映画と本の『たんぽぽ館』

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ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

2014年02月05日 | 西島秀俊
本当に自分は、自分が思っているとおりの自分なのか・・・?



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楽しみにしていた西島秀俊主演作。やっと見ました!
ねえ、考えてみたらこれまでたくさん西島秀俊出演作を見てきたけれど、
 劇場で見るのはこれが初めてなのでは???
いやあ・・・意外だけど本当だよね。
 見始めたのが一年くらい前で・・・すべてレンタルのDVDでした。
 TVドラマは別として・・・。
というわけで、私には記念すべき作品ではある!
なんと、いつもは休日でもオール自由席のこの劇場(ディノス)、本作は指定席だったんだよねー。
私はこの劇場ではじめての体験だったかも・・・
うーん、でもそこまで大量の入場者を見込んでた割には、空いていた・・・。
初日から一週間たってたからねえ。初日とかは、一杯だったのかな・・・?


さて、本作はSFっぽくもあるサスペンス。
 韓国との合作というのも西島さんっぽいところだね。
 他にも外国人監督の作品にいろいろ出てたよね。



自宅で妻が殺されているのを発見した石神武人(西島秀俊)。
 しかしちょうどその時電話がかかってきて、
 その相手がなんと死んだはずの妻!!
そんなばかなー!!というところから始まるわけだ。
そして彼は、警察を名乗る男たちに追われることになるのだけれど、
 その彼を救ったのが韓国の記者カン・ジウォン(キム・ヒョジン)。
 彼女は、半信半疑ながらも石神の話を確かめることに協力してゆく。

どんどん彼の記憶が混乱していくね。
私達は自分の記憶こそが真実と思っているから、
 その記憶が消えたり別の記憶が蘇ったりしたら、
 なにが本当かわからなくなってしまう。
 自分の存在さえも、ね。
 これは相当怖いよ。
彼は本当は韓国のオ・ジヌという科学者であったことが次第に思い出されてくる。
 つまり石神武人としての記憶は、あとから上書きされたもので、
 いま、その上書きが少しずつ剥がれつつあるということなんだね・・・。

時々画面にカウントダウンの数字が出てくるのだけれど、
 これが5日間のカウントダウン。
ゼロになったらどうなるか・・・という答えは、作中で後ほど明かされるけれど、
 すべての記憶が消えてしまう、ということなんだよね。
これは大変だ・・・。



本作で問題なのは、それだけじゃない。
 問題はその二つの記憶の中に、
 それぞれに愛した大切な女性がいる、ということなんだな。
悩んじゃうよね-。
 石神としては妻・美由紀(真木よう子)を、
 オ・ジヌとしてはユリ(中村ゆり)を・・・。



まあ、そういうロマンスも見どころではあるってこと。
 これ、女性側から見ると、
 ある日突然愛する人が自分のことを忘れて消えてしまうってことなんだよ。
 理不尽だなあ・・・。
そして見つけたと思ったら、別の女性と幸せそうに暮らしている・・・。
う~ん、切ない・・・。


そんな感じで、本筋の記憶とゲノムのサスペンスに、
 ちょっとしたミステリも絡めてあるのがいいね。
本作のアクションはほぼ西島秀俊さん本人がやっているということでしたが・・・。
もともと、スパイだとかの役じゃなくて、
 イラストレーターであり科学者であるわけだから、
 ぶきっちょな素人っぽいアクションであったわけだよね。
アレだけ体を鍛えている西島秀俊さんだから、
 本当はもっとかっこよく撮ろうと思えばできたのだろうなあって気がする。
まあ、楽しめた作品だと思います。
けど、韓国監督作品なのでちょっとオーバーアクションだったかなあ・・・
 と思わなくもないのですが・・・。
真木よう子さんももっと多く見ていたかったですけどね。
 チョッピリでした・・・。残念・・・。

「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」
2013年/韓国・日本/120分
監督・脚本:キム・ソンス
原作:司城志朗
出演:西島秀俊、キム・ヒョジン、真木よう子、浜田学、中村ゆり
サスペンス度★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★☆☆