早くこの任務に見切りをつけたいという思いはつのる。
森屋を「アニキ」と慕うチンピラ役の伊藤淳史がよかった・・・。
彼の所でふっと空気が和むよね。
バカだけどいい奴でさ・・・。お得な役だ。
しかし、本編のラストはなかなか衝撃的で、ショックでした。
森屋の足元が揺らぐ。
もしかしたら一生このままヤクザでいなければならないのだろうか・・・?
彼にとって大事な人の相次ぐ死。
いよいよ孤立する森屋。
さあ、どうなる・・・?!

ダブルフェイス ~潜入捜査編・偽装警察編~ [DVD]
西島秀俊,香川照之,和久井映見,伊藤淳史,蒼井優
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「ダブルフェイス 潜入捜査編」
監督:羽住英一郎
出演:西島秀俊、香川照之、和久井映見、伊藤淳史、蒼井優

重圧感★★★★☆
西島秀俊魅力度★★★★★
満足度★★★★★