出向になったって、倍返しだ!!
* * * * * * * * * *
人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
ドラマ化も果たした「半沢直樹」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は、
バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。
親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作!
* * * * * * * * * *
さて、やっとお目当ての「ロスジェネの逆襲」。
ショッキングにも銀行から出向となった半沢直樹のその後を描いています。
東京セントラル証券の部長職についた半沢が、
IT企業関係のゴタゴタに乗り込んでいくことになる。
半沢は言うまでもなくバブル世代。
本作のロスジェネ世代とは、彼らよりもう少し若い世代です。
バブル崩壊後の就職氷河期を経験したこのロスジェネ世代に、
スポットを当てているわけです。
ちょうど、半沢の部下となる森山がその代表格。
バブル世代の半沢はその上の層、団塊世代を無責任だと思い非難しますが、
森山から見たバブル世代もまた然り。
「身を削るような就職活動をくぐり抜けて会社に入ってみると、
そこにはたいした能力もないくせに、
ただ売り手市場だというだけで大量採用された危機感なき社員たちが、
中間管理職となって幅をきかせていたのだ。
・・・大量採用のおかげで頭数だけはいるバブル世代を食わすため、
少数精鋭のロスジェネ世代が働かされ、虐げられている。」
と、彼は思っています。
そのため、あまり仕事を好きとも思えず、
やる気をなくしている森山なのですが、
半沢の仕事へ一直線に向かう姿を見て、次第に変わっていくのです。
始めのうちは、銀行からの出向組として、
煙たく思っていたにも関わらず。
ここでの半沢は、
あろうことか親会社の東京中央銀行に
子会社である東京セントラル証券が敵対するという暴挙に出ます。
これにはさすがの友人・渡真利も、
「あまりやり過ぎるな。戻れなくなるぞ」
と忠告するのですが、
そもそも半沢は、自分の進退など気にしていない。
終盤に彼が森山に自分の信念を語るシーンがあります。
「正しいことを正しいといえること。
世の中の常識と組織の常識を一致させること。
ただ、それだけのことだ。
ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価される。」
確かにあたりまえのことなのですが、
それがなかなか当たり前にできていないということなんですねえ・・・。
しかし、銀行内ではやはり半沢を目の敵にする連中が多く・・・。
彼をまたもやどこかとんでもないところへ飛ばしてしまおうという勢力もバカにならない。
やはり、重苦しく、ドキドキさせられるシーンの連続です。
しかし!
倍返しは生きている。
乞うご期待!
ところで、本巻には半沢の奥様である花さんが全く登場しません。
そもそも此度の出向にどのような反応を示したのか。
そしてまた危ない橋を渡る半沢にどう言うのか。
TVドラマではどのようになるのか、それもまた楽しみです。
「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤 ダイヤモンド社
Kindle版にて
満足度★★★★★
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人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
ドラマ化も果たした「半沢直樹」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は、
バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。
親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作!
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さて、やっとお目当ての「ロスジェネの逆襲」。
ショッキングにも銀行から出向となった半沢直樹のその後を描いています。
東京セントラル証券の部長職についた半沢が、
IT企業関係のゴタゴタに乗り込んでいくことになる。
半沢は言うまでもなくバブル世代。
本作のロスジェネ世代とは、彼らよりもう少し若い世代です。
バブル崩壊後の就職氷河期を経験したこのロスジェネ世代に、
スポットを当てているわけです。
ちょうど、半沢の部下となる森山がその代表格。
バブル世代の半沢はその上の層、団塊世代を無責任だと思い非難しますが、
森山から見たバブル世代もまた然り。
「身を削るような就職活動をくぐり抜けて会社に入ってみると、
そこにはたいした能力もないくせに、
ただ売り手市場だというだけで大量採用された危機感なき社員たちが、
中間管理職となって幅をきかせていたのだ。
・・・大量採用のおかげで頭数だけはいるバブル世代を食わすため、
少数精鋭のロスジェネ世代が働かされ、虐げられている。」
と、彼は思っています。
そのため、あまり仕事を好きとも思えず、
やる気をなくしている森山なのですが、
半沢の仕事へ一直線に向かう姿を見て、次第に変わっていくのです。
始めのうちは、銀行からの出向組として、
煙たく思っていたにも関わらず。
ここでの半沢は、
あろうことか親会社の東京中央銀行に
子会社である東京セントラル証券が敵対するという暴挙に出ます。
これにはさすがの友人・渡真利も、
「あまりやり過ぎるな。戻れなくなるぞ」
と忠告するのですが、
そもそも半沢は、自分の進退など気にしていない。
終盤に彼が森山に自分の信念を語るシーンがあります。
「正しいことを正しいといえること。
世の中の常識と組織の常識を一致させること。
ただ、それだけのことだ。
ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価される。」
確かにあたりまえのことなのですが、
それがなかなか当たり前にできていないということなんですねえ・・・。
しかし、銀行内ではやはり半沢を目の敵にする連中が多く・・・。
彼をまたもやどこかとんでもないところへ飛ばしてしまおうという勢力もバカにならない。
やはり、重苦しく、ドキドキさせられるシーンの連続です。
しかし!
倍返しは生きている。
乞うご期待!
ところで、本巻には半沢の奥様である花さんが全く登場しません。
そもそも此度の出向にどのような反応を示したのか。
そしてまた危ない橋を渡る半沢にどう言うのか。
TVドラマではどのようになるのか、それもまた楽しみです。
ロスジェネの逆襲 | |
池井戸 潤 | |
ダイヤモンド社 |
「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤 ダイヤモンド社
Kindle版にて
満足度★★★★★