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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「信長協奏曲8」 石井あゆみ 

2013年03月28日 | コミックス
徳川家康は歴史上欠かせぬ人物だ

信長協奏曲 8 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


            * * * * * * * * *

今巻もまたユニークです。
時を超えてやってきたサブローが、
後は粛々と歴史をなぞるだけと思いきや、
これでもかというふうに、意外な事が起きます。


冒頭、なぜか桃太郎の鬼退治もどきの話になるのです。
長可&森ブラザーズらが「近頃鬼が出る」という噂を聞きつけ、
サブロー信長の許しを得て退治に出かけます。
サブローは「超見たい」から生け捕って来るようにいいます。
さてその正体は・・・! 
なんとサブローと同じく時を超えてやってきた、超意外な人物。
いやいや、また驚かされてしまいました。
この人は図体はでかいのですが、とっても気持ちが優しいのでした・・・。


そういう微笑ましいエピソードの後には、いきなりシビアな展開になっていきます。
比叡山の延暦寺攻め。
信長の悪名高い戦略の一つですが、
これを考えたのはサブローではなく、光秀(つまりホンモノの信長)。
この人ははじめ軟弱な登場の仕方でしたが、
次第に本性を現してきたといいますか・・・。
頭の良い人なのでしょうね。
これまではひたすらサブローを敬愛し、補佐するという立場だったのが、
少し様子が変わってきたような。
もしかすると、この光秀にサブローは知らずのうちに操られていくのだろうか・・・と、
先行きが不安になって来ました。


また、サブローと同時代の人物が皆仲間とは限りません。
平成のヤクザ松永は、やっぱりヤクザの本性をあらわにしていきます。
そして、織田勢にとっての目下最大の敵は武田信玄。
四方八方敵ばかり、
なかなか苦戦のサブローに、心強い味方はあの竹千代くん、家康。
しかし、岐阜の信長より先に、武田軍の脅威にさらされてしまう。
圧倒的不利と思われるこの戦いに、乗り出す家康。
頑張れ、竹千代くん!!


面白くなって来ましたねえ・・・。
通常信長とくれば対で出てくる秀吉は、
ここでは一癖も二癖もあるイヤラシイ男で、
虎視眈々と信長の座を狙っている。
そういうのもユニークなんですが、
でもやっぱり、最後に信長を裏切るのは光秀なんだろうなあ・・・。
いや、あれ? 
そうなんだろうか・・・? 
やっぱり先は読めません。

「信長協奏曲8」石井あゆみ 
満足度 ★★★★☆