映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

フォルトゥナの瞳

2020年01月06日 | 映画(は行)

運命は変えられるか?

* * * * * * * * * * * *


幼少期、飛行機事故で両親を失い、孤独に生きてきた慎一郎(神木隆之介)。
彼は死を目前にした人間が透けて見える能力=フォルトゥナの瞳を持っています。
そんな彼が、桐生葵(有村架純)という女性と出会い、
互いに惹かれ合い、幸せな日々が訪れるのですが、
ある日、慎一郎は葵の体が透け始めているのに気づきます。

運命は変えられるのか・・・? 
本作の大きな命題です。
慎一郎はある相手で試みてみる。
慎一郎が関わって、その人の行動を変えれば、その人物は助かるのです。
しかし、実はその行為は自分自身の命を削ることだということもわかる。
不用意に死ぬべき人の運命を変えると、自分が死ぬことになってしまうということなのです。
しかし、葵の命が脅かされている時、彼はわかったように思うのです。
自分が子どもの頃飛行機事故で助かった理由。
そしてフォルトゥナの瞳をもつ理由。

悲しい結末に、涙、涙・・・。

本作のラスト付近で葵が自分自身の秘密を語るのですが、
どうもそこは必要ないように感じます。
なくても全然問題なかった。
逆にそうしたことによって、私にはこのストーリーの大きな矛盾が見えてしまうのですが、
いかがでしょう・・・(?)

志尊淳さんが始め、タチの悪い男として登場します。
通常ほんわかと優しい感じの役が多いので、ちょっと意外でしたが、
こんなきれいな顔で悪質なヤツというのは余計凄みが増して、怖いです。
・・・けれどさすが志尊淳さんに振り当てられた役だけあって、
次第に慎一郎に親しみを覚えるようになっていきますので、ご安心を。

 

 

<WOWOW視聴にて>
「フォルトゥナの瞳」
2019年/日本/110分
監督:三木孝浩
原作:百田尚樹
出演:神木隆之介、有村架純、志尊淳、DAIGO、時任三郎
自己犠牲度★★★★★
満足度★★★.5